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第2問 虚無の石櫃【プロローグ】
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【2】
しばらく沈黙を守っていたテレビは、とうとう出雲がウイスキーの蓋を開けると同時に点いた。あまりにもタイミングが良かったため、まるでウイスキーの蓋がスイッチになっているように思えて、多少なりとも酒の回っていた小野寺は小さく吹き出した。
窓の外はまだ明るいが、太陽の高さが少しずつだが低くなっている。もうしばらくもすれば、ゆっくりと日が暮れ始めるのであろう。
クイズ番組そのものが長かったせいもあり、時間の感覚がどうにもおかしい。ただ、外の景色が確認できるため、朝か夜かの区別がつくだけマシなのかもしれない。
「おい、小野寺ぁ。またなんか始まったぞぉ」
番組が終わってから延々と酒を飲み続け上機嫌な出雲。このまま飲めるところまで飲むつもりなのであろうが、当然ながら介抱するつもりはさらさらない。飲むだけ飲んでぶっ倒れるなんて無責任にもほどがある。何度も酒量はそこそこに控えろと忠告したにもかかわらず、飲み続けたほうが悪い。互いに何度かトイレに立ったものの、今にいたるまで、とりあえず飲みっぱなしだった。もちろん、小野寺はしっかりと飲む量をセーブしているわけだが。
『いかがお過ごしでしょうか? ここで緊急特番でございます』
画面には男の顔が映り込む。その背景は――テレビ局の廊下であろうか。それにしては、かなり殺風景のように見える。ただ、テレビの左上のほうに【スタジオ前廊下】と書かれているから、まずそう考えて間違いはないだろう。何よりも、画面に映った男は、例のクイズ番組で司会者をしていた男だったから、それ関連と思って問題はないだろう。なぜか声を潜めているものだから、よく昔テレビでやっていた、寝起きドッキリを連想してしまう。
『つい先ほどになりますが、司馬龍平さんが降板なされました。その最期の姿を、特別にこれをご覧の皆さまにお届けいたします』
廊下はしんと静まり返っている。いくつもの扉が画面には映っているが、司会者の藤木の姿以外は確認できない。察するに、それぞれが個室になっていて、解答者に割り当てられているのだろう。
――寝ているのだろうか。あまりにも静かだから、そんなことを疑ってしまった。しかしながら、まだ日も落ちていないような時間だ。今度は右上に表示されるようになった時計は、午後4時を少し回ったことを告げていた。
しばらく沈黙を守っていたテレビは、とうとう出雲がウイスキーの蓋を開けると同時に点いた。あまりにもタイミングが良かったため、まるでウイスキーの蓋がスイッチになっているように思えて、多少なりとも酒の回っていた小野寺は小さく吹き出した。
窓の外はまだ明るいが、太陽の高さが少しずつだが低くなっている。もうしばらくもすれば、ゆっくりと日が暮れ始めるのであろう。
クイズ番組そのものが長かったせいもあり、時間の感覚がどうにもおかしい。ただ、外の景色が確認できるため、朝か夜かの区別がつくだけマシなのかもしれない。
「おい、小野寺ぁ。またなんか始まったぞぉ」
番組が終わってから延々と酒を飲み続け上機嫌な出雲。このまま飲めるところまで飲むつもりなのであろうが、当然ながら介抱するつもりはさらさらない。飲むだけ飲んでぶっ倒れるなんて無責任にもほどがある。何度も酒量はそこそこに控えろと忠告したにもかかわらず、飲み続けたほうが悪い。互いに何度かトイレに立ったものの、今にいたるまで、とりあえず飲みっぱなしだった。もちろん、小野寺はしっかりと飲む量をセーブしているわけだが。
『いかがお過ごしでしょうか? ここで緊急特番でございます』
画面には男の顔が映り込む。その背景は――テレビ局の廊下であろうか。それにしては、かなり殺風景のように見える。ただ、テレビの左上のほうに【スタジオ前廊下】と書かれているから、まずそう考えて間違いはないだろう。何よりも、画面に映った男は、例のクイズ番組で司会者をしていた男だったから、それ関連と思って問題はないだろう。なぜか声を潜めているものだから、よく昔テレビでやっていた、寝起きドッキリを連想してしまう。
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廊下はしんと静まり返っている。いくつもの扉が画面には映っているが、司会者の藤木の姿以外は確認できない。察するに、それぞれが個室になっていて、解答者に割り当てられているのだろう。
――寝ているのだろうか。あまりにも静かだから、そんなことを疑ってしまった。しかしながら、まだ日も落ちていないような時間だ。今度は右上に表示されるようになった時計は、午後4時を少し回ったことを告げていた。
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