クイズ 誰がやったのでＳＨＯＷ

第３問 過去は明日と同じ夢を見るか【出題編】

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　とにもかくにも、このクイズ番組は常に藤木のペースに合わせていかなければならない。新たな要素が入ってくることを拒むことはできないし、２問目の同調ゲームのように、犯人に直結するような情報が得られる可能性もある。今、九十九がすべきことは、可能な限り広い範囲にアンテナを張り、ささいな情報も見逃さないようにすることだ。

「この【チョイスアンドチョイス】というのは、これから提示させていただくいくつかの情報を選択していただくものとなっております。提示させていただく情報は全部で５種類。これから、男性陣と女性陣の中から、ランダムで１名ずつを選出させていただき、代表として、それぞれ開示したい情報を選択していただきます。この情報の選択については、みなさんで相談することは禁止といたします。代表として選ばれた方が、自らの判断で情報を選んでください」

　この【チョイスアンドチョイス】とやらは、第２問目にて導入された【ディティクティヴタイム】の自由度を制限したシステムといったところか。現場の模型を調べ、気になったことを藤木に聞き、藤木はイエスがノーで答える。この時、藤木の解答は実際に質問をした人間にしか分からなかったわけであるが、第３問目で導入された【チョイスアンドチョイス】に関しては、あらかじめ提示されたいくつかの情報から、好きなものを選ぶだけ。ただし、どの情報を開示するのか選べるのは、選出された代表者のみ。ここにいる全員の総意としての選択はできないということだ。

「それでは、改めてモニターのほうをご覧ください！」

　藤木に言われてモニターのほうへと視線をやる一同。画面は相変わらず真っ暗なままであるが、そこに白文字がぼんやりと浮かび上がる。

　【事件の概要】【丙の証言】【鑑識官の見解】【フロントマンの証言】【乙の証言】。箇条書きにされたそれは、どれも事件にとって重要なものであるように見える。【事件概要】については、再現映像を見ていれば分かるように思えるが、しかし明朝になって首吊り死体が見つかった経緯など、詳細な部分が不明なままだ。まずは基盤として、その辺りをはっきりとさせておきたいという気持ちがある。また【丙の証言】と【乙の証言】というのも興味深い。【丙】は首吊りがあった部屋の隣にいたわけであるし、もしかすると何か気づいたことがあったかもしれない。【乙】は遅くになってからホテルに戻ってきたわけであり、【丙】に比べて情報力はないように思えるが、案外まるで関係なさそうな対象が、重要な情報を握っている場合もある。特に相手が藤木ならば、平気でそういうことをやりそうだ。