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第2問 虚無の石櫃【出題編】
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再現映像が流れっぱなしであると、それを追いかけることに終始してしまい、思考がなかなか追いつかない。できることならば、画面を一時停止でもして、考えながら話を進めたいのであるが――。そんな小野寺のことを察したかのごとく、真っ暗な画面には【果たしてどんな事件が起きたのか 一旦CMです】と白文字が浮かび上がったかと思ったら、画面が切り替わった。
新番組――と青の画面に白地のテロップ。何が始まるかと思ったら、セルフCMのようだった。誰もいないスタジオの中で、解答席をバックに藤木がマイクを手に取ると「新番組、誰がやったのでSHOW!」と始める。その構成はCMそのものであるが、間違ってもスポンサーがいるとは思えない。自分で勝手にやっている感が半端なかった。
「小野寺、この時点でまた犯人から外れるやつが出てくるんじゃないか?」
CMに入ったのを見計らってか、出雲が口を開いた。テレビの画面の中では、藤木が熱く、そして早口で番組のことを語っている。それを尻目に小野寺は小さく頷いた。
「おそらくですが、現時点で女子高生である西潟眠夢さんは犯人から外れますね。事件が起きたのは今から過去であり、登場人物はゼミ生――つまり、大学生か短期大学生である可能性が高い。唯一、学生ではないのは寝坊教授さんだけですが、再現映像から考えても、そして常識から考えても、事件当時に彼女が大学教授であった可能性はゼロです」
分かり切っていることなのであるが、あえて様々な可能性を考慮してみる小野寺。いまだにテレビではクイズ番組の番宣が続いている。明らかにCMというには長すぎる。
「まぁ、そうだろうなぁ。というか、現時点でゼミ生になり得る人物なんていないんじゃないか? 解答者の中に学生なんていなかったはずだぞ」
出雲の言葉はもっともなのであるが、それはあくまでも現在を基準とした物言いにすぎない。
「そうとは限らないですよ。クイズになっている事件そのものが、一体いつ起きたものなのか明らかにされていません。つい最近なのかもしれないし、十数年前なのかもしれない。この中では年配となる数藤学が学生時代だった頃の事件だって可能性もある。今現在学生じゃないからといって、安易に容疑者から外すのはリスクが高いですよ」
少なくとも事件は現在より過去に起きている。よって、今はそうでなくとも、過去に学生だった人間は容疑者としてカウントされるであろう。年齢的に考えても、現在より過去の段階で、大学生の年齢には絶対に達しない現役女子高生である眠夢以外は、全員が容疑者ということになる。
新番組――と青の画面に白地のテロップ。何が始まるかと思ったら、セルフCMのようだった。誰もいないスタジオの中で、解答席をバックに藤木がマイクを手に取ると「新番組、誰がやったのでSHOW!」と始める。その構成はCMそのものであるが、間違ってもスポンサーがいるとは思えない。自分で勝手にやっている感が半端なかった。
「小野寺、この時点でまた犯人から外れるやつが出てくるんじゃないか?」
CMに入ったのを見計らってか、出雲が口を開いた。テレビの画面の中では、藤木が熱く、そして早口で番組のことを語っている。それを尻目に小野寺は小さく頷いた。
「おそらくですが、現時点で女子高生である西潟眠夢さんは犯人から外れますね。事件が起きたのは今から過去であり、登場人物はゼミ生――つまり、大学生か短期大学生である可能性が高い。唯一、学生ではないのは寝坊教授さんだけですが、再現映像から考えても、そして常識から考えても、事件当時に彼女が大学教授であった可能性はゼロです」
分かり切っていることなのであるが、あえて様々な可能性を考慮してみる小野寺。いまだにテレビではクイズ番組の番宣が続いている。明らかにCMというには長すぎる。
「まぁ、そうだろうなぁ。というか、現時点でゼミ生になり得る人物なんていないんじゃないか? 解答者の中に学生なんていなかったはずだぞ」
出雲の言葉はもっともなのであるが、それはあくまでも現在を基準とした物言いにすぎない。
「そうとは限らないですよ。クイズになっている事件そのものが、一体いつ起きたものなのか明らかにされていません。つい最近なのかもしれないし、十数年前なのかもしれない。この中では年配となる数藤学が学生時代だった頃の事件だって可能性もある。今現在学生じゃないからといって、安易に容疑者から外すのはリスクが高いですよ」
少なくとも事件は現在より過去に起きている。よって、今はそうでなくとも、過去に学生だった人間は容疑者としてカウントされるであろう。年齢的に考えても、現在より過去の段階で、大学生の年齢には絶対に達しない現役女子高生である眠夢以外は、全員が容疑者ということになる。
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