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第1問 理不尽な目覚め【エピローグ】
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「いたって大丈夫だ。大体、頭のネジがぶっ飛んでたら、お前達を正解まで導けなかったわけだし。ってか、感謝されるんなら分かるけどよ、なんで喧嘩腰に喚かれなきゃいけねぇんだよ」
九十九はそう言いつつ、要望した品物の一部を手に取った。果たして、他の連中はどんなものを要望したのか。安直に煙草だとか酒だとか、嗜好品を頼んでいる馬鹿がいないことを願うばかり。カップラーメンの種類を物色すると立ち上がる。そう、九十九が藤木に要望したのは、当面の食糧だった。くわえて、保存ができるようにインスタントやレトルトで揃えてもらった。残念なことに楽屋に電子レンジのようなものは見当たらないが、しかしトイレ風呂付きという条件であるがゆえにお湯は手に入る。カップラーメンなんて、この場を乗り切るためには絶好の保存食ではないだろうか。
「私が怒っている理由は2つあります。まず1つ目は――なんなんですか司馬さんに対する態度。彼が例え犯人だったとしても、あそこまで寄ってたかって追い詰める必要ありました?」
どうやら、アカリは番組中の九十九のやり方が面白くなかったらしい。おそらく彼女が不快に思っているであろう部分は、他の解答者を納得させるために必要だったことだ。また、司馬に開き直られても困るし、抑え込むという意味でも必要なことだった。言わば、九十九が自ら進んで絶対悪を引き受けたようなもの。
「妙に殺人犯の肩を持つんだな。あ、あれか――割とタイプの男だったとか?」
風呂場に向かい、シャワーから出るお湯をカップラーメンに注ぐという、人生初体験を済ませる。
「そ、そうじゃありません! あんなことをしなくても、司馬さんはもう後半で認めてたじゃないですか。それなのに、必要以上に追い込む必要があったのか――って言ってるんです」
風呂場の前までついてくるアカリは正直なところ鬱陶しい。九十九は彼女の存在をわざと無視するかのように脇をすり抜けると、テーブルの上にカップラーメンを置き、そしてソファーに座る。
「あそこまで追い詰めたからこそ、他の連中が安心して奴が犯人だと解答できた。俺はお前らに貢献したつもりなんだがなぁ……」
司馬を必要以上に追い詰めたのは、他の解答者の答えが揺らがないようにするため――というのは建前であり、本音を言ってしまうと、司馬を追い詰めることを楽しんでいた自分もいた。それが一般的な感覚からズレている自覚くらいあるから、あえて口にはしないが。
九十九はそう言いつつ、要望した品物の一部を手に取った。果たして、他の連中はどんなものを要望したのか。安直に煙草だとか酒だとか、嗜好品を頼んでいる馬鹿がいないことを願うばかり。カップラーメンの種類を物色すると立ち上がる。そう、九十九が藤木に要望したのは、当面の食糧だった。くわえて、保存ができるようにインスタントやレトルトで揃えてもらった。残念なことに楽屋に電子レンジのようなものは見当たらないが、しかしトイレ風呂付きという条件であるがゆえにお湯は手に入る。カップラーメンなんて、この場を乗り切るためには絶好の保存食ではないだろうか。
「私が怒っている理由は2つあります。まず1つ目は――なんなんですか司馬さんに対する態度。彼が例え犯人だったとしても、あそこまで寄ってたかって追い詰める必要ありました?」
どうやら、アカリは番組中の九十九のやり方が面白くなかったらしい。おそらく彼女が不快に思っているであろう部分は、他の解答者を納得させるために必要だったことだ。また、司馬に開き直られても困るし、抑え込むという意味でも必要なことだった。言わば、九十九が自ら進んで絶対悪を引き受けたようなもの。
「妙に殺人犯の肩を持つんだな。あ、あれか――割とタイプの男だったとか?」
風呂場に向かい、シャワーから出るお湯をカップラーメンに注ぐという、人生初体験を済ませる。
「そ、そうじゃありません! あんなことをしなくても、司馬さんはもう後半で認めてたじゃないですか。それなのに、必要以上に追い込む必要があったのか――って言ってるんです」
風呂場の前までついてくるアカリは正直なところ鬱陶しい。九十九は彼女の存在をわざと無視するかのように脇をすり抜けると、テーブルの上にカップラーメンを置き、そしてソファーに座る。
「あそこまで追い詰めたからこそ、他の連中が安心して奴が犯人だと解答できた。俺はお前らに貢献したつもりなんだがなぁ……」
司馬を必要以上に追い詰めたのは、他の解答者の答えが揺らがないようにするため――というのは建前であり、本音を言ってしまうと、司馬を追い詰めることを楽しんでいた自分もいた。それが一般的な感覚からズレている自覚くらいあるから、あえて口にはしないが。
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