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第4問 死神と駅の中で【プロローグ】
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胸中に漂う不安のようなものを払拭すべく、小野寺は出雲の疑問の方へと思考をスイッチする。
「数藤は毒物を番組側から渡され、それを飲んだことによって亡くなりました。そして、今回の伊良部にいたっては、消火設備を使っての殺害。直接殺害に向かうわけではなく、きっとボタンひとつで殺人が完了してしまうため、残念ながら第2、第3の事件に関しては黒幕を断定できるような情報がほとんどないと言えます。おそらく、黒幕自らが動いたのは第1問目――司馬の時だけです。その時の状況から、黒幕が誰なのかを推察するしかありません」
果たして黒幕は誰なのか。鍵を握るのは、誰でも犯行が可能そうな数藤の件でも伊良部の件でもない。司馬の一件となるだろう。あの時の状況を改めて頭の中で整理してみる司馬。
あれは番組が終わった後のこと。小野寺は不覚なことに、出雲が見つけた酒を口にして酔っていた。出雲にいたってはベロンベロンになっていたはず。その時に見た映像だから、正確に覚えているかは自信がない。けれども、改めて映像を見ることもできないため、嫌でも自分の記憶に頼るしかない。
「状況から察するに、司馬が殺害されたと思われる時間帯は楽屋に鍵がかかっていたと思われる。確か、木戸が九十九の楽屋にいたせいで、木戸は第2問目でペナルティーを受けていたな。となると、九十九と木戸にはアリバイがあったと考えられる」
出雲は消去法によって黒幕が誰なのかを絞るつもりなのであろう。ならば、さらに容疑から外れる人間が数名いることになる。
「殺害された司馬はもちろん、降板によってのちに殺害されることになる数藤、伊良部も黒幕だという可能性は低いでしょう。先に黒幕が死んでしまっては、次の降板が出た時に困りますから」
九十九と木戸にはアリバイがある。そして、殺害されてしまう張本人である司馬、のちに犯人だったことが明らかとなり、降板として扱われることになる数藤と伊良部は黒幕候補から外していい。
「ちなみに藤木のことはどう思う? あいつも黒幕候補として考えるべきか」
現段階でかなり黒幕は絞れてきている。だからこそ、出雲は藤木を候補に残すべきか問うてきたのであろう。
「いえ、そもそも黒幕の存在を匂わせたのは藤木自身ですし、彼は自身が黒幕ではないと公言もしてたはず。司会者という立場上、明らかな嘘などはつかないでしょうし、彼は黒幕ではないと考えてもいいです。まぁ、これで藤木が黒幕だったらアンフェア極まりないですけどね」
「数藤は毒物を番組側から渡され、それを飲んだことによって亡くなりました。そして、今回の伊良部にいたっては、消火設備を使っての殺害。直接殺害に向かうわけではなく、きっとボタンひとつで殺人が完了してしまうため、残念ながら第2、第3の事件に関しては黒幕を断定できるような情報がほとんどないと言えます。おそらく、黒幕自らが動いたのは第1問目――司馬の時だけです。その時の状況から、黒幕が誰なのかを推察するしかありません」
果たして黒幕は誰なのか。鍵を握るのは、誰でも犯行が可能そうな数藤の件でも伊良部の件でもない。司馬の一件となるだろう。あの時の状況を改めて頭の中で整理してみる司馬。
あれは番組が終わった後のこと。小野寺は不覚なことに、出雲が見つけた酒を口にして酔っていた。出雲にいたってはベロンベロンになっていたはず。その時に見た映像だから、正確に覚えているかは自信がない。けれども、改めて映像を見ることもできないため、嫌でも自分の記憶に頼るしかない。
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出雲は消去法によって黒幕が誰なのかを絞るつもりなのであろう。ならば、さらに容疑から外れる人間が数名いることになる。
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