クイズ 誰がやったのでSHOW

鬼霧宗作

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第3問 過去は明日と同じ夢を見るか【出題編】

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 少しずつ顔写真の切り替わりスピードが落ちていく。選んだ写真が悪いのか、半目になってしまっている長谷川の顔写真がぱっと目に入って、思わず鼻で笑ってしまった。結局、最終的に止まったのは――柚木の顔写真だった。顔立ちは整っているが、どこか薄幸そうな雰囲気は、彼女独特のものであろう。

「では、女性陣の代表は伊良部さんに決定しました。お2人とも前のほうまでどうぞー」

 よりによって、当たったのは柚木。実はあまりよろしくない状況であると九十九は考えていた。彼女は第2問目の時点で、疑心暗鬼に耐えきれず、解答という重要な場面で、それらを放棄してしまっている。もちろん、一晩たったからといって、精神状態が元に戻るとは思えない。つまり、この状況下において、彼女こそがもっとも自棄的な行動を取ってしまうおそれがあった。

 九十九が解答席から立ち上がると、それに合わせて力なく立ち上がる柚木。お互いに歩幅を合わせるようにして解答席中央へと向かう。

「難しく考えるな――直感的に必要だと思う情報を選べ。俺がうまくやるから、あんたはどれを選んでもいい」

 中央で柚木と対面した際、ぽつりと漏らす九十九。今の彼女は、余計なことを考えれば考えるほど、パニックに陥っていくと思われる。それを少しでも和らげることで、まともな判断をして欲しいものだが――実のところ、そう簡単ではないだろう。

 いつ終わるのか分からないクイズ番組。そこにいきなり放り込まれた理不尽さ。そして、クイズが終わる度に必ず人が死んでいく。この状況にストレスを受けない人間などいないだろう。クイズに正解しても、不正解であっても、必ず誰かが死ぬというシステムは、かなりの苦痛になっているに違いない。柚木を除けば、まだ余裕がありそうではあるが、しかし表に出さないだけで、精神的にしんどい思いをしている人は多そうだ。

「おっと、九十九さん。今回の【チョイスアンドチョイス】では相談が禁止されております。今のは見逃しますが、次はないと思ってください」

 特に相談などしていないが、柚木に声をかけただけで、禁止事項として判断されてしまったようだ。第3問目ともなれば、互いに互いを疑い合う環境ができあがっている。だからこそ、その疑心暗鬼を煽るために、あえて相談することを禁止しているのであろう。

 藤木の言葉に舌打ちをすると、柚木と共に前へと出る九十九。

「さぁ、それではまずは九十九さんから選んでいただきましょう。【チョイスアンドチョイス】、あなたが必要としてる情報はどれ?」
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