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第3問 過去は明日と同じ夢を見るか【出題編】

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「あー、言われてみりゃ、そうも見えなくはないが、学校の制服なんて似たり寄ったりだろ?」

 画面に顔を近づけて眉間にシワを寄せる出雲。彼の言う通り、制服なんて似たり寄ったりだろうし、全国の高校の数から考えると、制服が丸かぶりしているところだってあるに違いない。出雲がそう言い出したせいだとは思いたくないが、なんとなく眠夢の制服とは若干異なるように見えてきた。人間の目なんて適当なものである。

「そう言われてみると、確かにちょっと違う気もしてきますね……」

 結果、なんだか自分の意見がない人間のような反応になってしまった。

 画面が暗転する。そして、ミステリー劇場のテーマソングらしいBGMが流れた。壮大でありながら、どこか禍々まがまがしいものが含まれているようなBGMだった。それに合わせて、暗転した画面には【次回予告】とのテロップが出る。時計盤のようなものが割れたと思ったら、ガラス片が辺りに飛び散る映像が入ると、さながら次回予告と言わんばかりのダイジェストらしきものが流れ始めた。どこかで見たことのある切り口だ。

 まず最初に映されたのは、夜の中庭の映像。中庭に面した廊下から撮影されたらしく、中庭の向こう側にある客室の窓のうち、一番左手の窓のカーテンが取っ払われ、明かりが漏れている。そして、その明かりの中には、首にロープをかけた人影がぶら下がっていた。動揺したかのように画面が揺れると「おい、これやばいって!」との男性の声。そして別の男性の声で「いくぞ!」と聞こえて場面が変わる。ダイジェストだから仕方がないのかもしれないが、どうせならその先を見せて欲しかった。

 ――目撃したはずの首吊り死体が部屋から忽然と姿を消していた。

 暗転した画面に、白と赤の文字が入り乱れる。間髪入れずに画面が切り替わり、またしても首吊り死体。場所は客室の中らしき場所。中庭のほうからは日差しが差し込んでいた。カーテンが風に揺れるのに合わせて、天井からぶら下がった死体も揺れる。

 ――そしてまた、消えたはずの死体が現れた。

 はっきり言ってしまおう。次回予告の要点をまるでおさえられていない。ダイジェストであっても、もう少し順序を追って作って欲しいものである。首吊りの死体が姿を消し、また現れた――そのような内容であると理解できるのは、テロップが入っているからに他ならない。

 ――犯人は誰だ。

 画面が切り替わり、極め付けと言わんばかりに登場人物の顔写真が並べられ、決まり文句とばかりのテロップが流れた。
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