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第2問 虚無の石櫃【出題編】
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『解答者の皆さんも、こちらのほうへとお願いしますー』
カメラは特設ステージのほうへと向けられたが、しかし演者は解答席のほうで突っ立っていたのであろう。少し画面がブレ、カメラを固定するような音が聞こえると、藤木がフェイドインして手招きをする。
戸惑ったかのような足音。解答者達の姿は見えないものの、その足音には明らかな戸惑いがあった。周囲の様子を伺うかのごとく、手探りで歩き始めた足音だったが、それらを一蹴するかのごとく、大きな足音が響いた。まるで自らのことを主張するために、わざと大きな音を立てているようなそれは、なんとなく誰が立てているのか予想ができた。
「九十九か数藤だな」
小野寺の心を見透かしたかのごとく、出雲がぽつりと呟いた。さすがは阿吽の呼吸。小野寺が思っていたことを見事に言い当て、しかも本人が口にする直前に、代弁するかのごとく漏らす。この辺りが、なんだかんだで長年のバディーである賜物なのかもしれない。
「えぇ、この状況で物怖じをしないのは、きっと九十九か数藤かのどちらかですね」
当たり前だが、小野寺は九十九や数藤に会ったことなどない。画面越しに見えてはいるが、きっとあちらからはこちらのことを認識できるわけではないだろうし、いってしまえば赤の他人である。しかしながら、番組を追っていくうちに、解答者の人間性というものは見えてくるものだ。そして、この状況で遠慮したりしないのは九十九か数藤に違いない。
案の定、戸惑う足音を追い抜いて画面に姿を現したのは、九十九と数藤だった。それからしばらく間が空いて、アカリ、柚木、凛、長谷川と続く。
『西潟さーん! 立ったまま寝るとか器用なことをしていないで、こっちに来てくださーい!』
人数が足りないと思っていたら、どうやら女子高生の眠夢がまだのようだ。藤木の言葉をそのまま受け取るのであれば、起立したまま寝てしまっていたらしい。彼女の両親がどんな気持ちで名前をつけたのか知らないが、まさかこうも寝てばかりの子になるとは思ってもみなかったであろう。名は体を表すとは上手く例えたものだ。
藤木の呼びかけにて、ようやく眠夢が画面の中に入ってくる。
特設ステージを設けての第2問。残念ながら、犯人は解答者の中の誰か。どんな心境で、特設ステージに立っているのだろうか。
小野寺にできることは、ただ見守るだけ。そして、正解しても意味がないクイズをの答えを探すだけ。テレビの画面を見つめつ、小野寺は自分の無力さに大きく溜め息を漏らしたのであった。
カメラは特設ステージのほうへと向けられたが、しかし演者は解答席のほうで突っ立っていたのであろう。少し画面がブレ、カメラを固定するような音が聞こえると、藤木がフェイドインして手招きをする。
戸惑ったかのような足音。解答者達の姿は見えないものの、その足音には明らかな戸惑いがあった。周囲の様子を伺うかのごとく、手探りで歩き始めた足音だったが、それらを一蹴するかのごとく、大きな足音が響いた。まるで自らのことを主張するために、わざと大きな音を立てているようなそれは、なんとなく誰が立てているのか予想ができた。
「九十九か数藤だな」
小野寺の心を見透かしたかのごとく、出雲がぽつりと呟いた。さすがは阿吽の呼吸。小野寺が思っていたことを見事に言い当て、しかも本人が口にする直前に、代弁するかのごとく漏らす。この辺りが、なんだかんだで長年のバディーである賜物なのかもしれない。
「えぇ、この状況で物怖じをしないのは、きっと九十九か数藤かのどちらかですね」
当たり前だが、小野寺は九十九や数藤に会ったことなどない。画面越しに見えてはいるが、きっとあちらからはこちらのことを認識できるわけではないだろうし、いってしまえば赤の他人である。しかしながら、番組を追っていくうちに、解答者の人間性というものは見えてくるものだ。そして、この状況で遠慮したりしないのは九十九か数藤に違いない。
案の定、戸惑う足音を追い抜いて画面に姿を現したのは、九十九と数藤だった。それからしばらく間が空いて、アカリ、柚木、凛、長谷川と続く。
『西潟さーん! 立ったまま寝るとか器用なことをしていないで、こっちに来てくださーい!』
人数が足りないと思っていたら、どうやら女子高生の眠夢がまだのようだ。藤木の言葉をそのまま受け取るのであれば、起立したまま寝てしまっていたらしい。彼女の両親がどんな気持ちで名前をつけたのか知らないが、まさかこうも寝てばかりの子になるとは思ってもみなかったであろう。名は体を表すとは上手く例えたものだ。
藤木の呼びかけにて、ようやく眠夢が画面の中に入ってくる。
特設ステージを設けての第2問。残念ながら、犯人は解答者の中の誰か。どんな心境で、特設ステージに立っているのだろうか。
小野寺にできることは、ただ見守るだけ。そして、正解しても意味がないクイズをの答えを探すだけ。テレビの画面を見つめつ、小野寺は自分の無力さに大きく溜め息を漏らしたのであった。
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