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第2問 虚無の石櫃【出題編】
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もうあてにさえしていないが、数藤はあくまでも【質問権】を破棄するつもりらしい。まだ、後半の再現映像は残っているのだろうが、そこでどれだけの情報が開示されるかは分からない。後になって同じような情報が出てくるとしても、この場で失効してしまう【質問権】を行使することは、決してマイナスにはならないはずだ。ここまで来ると、単純に意地で【質問権】を破棄しようとしているようにしか見えない。
「そうですか。それでしたら……数藤さんは【質問権】を破棄するということで。ちょうど時間切れにもなりましたし。では、次に【質問権】が失効するのは、木戸さんということにしましょう」
数藤は本当に【質問権】を行使せず、時間切れにて失効することになってしまった。続いて指名されたのはアカリだった。ペナルティーにより解答権は失ってしまったが、しかし【質問権】は与えられている。もちろん、九十九達にとってはプラスのことであり、またデメリットもないわけであるが、この辺りのルールの管理が適当である。変に口を出して、アカリの【質問権】が失効するのも面白くないから、あえて口出しはしないが。
「次の質問は、今さっき俺が言った内容でいい。藤木の返答次第で、また次の質問を変えるぞ」
数藤が【質問権】を破棄してくれたおかげで新たな情報はなし。次にどんな質問をすればいいのか指示を出してしまえば、模型を調べる時間が残る。
「分かった。さっきのやつを聞いてみる。現場周辺か施設にあったもので、使用された痕跡のあるものがあったか――でいいんだよね?」
高さ20メートルの【虚無の石櫃】であるが、その内部に入るとなると、何かしらの手段で20メートルの高さをのぼらなければならない。また、何かしらの手段で【虚無の石櫃】の中におりなければならない。道具や施設を使わずに、それだけの高さまでのぼるのは不可能だ。これで答えが【ノー】だったら、いよいよわけが分からなくなってくる。
「あぁ、それでいい。これで残る【質問権】は4回か。次の質問の答え次第だが、そろそろ絞り込みのことも考えて質問を選ばねぇとなぁ」
模型を眺めながら呟く九十九。気がつけば【質問権】のほうへと思考が完全にシフトしてしまっており、模型を漠然と眺めていても不自然な点は見当たらない。いや、不自然な点があまりにも目立ち過ぎていたがゆえに、さっさと全て見つけてしまったのかもしれない。おそらく【質問権】がなかったら【ディティクティヴタイム】の尺がもたなかったことだろう。
「そうですか。それでしたら……数藤さんは【質問権】を破棄するということで。ちょうど時間切れにもなりましたし。では、次に【質問権】が失効するのは、木戸さんということにしましょう」
数藤は本当に【質問権】を行使せず、時間切れにて失効することになってしまった。続いて指名されたのはアカリだった。ペナルティーにより解答権は失ってしまったが、しかし【質問権】は与えられている。もちろん、九十九達にとってはプラスのことであり、またデメリットもないわけであるが、この辺りのルールの管理が適当である。変に口を出して、アカリの【質問権】が失効するのも面白くないから、あえて口出しはしないが。
「次の質問は、今さっき俺が言った内容でいい。藤木の返答次第で、また次の質問を変えるぞ」
数藤が【質問権】を破棄してくれたおかげで新たな情報はなし。次にどんな質問をすればいいのか指示を出してしまえば、模型を調べる時間が残る。
「分かった。さっきのやつを聞いてみる。現場周辺か施設にあったもので、使用された痕跡のあるものがあったか――でいいんだよね?」
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