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第二話 Q&A【事件編】
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どちらのほうが、倉科のキャリアに傷をつけないか。誰が見ても明白だった。囮捜査の件は巌鉄が責任を負うとして、倉科に単独捜査を願ったほうが、いざこじれた時も倉科のキャリアを傷つけない。少なくとも現場を任せておきながら時間稼ぎをさせるよりはいいだろう。
「いや、それは単独で事件の捜査をしろということですよね?」
しつこいかもしれないが、警察というのは組織立って動くものであり、何よりもそれを重視し、警察学校などでも徹底的に叩き込まれる。これは警察だけではなく、消防などでもそうだ。チームプレイを良しとし、スタンドプレイが許されない職種ほど、集団行動と規律が必要とされる。倉科としては、そこが踏み出せないのであろう。それでいいと巌鉄は思う。変に巌鉄自身に憧れなど持たず、スタンドプレイには臆病なくらいが、刑事としては出世できる。
「あぁ、そういうことになるが、俺の指示のもとでってことにすればいい。もし、お前さんが単独行動をしていることに勘づかれたら俺のせいにすればいい」
倉科に力は貸してもらうが、しかしリスクは最大限にこちらが引き取る。全てがお上にばれた時は、下手すれば懲戒解雇では済まないかもしれない。しかしながら、もう後には引けないのだ。それに、事件の真相を追い求めた結果の懲戒解雇ならば、むしろ刑事としては華々しい最後になるのではないか。
「分かりました。それで構わないのであれば、お手伝いさせてもらいます」
最初の提案がハードルの高いものだったから、着地点のハードルが低いように思えてしまうのだろう。承諾した倉科の口調は、やや不満そうなものだった。
「済まんな。こんなことを頼めるのは、お前さんくらいしかいないんだ。捜査を手伝ってくれたやつ――坂田っていう悪ガキなんだが、そいつから連絡を入れさせるようにする。お前さん、ポケベルの番号は?」
「あ、携帯電話を持ってます。こっちに電話をくれれば」
連絡先としてポケベルの番号を聞こうとすると、携帯電話を懐から取り出す倉科。
「そうか。それ、そんなに流行ってんのか?」
「流行っているというか、まぁ実際に便利ですから」
なんて会話を交わしつつも、倉科の携帯番号を教えてもらう。そして、一緒に現場を見てもらうことにした。捜査を引き継ぐにしても、口頭だけではうまくいかないことが多いから。
現場は巌鉄が離れた時のままだった。良くも悪くも、まだ誰にも見つかっていないようだし、騒ぎにもなっていないらしい。ひっそりと廊下は静まり返っていた。
「いや、それは単独で事件の捜査をしろということですよね?」
しつこいかもしれないが、警察というのは組織立って動くものであり、何よりもそれを重視し、警察学校などでも徹底的に叩き込まれる。これは警察だけではなく、消防などでもそうだ。チームプレイを良しとし、スタンドプレイが許されない職種ほど、集団行動と規律が必要とされる。倉科としては、そこが踏み出せないのであろう。それでいいと巌鉄は思う。変に巌鉄自身に憧れなど持たず、スタンドプレイには臆病なくらいが、刑事としては出世できる。
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倉科に力は貸してもらうが、しかしリスクは最大限にこちらが引き取る。全てがお上にばれた時は、下手すれば懲戒解雇では済まないかもしれない。しかしながら、もう後には引けないのだ。それに、事件の真相を追い求めた結果の懲戒解雇ならば、むしろ刑事としては華々しい最後になるのではないか。
「分かりました。それで構わないのであれば、お手伝いさせてもらいます」
最初の提案がハードルの高いものだったから、着地点のハードルが低いように思えてしまうのだろう。承諾した倉科の口調は、やや不満そうなものだった。
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「そうか。それ、そんなに流行ってんのか?」
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なんて会話を交わしつつも、倉科の携帯番号を教えてもらう。そして、一緒に現場を見てもらうことにした。捜査を引き継ぐにしても、口頭だけではうまくいかないことが多いから。
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