ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―

鬼霧宗作

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第二話 Q&A【解決編】

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「坂田、一応俺が前に出る。あっちがどんな対応をしてくるか分からないからな。ただでさえ、あんまり良い印象は抱いてもらえていないだろうから」

 巌鉄はそう言って前に出るが、しかし坂田からすれば条件はほとんど同じだ。

「ろくに拳銃のひとつも持ってないんだから無理すんなよ。それに、いくら相手が人を殺ってるとはいえ、おそらく自主的に殺したわけじゃねぇ。簡単に組み伏せることができるだろうよ」

 そんな会話を交わしている間に、とうとう玄関口へと到着。巌鉄が坂田とアイコンタクトを交わしてきて、そしてインターフォンを鳴らす。

「はい……」

 しばらくすると相手がインターフォンに出る。

「警察の者です」

 巌鉄が言うと「お帰りください」と冷たく返された。そこに間髪入れずに坂田が口を挟む。

「死んだ娘に人殺しの汚名を着せたくないなら出てこいよ。お前の対応によっては、娘は綺麗なままでいさせてやるから」

 あえて挑発的な文言を使ったのは、相手の神経を逆撫でして、判断力を失わせるため。ここでうまい具合に逃げられるわけにはいかない。こちらは逮捕状もなければ、正式な捜査令状もない。完全に空手のはったりだけで、ここまでやって来ているのだから。

 しばらく待っていると、鍵を開ける音が聞こえ、玄関が開いた。そこに姿を現したのは、加藤千秋の父親だった。

「こうして会うのは初めてだな。なるほど、なんかついてなさそうな顔してるわ」

 坂田の言葉に、怪訝そうな表情を見せた父親。そこにすかさず坂田は切り込んだ。

「あんた、娘を殺しただろ? 娘に頼まれて――いや、命令されてよ」

 ぴくりと父親の眉間が動いた。坂田の言葉が効いたようで、小さく溜め息を落とす。

「いきなりなんなんですか? 私が娘を殺した? あなた達頭大丈夫ですかね。良く、娘を失った親にそんなことを……」

「本当はほっとしてるんじゃねぇの? 明らかに異常的な思考を持つ娘から開放されてよ。いや、親ってマジで大変だよな。自分の子が多少イカれてても、その責任は背負わなきゃいけないわけだし」

 父親の言葉を遮って言い放ってやると、明らかに父親の様子が変わった。スイッチが切り替わるというか、急になにかが一変したかのごとく、様子がおかしくなった。

「お前に何がわかる? 娘は……千秋はな、パパが大好きな、可愛い娘なんだよ!」

 その言葉と同時に、坂田に向かってタックルしてくる父親。それをさらりとかわすと、ガラ空きになった背中を蹴り飛ばす。
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