クイズ 誰がやったのでSHOW

鬼霧宗作

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第2問 虚無の石櫃【出題編】

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「はい、ペナルティーが生じるのは木戸アカリさんのみです。それとも、あれですか? お望みであれば、もう少しペナルティーの仕様を厳しくしても構わないのですが」

 ペナルティーが生じるのはアカリのみ。だとすれば、廊下で聞こえた足音はなんだったのだろうか。誰が司馬の部屋へと向かい、誰が司馬を殺害し、そしてどこに立ち去ったのか。藤木は司馬の殺害に関して関与を否定しているが、それが本当だとは限らないのかもしれない。藤木を信用するのは危険だ。

「いや、今のままでいい。じゃあ、今回はこいつだけ解答権を得られないまま、クイズに挑むことになるんだな?」

 こいつ扱いされたのもまた、決して面白くはなかったのであろう。アカリがなにかを言いたげにしていたが、しかしそれではキリがないと考えたのであろう。自ら喉まで出かかった言葉を飲み込んだように見えた。

「その通りです。ただ、解答権がないだけであって、それ以外はこれまで通りで構いませんので、悪しからず」

 とどのつまり、解答する権利はなくなったものの、議論の場には参加することができるし、自分の意見を言うことも許されているのであろう。なんにせよ、アカリが解答権を失ってしまったということは、解答できるのはアカリを除く6人ということになる。過半数を獲得するには3人以上が正解しなければならないわけだが――こうも人数が少ないと心配な面も出てくる。

 司馬はこちらが圧倒したおかげで、自ら罪を認めるような態度まで見せた。しかしながら、この中に含まれている誰もが、司馬のような露骨な反応を見せるとは限らない。むしろ、自分が卒業したいがゆえに、間違った方向へと答えを導こうとする輩が出てくるかもしれない。

 ――これはクイズ番組という名のプレゼンだ。解答者と犯人のプレゼン合戦。いかに自分の意見が正しいのかを主張できたほうの勝ち。司馬はこの主張がほとんどできず、ただ否定することでごまかそうとしたからこそ、うまく丸め込むことができた。しかし今回の犯人も同じタイプとは限らない。解答者を誤答へと導くことは、犯人にとってかなりのメリットがある。ゆえに気を抜くわけにはいかないだろう。

「それでは、改めて第2問と参りましょう! 前回は犯人自身以外は満場一致という優秀な成績を残された皆さん。しかしながら、第2問もまた一筋縄ではいきません。果たして、今回も無事に犯人を特定することができるのでしょうか?」
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