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5等星・邪魔者とパーティー終了

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ゼウスがマイクの電源を入れると、周りの奴等は喋るのをやめて壇上に視線を向ける。

「おほん!皆の衆、パーティーを楽しんでおるか」

これから我の娘たちの話を~としようとしていた、おいおい、ここまで来てそんな話かよ。
そんなことを思っていると、ヘルメスに止められた。

「ゼウス様、本題にお入りください」

「えぇっ、ヘルメス厳しい」

また今度話そうと言って、再び咳払いをした後に話し始めた。

「今回は数年ぶりのオリンピアを開催する、それに関しての説明は聞いておるであろう」

優勝者の願いを1つ叶えようと言うゼウス。
今更だが、俺っちみたいなのは結構不利じゃねぇのか?と心の中でそう思った。

「まぁ、不利にならないように我が平等に何とかしよう」

「何をする気なんだ?」

それはオリンピアが始まってからのお楽しみと子供のように言うゼウス。
周りはその言葉にざわつく、俺っちがオリオンに聞こうと後ろを振り返るとデザートを食べていた。

「呑気か!」

「んっ、羽白も食べるか」

「お前...そんなんで大丈夫かよ」

「しばらくは食べれなくなるかもしれないからな」

彼奴のデザートが食べれなくなるのは残念だと言いながら口に運ぶオリオン。
なんかそう言われると、腹減ってきた...

「オリオン、それひと口くれ」

「ああ、いいぞ」

あーんみたいな状態になり、俺っちは口を開けて食べようとした時。
俺っちの口にはいかず、オリオンの手を掴みデザートを口に運んだ奴が横に立っていた。

「んっ、甘いな」

「河太郎」

「てめっ、何するんだよ」

ごめんよ、腹減っちまってと笑って言う河太郎。
こいつっ、絶対にわざとだろ!

「全く、2人の分を持ってくるからここで待ってろ」

「ありがと~」

オリオンは持っていた皿を近くのテーブルに置いて行ってしまった。
後ろで食べてる英理空と、この男の3人だけになった。
俺っちは食べれなかった口をジュースで潤そうとした時。

「残念だったな、オリオンとの間接キス」

「ぶっ、ごほっ」

突然の言葉にジュースを吹き出してしまう、むせながら河太郎を睨むと笑っていた。
英理空は大丈夫か?と心配してきてくれた。

「あははっ、初心だね烏くん」

「誰が初心だ!」

「最近の後輩は口が悪いな」

オイラ、これでも2年なんだけどと笑って言う河太郎。
1個上かよと驚くのも束の間、オリオンが戻って来た。

「持ってきたぞ、それと河太郎」

木綿が怖い顔をしてお前を捜していたぞと言うオリオン。
それを聞いてやべぇといい、デザートを受け取る河太郎。

「彼奴、最近怒ると怖いからな」

「また会えるだろ、早く行け」

「オリオン、むやみに人にあーんしたら駄目だぞ」

「?ああ、分かった」

それじゃあ、オイラもう行くわ、デザートありがとうと言って去った。
あのアホが先輩と分かったことと、邪魔してくることに腹が立つ!

「ぜってぇオリンピアで、彼奴をぎゃふんと言わせてやる」

「俺も頑張るぞ!」

「...」

オリオンはデザートを口に運ぶ。
英理空もがつがつと食べる、さっきからずっと思っていたが、俺っちこういうパーティー初めてだから慣れない。

「こういうのって貴族のイメージが大きいよな...俺っち場違いな感じ」

「そうだな、お前みたいな貧乏人が来る場所じゃねぇからな」

ドンッと背中を押されて倒れそうなり耐える、後ろを振り返ろうとした時に再び押されて床に倒れた。
ガシャンとオリオンから貰ったデザートを落としてしまった。

「いっつ、何しやがる!」

「はっ、鈍くさいやつだな」

それじゃあすぐに脱落するぞと笑って言う男、後ろには女が2人立っていた。
誰だこいつ、全く知らねぇと思っているとオリオンと英理空が駆け寄ってくれた。

「大丈夫か!」

「ああ、この野郎がわざとぶつかってきやがった」

「人聞きが悪いな、お前が突っ立ってるのが悪いだろ?」

これだから貧乏人は!と言う男。
俺っちは立ち上がり男に向かう、オリオンの制止を無視して殴ろうとした時、男の後ろにいた女に顔を殴られる。
英理空が俺っちを受け止めてくれ、なんとか倒れずに済んだ。

「いってぇ」

「なんだ?女に殴られて情けねぇ」

「とっとと引っ込んでろ、マヌケ野郎」

それに男は大笑いする、殴ってきた女も馬鹿にしてきやがった。
ふざけんな、お前は何もしてないだろ!と怒鳴って言えば英理空が俺っちを抑える。

「貧乏人はすぐにキレ...ごふっ!」

「なっ!」

男は殴られて体育館の壁にめり込んだ、その横で驚く女2人。
俺っちが驚いたのはそっちよりも殴った奴だ。

「オリ...オン」

「...女に殴られて情けない男だな」

「てめぇっ!何しやが...っっ!?」

さっき俺っちを殴った女の顔を殴る、そのまま女はその場で倒れた。
もう1人の女がそいつに駆け寄る。

「今すぐにここから去れ」

マヌケ共と言って睨みつける、その目は怒りに満ち溢れていた。
殴った女はざけんな!と言ってオリオンに殴りかかった、しかしそれを止めたのは...

「騒ぎを起こさないで下さい、他の神々に迷惑です」

「なっ!」

その女の手を掴み、オリオンを背にして守るヘルメス。
表情は変わらず笑顔だが、どこか怒っているように見えた。

「やめろヘルメス、これは私の問題だ」

「申し訳ございませんがお嬢様、これは貴女のお父様・・・から命じられました」

「!...」

これ以上はまずいですと言うヘルメスに、オリオンは拳を強く握り怒りを抑えていた。
女の手を離すと、舌打ちをしてその場を去る。

「別にあの男の為ではない、今問題を起こせばオリンピアに出れなくなると思ったからだ」

「分かっています」

オリオンは皆さん、ご迷惑をおかけしましたとドレスの端を持ってお辞儀し、そして俺っちに近付く。
元はと言えば俺っちが原因だから、謝らなければならない。

「オリオン、ごめ...」

「保健室に行くぞ」

英理空、悪いが羽白を抱えてくれと言ってわかった!と返事する。
軽々と俺っちを抱えて歩き出す、先に体育館を出てからオリオンが振り返り言った。

「パーティーの邪魔をしてすみません、ですが、もし私の友人を侮辱するのであれば...」

たとえあなた達でも私は許さないと言い、体育館を背にして歩き出す。
英理空はそのままオリオンの後ろについて歩いた。
俺っちの事なのに、迷惑かけちまったと胸の中に罪悪感が生まれた。
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