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第3問 過去は明日と同じ夢を見るか【出題編】
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「エキストラと演者を分けている辺りで分かってはいましたが、犯人は【A】【B】【C】【丙】【乙】のいずれかみたいですね」
ありきたりの謳い文句と同時に並べられた顔写真は5枚。ついさっき登場人物紹介があったばかりだから、なんとなくそれらが【A】達であることが分かった。小野寺の言葉を受けて出雲が口を開く。
「あぁ、この事件で殺されてしまうのは【甲】だからな。必然的に、それを除いた5人が、今回の事件の容疑者になるみたいだ」
次回予告が終わると、またしても画面が暗転。次はどんな映像が流れるのかと思ったら、どうやらスタジオのほうに画面が切り替わったようだった。たった2人の人間がいなくなっただけで、解答席のほうが随分と広いように見えてしまうのは気のせいだろうか。
『はい、今回は再現映像にかなり力が入っております。ご覧になられた通り、地元では有名な館――』
『おい』
画面がスタジオに切り替わった直後、司会者として当然の支配権を握ろうとした藤木。しかしながら、彼の言葉を当然のように遮る声が飛び出した。その発生源は考えるまでもない。こんなことを平気でやる男性は九十九しかいないだろう。
『――なんでしょうか、九十九さん。あの、進行を遮るような真似はやめていただきたいのですが』
九十九が藤木の司会進行を遮る場面など見慣れたものである。司会者と解答者という立場の違いがあるはずなのであるが、九十九は容赦なく壁をぶち壊す。いいや、この状況で自分の役割に収まってしまっている日本人らしさのほうが、実は間違っているのかもしれない。
『ひとつだけ確認しておきたい。第1問から第3問までの事件――どれだけ用意しているか分からねぇが、今後問題として出題される予定の事件。それらは全て同じエリア内……いいや、管轄内で起きたものになるんだよな?』
クイズに出される問題の元となった事件は、一定のエリア内で起こっている。これは、小野寺の考え方と同じだ。実際、第1問目のキャンプ場らしきところと、第2問目の【虚無の石櫃】がある高原、そして第3問目の錯覚館とやらは、同じエリア内にある可能性が極めて高い。ただ、九十九の表現の仕方がちょっと気になる。同じ管轄内――とは、何を根拠にして、そんなことを言っているのだろうか。
『はて、管轄内……とは?』
藤木も小野寺と同じ部分を疑問に思ったのであろう。わざとらしく首を傾げて見せた。その仕草が人を小馬鹿にしているようにしか見えない。
ありきたりの謳い文句と同時に並べられた顔写真は5枚。ついさっき登場人物紹介があったばかりだから、なんとなくそれらが【A】達であることが分かった。小野寺の言葉を受けて出雲が口を開く。
「あぁ、この事件で殺されてしまうのは【甲】だからな。必然的に、それを除いた5人が、今回の事件の容疑者になるみたいだ」
次回予告が終わると、またしても画面が暗転。次はどんな映像が流れるのかと思ったら、どうやらスタジオのほうに画面が切り替わったようだった。たった2人の人間がいなくなっただけで、解答席のほうが随分と広いように見えてしまうのは気のせいだろうか。
『はい、今回は再現映像にかなり力が入っております。ご覧になられた通り、地元では有名な館――』
『おい』
画面がスタジオに切り替わった直後、司会者として当然の支配権を握ろうとした藤木。しかしながら、彼の言葉を当然のように遮る声が飛び出した。その発生源は考えるまでもない。こんなことを平気でやる男性は九十九しかいないだろう。
『――なんでしょうか、九十九さん。あの、進行を遮るような真似はやめていただきたいのですが』
九十九が藤木の司会進行を遮る場面など見慣れたものである。司会者と解答者という立場の違いがあるはずなのであるが、九十九は容赦なく壁をぶち壊す。いいや、この状況で自分の役割に収まってしまっている日本人らしさのほうが、実は間違っているのかもしれない。
『ひとつだけ確認しておきたい。第1問から第3問までの事件――どれだけ用意しているか分からねぇが、今後問題として出題される予定の事件。それらは全て同じエリア内……いいや、管轄内で起きたものになるんだよな?』
クイズに出される問題の元となった事件は、一定のエリア内で起こっている。これは、小野寺の考え方と同じだ。実際、第1問目のキャンプ場らしきところと、第2問目の【虚無の石櫃】がある高原、そして第3問目の錯覚館とやらは、同じエリア内にある可能性が極めて高い。ただ、九十九の表現の仕方がちょっと気になる。同じ管轄内――とは、何を根拠にして、そんなことを言っているのだろうか。
『はて、管轄内……とは?』
藤木も小野寺と同じ部分を疑問に思ったのであろう。わざとらしく首を傾げて見せた。その仕草が人を小馬鹿にしているようにしか見えない。
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