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第2問 虚無の石櫃【出題編】
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「そ、その……昨日、司馬さんに対して九十九さんがとった態度があんまりにも酷かったんで、文句を言いに楽屋に行ったんです。そうしたら、楽屋から出られなくなってしまって」
一同からの視線を受け、弁明するかのごとく口を開くアカリ。しかし、それを聞いた凛からは「ヘー、こんな状況なのによくやるねぇ。意外とだいたぁーん」と冷ややかな視線を向けられてしまう。特別何かがあったわけではないのだが、そう思われて釈明は難しい。
「理由はどうであれ、残念ながら木戸さんはペナルティーの対象となります。よって、この第2問に関しては解答権を失うこととします。第1問の時のように、話し合いの場に参加することは自由としますが、木戸さんの解答はいかなる場合でも無効とさせていただきますので」
はっきりと言い切った藤木に対して、ずっと黙っていた九十九は、少しばかりカマをかけてみることにした。
「おい、まだペナルティーになるべき人間がいるんじゃねぇのか?」
声を上げると、首をやや傾げて「はい?」と、すっとぼける藤木。その様子を見てさらに突っ込んでやる。
「昨日、司馬が殺害される直前、誰かが司馬の楽屋に向かい、そしてどこかへと走り去る足音を聞いてるんだよ。それこそ、藤木――お前が特別に楽屋の外に出ることを許可する前にな。だとすれば、この女の他にペナルティーを受けるべき人間がいてもおかしくはない」
九十九が引っかかりを覚えたのは、足音の行方である。司馬を殺害したと思われる何者かは、果たしてどこへ向かい、どこへ消えたのだろうか。
「あのぉ、それってぇ、まるで私達の中にぃ、司馬さんを殺した人がいるって言ってるようなものじゃないですかぁ。そういうの、良くないとぉ、思うんですけどぉ」
相も変わらず眠たげながら、しかし核心はしっかりとついてくる眠夢。九十九としてはカマをかけただけなのであるが、なかばそのように解釈されてしまうのは仕方がないだろう。事実、その可能性も考慮してあるわけであるし。
「――私達の中に、その司馬さんを殺した人が混じっていると言いたいわけじゃないですけど、ちょっとおかしいなって思うところはあります。少なくとも、番組側の人間は……藤木さんだけじゃないと思うんです」
やや話が脱線しつつあるものの、柚木が声を上げる。九十九の言葉が皮切りとなったのか、藤木のことをさておいて議論が始まっている。しかも、これから行われる第2問についての議論ではなく、降板という名の下に殺害された司馬についての議論だ。
一同からの視線を受け、弁明するかのごとく口を開くアカリ。しかし、それを聞いた凛からは「ヘー、こんな状況なのによくやるねぇ。意外とだいたぁーん」と冷ややかな視線を向けられてしまう。特別何かがあったわけではないのだが、そう思われて釈明は難しい。
「理由はどうであれ、残念ながら木戸さんはペナルティーの対象となります。よって、この第2問に関しては解答権を失うこととします。第1問の時のように、話し合いの場に参加することは自由としますが、木戸さんの解答はいかなる場合でも無効とさせていただきますので」
はっきりと言い切った藤木に対して、ずっと黙っていた九十九は、少しばかりカマをかけてみることにした。
「おい、まだペナルティーになるべき人間がいるんじゃねぇのか?」
声を上げると、首をやや傾げて「はい?」と、すっとぼける藤木。その様子を見てさらに突っ込んでやる。
「昨日、司馬が殺害される直前、誰かが司馬の楽屋に向かい、そしてどこかへと走り去る足音を聞いてるんだよ。それこそ、藤木――お前が特別に楽屋の外に出ることを許可する前にな。だとすれば、この女の他にペナルティーを受けるべき人間がいてもおかしくはない」
九十九が引っかかりを覚えたのは、足音の行方である。司馬を殺害したと思われる何者かは、果たしてどこへ向かい、どこへ消えたのだろうか。
「あのぉ、それってぇ、まるで私達の中にぃ、司馬さんを殺した人がいるって言ってるようなものじゃないですかぁ。そういうの、良くないとぉ、思うんですけどぉ」
相も変わらず眠たげながら、しかし核心はしっかりとついてくる眠夢。九十九としてはカマをかけただけなのであるが、なかばそのように解釈されてしまうのは仕方がないだろう。事実、その可能性も考慮してあるわけであるし。
「――私達の中に、その司馬さんを殺した人が混じっていると言いたいわけじゃないですけど、ちょっとおかしいなって思うところはあります。少なくとも、番組側の人間は……藤木さんだけじゃないと思うんです」
やや話が脱線しつつあるものの、柚木が声を上げる。九十九の言葉が皮切りとなったのか、藤木のことをさておいて議論が始まっている。しかも、これから行われる第2問についての議論ではなく、降板という名の下に殺害された司馬についての議論だ。
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