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第2問 虚無の石櫃【出題編】
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ごくごく当たり前のように第1問が終了し、それが決まりだと言わんばかりに、司馬が降板――もとい、殺害された。そして、また当たり前のごとく第2問目が始まろうとしている。このクイズ番組の何が気に入らないかといえば、必ず問題が終わるごとに誰かが降板する仕様になっているところだ。
正解者が過半数以上いた場合、問題の元となった事件の犯人が降板となる。正解者が過半数に満たなかった場合は、解答者からランダムで1人が降板となり、犯人は卒業となる。どう転んでも、徐々に人が減っていく。その分、犯人が絞りやすくなるだろうが、比例して疑心暗鬼も強まっていくことだろう。
小野寺は当事者ではなく、あくまでも傍観者という立場になってしまうが、早めに対策を立てないと、必ずみんなバラバラになってしまうと考えていた。アンバランスではありながら、九十九という解答者を中心として、ある程度の協調ができている今だからこそ、何かしらの手を打っておく必要があると思うのだが――しかし、小野寺は傍観者であるがゆえに、余計な口出しはできないし、仮に口出しできたとしても、きっと小野寺の声は彼らには届かない。
そこまで考えて、首を大きく横に振る小野寺。今は余計なことは考えずに、再現映像を注視するべき。むろん、当事者ではない小野寺は、クイズに正解しようとも、不正解であっても影響はない。それでも、問題に向き合おうとするのは、純粋たる刑事としての性分なのかもしれない。
『事件は町に点在する芸術作品の付近にて発生しました。かつてはスキー場として多くの観光客が訪れていたAリゾート高原。数年に渡る雪不足などの影響で廃業しました。それからしばらくして、とある芸術家が芸術作品を高原に作成し、再び観光地としての活気を取り戻します』
ドローンの映像が緑一色になり、山道をしばらく追いかけたと思ったら、急にひらけた高原を映し出した。その高原のど真ん中に奇妙なものがぽつんと建っている。ぱっと見た感じ、煙突のように見えるのだが、しかし高原のど真ん中に煙突というのは明らかに似合わない。それに、どうやら円形ではなく、正方形のようだ。真四角の煙突――というのが、素直な感想だった。
『こちらは【虚無の石櫃】と呼ばれる作品になります。コンクリートの土台の上に、これまたコンクリートで作成した正方形の四角柱が乗せられています。四角柱の高さはおおよそ20メートル。ご覧の通り、中は空洞になっております』
正解者が過半数以上いた場合、問題の元となった事件の犯人が降板となる。正解者が過半数に満たなかった場合は、解答者からランダムで1人が降板となり、犯人は卒業となる。どう転んでも、徐々に人が減っていく。その分、犯人が絞りやすくなるだろうが、比例して疑心暗鬼も強まっていくことだろう。
小野寺は当事者ではなく、あくまでも傍観者という立場になってしまうが、早めに対策を立てないと、必ずみんなバラバラになってしまうと考えていた。アンバランスではありながら、九十九という解答者を中心として、ある程度の協調ができている今だからこそ、何かしらの手を打っておく必要があると思うのだが――しかし、小野寺は傍観者であるがゆえに、余計な口出しはできないし、仮に口出しできたとしても、きっと小野寺の声は彼らには届かない。
そこまで考えて、首を大きく横に振る小野寺。今は余計なことは考えずに、再現映像を注視するべき。むろん、当事者ではない小野寺は、クイズに正解しようとも、不正解であっても影響はない。それでも、問題に向き合おうとするのは、純粋たる刑事としての性分なのかもしれない。
『事件は町に点在する芸術作品の付近にて発生しました。かつてはスキー場として多くの観光客が訪れていたAリゾート高原。数年に渡る雪不足などの影響で廃業しました。それからしばらくして、とある芸術家が芸術作品を高原に作成し、再び観光地としての活気を取り戻します』
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『こちらは【虚無の石櫃】と呼ばれる作品になります。コンクリートの土台の上に、これまたコンクリートで作成した正方形の四角柱が乗せられています。四角柱の高さはおおよそ20メートル。ご覧の通り、中は空洞になっております』
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