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第二話 Q&A【事件編】
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最初の事件では、被害者が拘束された形跡はなかった。しかし、今回に関しては、巌鉄自身が拘束された舞香の姿を確認している。最初の事件で被害者に抵抗されたから、その反省を踏まえて今回では拘束した――とも考えられるが、最初の事件において被害者が抵抗したような痕跡は残っていない。
「それに、最初の事件の資料を読み込んでいて思ったことなんですが……。おそらく、犯人と被害者の間には、一定の信頼関係があったように思えるんです。少なくとも、事件が起きた日が初対面ではないと思います」
それはそうだ。なぜなら、最初の被害者に対して【アキト】は付きまといをしていたのだから。少なくとも面識はあったはずだ。そう言おうとして、巌鉄は気づいてしまった。おかしい。やはり、今回の事件については、なにかがおかしい。
「被害者と犯人が顔見知りだったってことは分かってるんだ。資料には載ってなかったかもしれないがな、どうやら被害者は犯人から付きまといをされていたみたいなんだよ」
被害者が【アキト】から付きまとわれていたという情報は、おそらく警察には入っていない情報だと思われる。まだ【アキト】が犯人だと決まったわけではないし、また匿名掲示板で使われている名前であるため、巌鉄も報告をあげていなかった。
「そうだったんですか――。でも、付きまとわれていたとしたら、どうして被害者はそんな人物とホテルに?」
付きまといをしている人物については、倉科の情報の中には入っていなかったのであろう。それがインプットされたがゆえの疑問が出てきたようだった。
「――確かに、どうしてなんだろうな」
倉科に言われて、返答に困ってしまう巌鉄。これまでの情報が正しければ、犯人は被害者にとって、ウリをやる相手だった。だからこそ、付きまといをされている相手に対しても、客として接した。そうだとばかり考えていたのだが、そもそも被害者はビジネス的にウリをやっていたわけではない。すなわち、間違いなく【アキト】は客だったのだろうが、客として拒絶もできたはずだ。被害者は風俗店に所属していたわけではないし、個人の判断で【アキト】を拒否しても問題ないはず。それなのに、被害者は【アキト】と一緒にホテルに行き、そして殺害されたというのか。
「そもそもなんですが。本当にいたのでしょうか? 被害者に付きまとっていたという人物が」
ぽつりと倉科が漏らした一言に、巌鉄は思わず大きなため息を漏らしたのであった。
「それに、最初の事件の資料を読み込んでいて思ったことなんですが……。おそらく、犯人と被害者の間には、一定の信頼関係があったように思えるんです。少なくとも、事件が起きた日が初対面ではないと思います」
それはそうだ。なぜなら、最初の被害者に対して【アキト】は付きまといをしていたのだから。少なくとも面識はあったはずだ。そう言おうとして、巌鉄は気づいてしまった。おかしい。やはり、今回の事件については、なにかがおかしい。
「被害者と犯人が顔見知りだったってことは分かってるんだ。資料には載ってなかったかもしれないがな、どうやら被害者は犯人から付きまといをされていたみたいなんだよ」
被害者が【アキト】から付きまとわれていたという情報は、おそらく警察には入っていない情報だと思われる。まだ【アキト】が犯人だと決まったわけではないし、また匿名掲示板で使われている名前であるため、巌鉄も報告をあげていなかった。
「そうだったんですか――。でも、付きまとわれていたとしたら、どうして被害者はそんな人物とホテルに?」
付きまといをしている人物については、倉科の情報の中には入っていなかったのであろう。それがインプットされたがゆえの疑問が出てきたようだった。
「――確かに、どうしてなんだろうな」
倉科に言われて、返答に困ってしまう巌鉄。これまでの情報が正しければ、犯人は被害者にとって、ウリをやる相手だった。だからこそ、付きまといをされている相手に対しても、客として接した。そうだとばかり考えていたのだが、そもそも被害者はビジネス的にウリをやっていたわけではない。すなわち、間違いなく【アキト】は客だったのだろうが、客として拒絶もできたはずだ。被害者は風俗店に所属していたわけではないし、個人の判断で【アキト】を拒否しても問題ないはず。それなのに、被害者は【アキト】と一緒にホテルに行き、そして殺害されたというのか。
「そもそもなんですが。本当にいたのでしょうか? 被害者に付きまとっていたという人物が」
ぽつりと倉科が漏らした一言に、巌鉄は思わず大きなため息を漏らしたのであった。
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