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第2問 虚無の石櫃【出題編】
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この数藤という男。明らかに九十九に対して対抗心のようなものを燃やしている気がしてならない。第1問において主導権を握ったのは九十九であるが、それはあくまでも現状を乗り越えるためにやったことであり、別に目立とうとしてやったことではない。むしろ、こんな場所で目立って何になるのだろうか。
「そんなことを言い出したらキリがねぇ。ここにいる誰もが、犯人である可能性がある。犯人から除外できるとなると――相変わらず眠たそうな、そこの高校生くらいだろうよ」
事件の性質から考えると、現時点で高校生である眠夢は、第2問の答えから除外される。なぜなら、登場人物は大学のゼミ生と大学の教授のみだからだ。事件がいつ起こったものなのかは分からないが、少なくとも事件が起きた当初、犯人は大学生である年齢でなくてはならない。その条件を満たせないのは、高校生の眠夢だけだ。
「あー、だったら私がぁ、主導権を握ればいいんじゃないですかぁ?」
もはや、睡眠障害なのではないかというレベルで、寝ぼけた言葉を漏らす眠夢。しかしながら、鋭い時は鋭かったりする。結局のところ、いまいち掴みどころというものがない。そんな彼女に対して、数藤が面白くなさそうに悪態をつく。
「ふん、そんな寝ぼけ眼で物を言う女に誰が従うものか。申し訳ないが私は1人でやらせてもらうよ」
現在、残っている人数は7人。このうち、犯人はまず間違いなく、自分の名前を答えとして解答することはない。司馬がそうだったように、素直に犯人の名前を書いたところでメリットがまるでないからだ。どう考えても四面楚歌の状態であっても、自分の名前を書きたくないのが、犯人の心理であるといえよう。これにくわえて、数藤は単独で問題に取り組むらしい。たどり着く答えが同じであればいいのだが、しかし答えがばらけてしまうと、それだけで正解者が減ることになってしまう。つまり、この時点で7票中2票を失う可能性があるわけだ。しかも、この第2問において、アカリは解答権を持たないことになっている。つまり最大で3票。この時点で3票を失う可能性がある。過半数が正解しなければならないというノルマを課せられてしまった九十九達からすれば、3票を失うのは手痛い。残りの人間が満場一致で正解を叩き出さねば、過半数に満たないのだから。
「あの、さっきから黙って聞いてましたけど、あんまりにも自分勝手すぎませんか? その自分勝手な行動が、みんなの首を絞めることになるかもしれないんですよ? いい大人なんだから、それくらい分かると思うんですけど」
我慢できなくなったのであろう。大人しい雰囲気がありながら、言いたいことは割とはっきり言うアカリが、やや強めの口調で言った。
「そんなことを言い出したらキリがねぇ。ここにいる誰もが、犯人である可能性がある。犯人から除外できるとなると――相変わらず眠たそうな、そこの高校生くらいだろうよ」
事件の性質から考えると、現時点で高校生である眠夢は、第2問の答えから除外される。なぜなら、登場人物は大学のゼミ生と大学の教授のみだからだ。事件がいつ起こったものなのかは分からないが、少なくとも事件が起きた当初、犯人は大学生である年齢でなくてはならない。その条件を満たせないのは、高校生の眠夢だけだ。
「あー、だったら私がぁ、主導権を握ればいいんじゃないですかぁ?」
もはや、睡眠障害なのではないかというレベルで、寝ぼけた言葉を漏らす眠夢。しかしながら、鋭い時は鋭かったりする。結局のところ、いまいち掴みどころというものがない。そんな彼女に対して、数藤が面白くなさそうに悪態をつく。
「ふん、そんな寝ぼけ眼で物を言う女に誰が従うものか。申し訳ないが私は1人でやらせてもらうよ」
現在、残っている人数は7人。このうち、犯人はまず間違いなく、自分の名前を答えとして解答することはない。司馬がそうだったように、素直に犯人の名前を書いたところでメリットがまるでないからだ。どう考えても四面楚歌の状態であっても、自分の名前を書きたくないのが、犯人の心理であるといえよう。これにくわえて、数藤は単独で問題に取り組むらしい。たどり着く答えが同じであればいいのだが、しかし答えがばらけてしまうと、それだけで正解者が減ることになってしまう。つまり、この時点で7票中2票を失う可能性があるわけだ。しかも、この第2問において、アカリは解答権を持たないことになっている。つまり最大で3票。この時点で3票を失う可能性がある。過半数が正解しなければならないというノルマを課せられてしまった九十九達からすれば、3票を失うのは手痛い。残りの人間が満場一致で正解を叩き出さねば、過半数に満たないのだから。
「あの、さっきから黙って聞いてましたけど、あんまりにも自分勝手すぎませんか? その自分勝手な行動が、みんなの首を絞めることになるかもしれないんですよ? いい大人なんだから、それくらい分かると思うんですけど」
我慢できなくなったのであろう。大人しい雰囲気がありながら、言いたいことは割とはっきり言うアカリが、やや強めの口調で言った。
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