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第2問 虚無の石櫃【出題編】

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 スタジオ内にも面倒くさいといった様子の空気が流れ始める。楽しげにしているのは藤木だけだ。

『さて、このゲームは……どれだけ周囲と意思の疎通ができているか、逆にどれだけ空気が読めていないのかが露呈してしまうゲームです。まず、解答者の中から代表者を選出していただきます。その代表者がお題を出し、そのお題に沿ったプレートをそれぞれを1枚ずつかかげていただきます。この際、周囲と同じプレートを出せるか否か――というのが、同調ゲームの肝です。同じプレートの枚数分だけ、8等分されたパネルが開き、映像を見ることができます。極端な話、お題に対して全員が異なるプレートを出した場合、1枚もパネルは開かず、音声のみで映像をお届けになることになりまーす』

 同調ゲーム。それは、バラエティー番組などで見たことがあるゲームのまるパクリだった。モニターは8等分されており【1】~【8】の番号が振られている。そして、同調ゲームで同じパネルが出た枚数分だけ、8等分されたパネルが開き、そこから再現映像を見ることになる。パネルが開けば開くほど、再現映像を見る際の範囲が広くなる。逆にパネルを開けることができなければ、再現映像を見る際の範囲が狭くなる。下手をすれば、まるで再現映像を見ることができないという状況にもなり得る。このシステムを聞いて、日曜の昼下がりにやっているクイズ番組から着想を得たのだろうと思ったのは、きっと小野寺だけではない。

『習うより慣れろと言いますし、私が例題としてお題を――』

『それよりも、このプレートの写真……どうにかならねぇのかよ。なんでよりによって中坊の頃の卒アル写真なんだ?』

 藤木の言葉を遮って苦言を呈したのは九十九だった。はっきりとプレートを見たわけではないが、どうやらプレートに採用されているのは、卒業アルバムの写真らしい。その後、藤木をたまにクッションとして入れながら、解答者同士のやり取りがしばらく続いた。数藤は相変わらず非協力的な態度を見せたが、それぞれ確認した結果、プレートに使用されている写真は、一同が中学校の際に撮影した卒業あるバルの写真であることが判明した。数藤からの言質は取れなかったが、彼のプレートもまた、中学校の頃の卒アル写真であろう――というところに落ち着いた。藤木の写真に関しては丸無視してやった。

『どうして皆さんの写真が中学校の頃の卒アル写真なのか――。まぁ、ぶっちゃけてしまうと九十九さんのせいなのですが、とにかく例題をやってみましょう』
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