クイズ 誰がやったのでSHOW

鬼霧宗作

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第3問 過去は明日と同じ夢を見るか【出題編】

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「数藤さんを番組側が? 一体どうやって?」

 数藤が絶命してしばらく。司馬の時と同じように楽屋のロックが解除されたわけだが、その時点で、九十九は数藤の心臓マッサージを始めていた。どう考えても助かりそうにないし、助ける相手が数藤だというのも面白くない。けれども、このまま数藤がまんまと降板してしまうのが、もっと気に入らなかった。九十九の懸命の人命救助は、なかば意地のようなものだった。

 ただならぬ空気が漂っていたのだろう。それを察知したであろう長谷川が楽屋に飛び込んでくる。そこで九十九と数藤の状況を見た長谷川が、大声で事情を聞き出そうとしてきた。それどころではない九十九は、長谷川を黙らせる意味も込めて、さらに声を張って返した。そのやり取りを聞きつけた女性陣が、楽屋の前へと集まり始める。そこに、カメラを持った藤木が姿を現したわけだ。

 数藤が倒れた時の状況は、数藤の心臓マッサージを続けながら長谷川に説明させてもらった。自然と声を張ったままの状態にあったから、きっと外の女性陣にも、あらましは伝わったことであろう。

「あぁ、確かに直接的に数藤に手を下そうとするのならば、一緒に楽屋にいた俺にしか犯行は不可能だろうな。だが、数藤の死因はなんだ?」

 九十九が問うと「外傷らしきものは見当たらなかったと思うが――」と、明確には答えてくれない長谷川。よほど九十九を黒幕だということにしてしまいたいのであろう。状況を説明する際、数藤は毒殺された可能性が高い……と話したはずなのだが。

「あんたの言う通り、数藤のおっさんの体に外傷らしきものは残っていなかった。俺の目の前で血を吐いて倒れたんだからな。となると、死因はそこに帰結することになる。つまり、体の外からじゃなくて体の中から致命的なダメージを受けたんだ。そして、この状況下で体の中からダメージを受けたとするのであれば、その手段も限られてくる。現状でぱっと思いつくのは――そもそも数藤は病気で、たまたま都合良く降板が決まった直後に病死したという可能性と、何かしらの毒物を摂取することにより死亡したという可能性くらいだ。どっちが現実的かなんて言うまでもねぇだろ?」

 クイズとは違い、圧倒的に与えられる情報量が少ない。藤木を問いただそうにも、柚木を呼びに向かってしまった。だから、現状で推測できる材料だけで推測を進めるしかなかった。

「病気――という線は、あまりにもタイミングがぴったりであり得ないと思うんですけど」

 眠夢が言い、自然と周囲が同調するかのように頷いた。
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