復讐のナイトメア〜伝承

ep16 鬼ごっこ対決①

「どうも、夢チューブのハルキマとナッツです。さぁ……イジメっ子の諸君、お仕置きの時間だよ！」 

普段とは違い人気ひとけを感じない校庭への真ん中に導かれたいじめっ子達。

曇天空に映し出された大きなスクリーンからマスカレードマスクを装着し、洒落た謳い文句を言い放ち登場した甲馬と夏娘。


『おい、なんか空に写ってるぞ』

『夢チューブってなんだ』

ざわめきながら空を見上げる、ふたりに招待されたいじめっ子達。


『おめでとうございます諸君らは厳選なる審査の上、特別にこのお仕置きタイムに招待されました』


「なに、お仕置き！？　クソッ俺様を誰だと思ってやがる」とあいも変わらず親の威を借りる熊虎。


「ねえ……熊虎、これは一体どういう事なの」と状況をはあく出来ず、深く考え込む日乃出美紅。


そう、夏娘の提案で、この夢はリアルな日常と思い込ませる為に、夢に導く最中に既に暗示をかけている。


『おい、どうなってるんだ！　きちんと説明しろ！』といじめっ子らは頭上のスクリーンに向って叫ぶ。


だがしかし『じゃあナッツお仕置の説明お願いします』といじめっ子らの質問を無視して進行をする甲馬。


『では説明します』と夏娘も淡々とお仕置きの説明に入る。


『紅白鬼ごっこ対決！』内容は至って単純、赤と白一〇対一〇に分かれ、校舎内で一時間鬼ごっこをします。そして最後に残った人数が多い方が勝ちというルール。


『なんだ……楽勝じゃねえ』張り詰めていた緊張感が漂っていた空気が一掃された。


熊虎は『俺と日乃出を絶対に捕まえるな』と皆に圧をかける。



場の空気が緩んできたのを待ってましたかのように夏娘は説明に補足する。



「因みに不正を無くす為に鬼はコチラで用意します。ではハルキマ鬼の紹介お願いします」


「はーい、では鬼の紹介致します。今回、鬼ごっこに参加してくれる鬼は……」

「お腹を空かしたゾンビ五〇体、因みに歩くの早い方。じゃあガンバッテ！」