【超絶】美少女魔法剣士は、今日も不幸と戦います！！

敏捷性ＭＡＸ？

　野菜泥棒を捕まえようと奮闘している【超絶】美少女魔法剣士です。
　自分で美少女って言ってますね。でも、美少女だから仕方がありません。

　あのタヌキのような魔物はなんでしょう？　二本足で立っています。
　あたしみたいな美少女なら、あんな着ぐるみを着ても似合いますよね！

「あれはハクビ人という亜人だブー。言葉は分かるブー」

　なんと、野菜泥棒はハクビシン。じゃない、ハクビ人ですと？
　あたしは酒樽さかだる勇者に話させるため、その背中へ隠れて近づきました。


――――――チュウチュウ、ゴニョゴニョ、チュウチュウ、ゴニョゴニョ

「なんて言ってるのかしら？　通訳よ！　通訳をしなさいよ！」

――――――ゴニョゴニョ、チュー、チュチュ！　サッ！　ベチャベチャ！


　そうなんです。ハクビ人の玉ねぎ攻撃を酒樽さかだる勇者が避けたんです。
　あたしは、いきなり消えた肉壁に目が点です。その目へ玉ねぎがヒット！

「ひぃ！　目、目にしみるぅ！　あたしが後ろに居るのよ！　避けるな！」

　あたしの不幸は、これだけでは終わりませんでした。