クイズ 誰がやったのでSHOW

鬼霧宗作

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第2問 虚無の石櫃【出題編】

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『さぁ、それでは同調ゲームを始めます! 解答者の方々は話し合って、お題を出す代表者を選んでください!』

 解答者との打ち合わせなどなかったかのごとく、仕切り直すかのように声を張る藤木。再現映像をしっかりと確かめるためには、1枚でも多くのパネルを開けておきたい。藤木の思惑に乗っかるようで面白くないだろうが、意外と同調ゲームの結果は重要だったりする。もっとも、この後に用意されている再現映像の内容次第ではあるが――。とにかく、パネルは1枚でも多く開けておいて損はないだろう。

『ここは俺にやらせろ』

 これまでの流れならば、自然と彼に視線が集まり、結局のところ彼にゆだねられるのであろうが、その流れを本人も把握しているであろう。自分に視線が集まる前に、九十九が代表者へと立候補した。これまで場をリードしてきた九十九の立候補に対して、苦言をていするものはいなかった。数藤が少し面白くなさそうな顔をしたように見えたが、孤立することを選んだ彼の言葉は、仮に正論であったとしても受け入れられないだろう。自然とみんなが首を縦に振り、代表者は九十九へと決定する。

『それでは、代表者は九十九さんということで――。さぁさぁ、1枚でも多くのパネルをオープンさせるためにも、皆さんが同調しやすいお題を出す必要があります。果たして、九十九さんはそのようなお題を出すことができるのか。それでは、お題をどうぞ』

 いちいち盛り上がりを気にしているような藤木の喋りが、逆に興を削いでいることに、いい加減彼は気づくべきだ。バリバリ編集の入った番組ならばまだしも、そのようなスタイルの番組ではないし、ここぞという決めのBGMやジングルなども、藤木のタイミングで流している状態なのだから、それに見合った進行をすればいいものを――。どうしても彼が浮いたように見えるのは、その辺りのギャップに原因があるのだろう。

『それじゃあ――今、解答者の中でもっともムカつく奴は誰だ?』

 藤木から振られた九十九は、きっと前もってお題を準備していたのであろう。ほぼ間髪入れずに口を開く。実に分かりやすく、また同調しやすいお題だと思う。自然と数藤のほうに視線をやりつつ、小野寺は状況を見守った。

『いやぁ、これは中々に迷いますねぇ――』

 そんなことを言いながらプレートを選ぶのは藤木である。ここまでのやり取りを見れば、解答者の中で誰がもっともヘイトを集めているかなど明白。事実、迷っているのは藤木だけであり、解答者達はさっさとプレートを決めてしまったようだった。
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