クイズ 誰がやったのでSHOW

鬼霧宗作

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第3問 過去は明日と同じ夢を見るか【解答編】

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 アルコール専用の自動販売機の電源が落ちていたこと、そして普通ならば消灯するはずのない廊下の明かりが消灯されていたこと。これらはきっと、お客様に対するホテル側の気遣いなのだ。ある意味、特例的に行われたサービスとも言える。

「つまりさ、事件が起きた日、ホテルはある特定の団体による貸し切り状態だったんだよ。その団体に対して、ホテル側はサービスとして、アルコール専用の自動販売機の電源を落としたし、夜になったら廊下の電気を消したんだ」

 まだ、これだけではパズルのピースが揃っているようには見えないだろう。案の定、アカリが首を傾げる。

「えーっと、貸し切りだったということは、他のお客さんがチェックインしたりはしないだろうから、廊下の明かりを消せるけどさ……。そもそも、廊下の明かりを消すことと、アルコール専用の自動販売機の電源を落とすことの、どこが気遣いなわけ? 自動販売機の電源を落とすなんて、むしろ嫌がらせだと私は思うんだけど」

 アカリの返し方は満点。そう返してもらえば、その次の答えを自然と口にすることができる。それこそ、決定打となり得る答えをだ。

「ここでエキストラのことを思い出せよ。ホテルはある団体によって貸し切り状態だった。そして、エキストラの中には――制服を着た連中が多くいたはずだ。さて、ここまで話せば、ホテル側がどうして廊下の明かりを消したのか、そしてアルコール専用の自動販売機の電源を落としていたのかが分かるはずだ。それと同時に【A】達と【甲】達がなぜカテゴリ分けされていたのかもな――」

 まだ直撃はさせない。直撃はさせないものの、なかばギリギリのところを狙う九十九。犯人の神経を少しずつ削っていることだろう。

「ホテルを貸し切っていた団体ってのは――だったってことですか。修学旅行なのか、研修旅行なのかは分かりませんが、事件が起きた当時は、ある学校がホテルを貸し切る形になっていた。だから、ホテル側は学校が指定した消灯時間には廊下の明かりを消すことにした。生徒がアルコール類を購入できないように、アルコール専用の自動販売機の電源を落としていた――ってことですね?」

 犯人へと引導を渡したのは、どうやら九十九ではなく眠夢のようだ。彼女が口にした答えは、すなわち誰が犯人なのかをあぶり出してしまったのだから。

「その通りだ。格好とか特徴でごまかしていたけど【A】達も学校の関係者だったってことだ。ここまで分かれば、なぜカテゴリ分けが生じていたのかも分かるだろ?」
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