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第一話 コレクター【解決編】

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 最初の女は、いわゆるイキリ女というやつだった。自分に対して価値があるわけでもないのに、悪ぶって自分を大きく見せたがる。そのための伝手を探しに、この街にやって来たようだった。長いこと雨立街にいると、見知った顔か否かはすぐに判断することができる。しかも、着飾るかのごとく擦れているのが多く、実に見分けやすかった。

 この町で有名なチームのメンバーであることを明かすと、目を輝かせてついて来た。男に取り入り、後ろ盾を作って生きて来た女なのだろう。すぐさま、あちらのほうから誘ってきた。街にホテルがないこともないが、しかし黴臭い部屋を取り揃えた、良い意味で老舗のホテルしかない。しかも、ホテルはさすがに足がついてしまう。そう考えた楠野は、もう我慢ができずに、その場で目玉を手に入れることにした。

 すっかり油断しきっていた女の腹に、いきなりナイフを突き立ててやる感覚は悪くなかった。驚き、見開かれた瞳。やや潤み、楠野に助けを求めるかの目。女を刺した感覚よりも、そのような目で見られることに興奮を覚えた。やっぱり、思っていた以上にいい。手を出してはいけないものに手を出してしまった瞬間だった。

 女が絶命すると、路地の裏に引き込んで目玉をえぐることにした。しかしながら、どうやったら目玉を取り出せるか分からない。ナイフでやろうとしたが、しかし思っていた以上に目玉が傷ついてしまう。そこで楠野がたどり着いた答えは――スプーンだった。たまたま落ちていたコンビニのスプーンを使ってみた。すると、時間はかかったものの、思っていたよりも綺麗に目玉をくり抜くことができた。まだ片方の目玉が残ってはいたが、我慢できなくなった楠野は、目玉を頬張った。

 ぐちゃりとした生臭さが口の中に広がり、目玉のほうに残っていた視神経などが、絶妙な歯触りを奏でる。何よりも、興奮した。噛む度に喘ぎ、とうとう鼻血まで出た。それでも、楠野は大切に目玉を咀嚼し、それを飲み込んだ。

 一度やってしまえば、二度目は簡単だった。ただ、プラスチックのスプーンだと、いささが時間がかかってしまう。今度はちゃんとしたスプーンを用意せねば。そんなことを考えつつ、はやる気持ちを抑えながら目玉を取り出すと、残りのひとつを大切にいただいた。さらなる快楽に支配された楠野は、恥ずかしいことにふたつめの目玉を食い終えると同時に射精していた。
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