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ep13 過去の記憶
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風間心療内科診療室。白のカーテン越しから茜色の陽を浴びながら甲馬は、この状況になるまでの経緯を風間夫妻に話すのだった。
「なるほどね……それは一大事だ。必ずまた何か仕掛けてくるかもな」一心は体を前のめりにしながら甲馬の話を聞く。
迫ってくる一心の顔……「あの、すみません顔が近すぎます」
「あっ、すまない。つい話を聞くのに夢中になってしまって」一心の心の中は久々に何か、ひと騒動がありそうだとワクワクしていた。
しかし……ワクワクする一心とは反面に甲馬の心中は複雑であった。それはナイトメアの事。
ナイトメアが相手の夢に介入し暗示をかけ人を殺めるそんなに恐ろしい霊だと知った甲馬は、その恐ろしい能力を持つナイトメアと一緒にいることに尻込みをする。
――どうしよう。やっぱりナイトメアは除霊した方がいいのかな
甲馬が大きく息を吸い、その息をゆっくりと少しづつ吐き出し、胸もとのポケットから御札を取出した。
その時だった。両腕を思い切り伸ばし『ああーよく寝た』と夏娘が目を覚ます。
「あれ、ここどこ? そうだウチ、拉致られたはずだけど……」
「やっと目が覚めたようだね夏娘」
「もしかして甲馬が助けてくれたのか……迷惑かけてすまない。でも彼女でもないのに呼び捨てにするな」
『あっははは、そうだよね』唖然とした甲馬は顔を引きつらせながら笑顔をつくる。
「でも助けてくれたから呼び捨て特別に許す。それより甲馬これからどうするの」夏娘もまた熊虎の嫌がらせがこれで済むとは思ってはいなかった。
「今考えていた所だよ。日乃出の信者数は、全世界で一〇万人程。この地域では一〇〇〇人、熊虎の手下が一〇〇人以上、そんな人数の相手を倒す術が思いつかない」
でも甲馬は思っている。ナイトメアなら、この窮地を切り抜けられるかも知れないと。
「まあ確かに今回の騒ぎの件もあるから、まずこのままじゃ済まないな」と一心は自分も仲間に入れて欲しいと言わんばかりに強引に会話へ入る。
「そのおじさん誰?」と夏娘が不審者を見るような目で一心を蔑む。
「この人は僕等をかくまってくれた恩人だよ」
「それと前から甲馬に聞こうと思っていたんだけど、たまに話しているその幽霊なに?」
『あっははは……見えてたんだ』甲馬は戸惑いながらもナイトメアの事を説明する。
「嘘でしょお風呂とか覗いたり……変な事しないでよね」
あゝナイトメアが頭を抱えもがき始める。
『どうしたんだナイトメア』と甲馬が心配した素振を見せる。
数十秒後ナイトメアは何事も無かったかのように立ち上がった。そう風間一心が真山の過去を語ったせいで記憶が戻ったのか、ナイトメアは当時の真山瞬を思わせる雰囲気を醸し出し、少しかすれた声で言放つ。
「権力を振りかざす奴が、一番気に食わねえ……俺がまとめて地獄へ送ってやる」
『かっ格好いい……』甲馬と夏娘がナイトメアに釘付けになる。
だがしかし……ナイトメアは、甲馬の霊力を吸収しているせいか少々間抜けであった。
『ナイトメアどっち向いているの……その人達は風間夫妻だよ』と囁やきながら甲馬は小さく手招きをするのだった。
「なるほどね……それは一大事だ。必ずまた何か仕掛けてくるかもな」一心は体を前のめりにしながら甲馬の話を聞く。
迫ってくる一心の顔……「あの、すみません顔が近すぎます」
「あっ、すまない。つい話を聞くのに夢中になってしまって」一心の心の中は久々に何か、ひと騒動がありそうだとワクワクしていた。
しかし……ワクワクする一心とは反面に甲馬の心中は複雑であった。それはナイトメアの事。
ナイトメアが相手の夢に介入し暗示をかけ人を殺めるそんなに恐ろしい霊だと知った甲馬は、その恐ろしい能力を持つナイトメアと一緒にいることに尻込みをする。
――どうしよう。やっぱりナイトメアは除霊した方がいいのかな
甲馬が大きく息を吸い、その息をゆっくりと少しづつ吐き出し、胸もとのポケットから御札を取出した。
その時だった。両腕を思い切り伸ばし『ああーよく寝た』と夏娘が目を覚ます。
「あれ、ここどこ? そうだウチ、拉致られたはずだけど……」
「やっと目が覚めたようだね夏娘」
「もしかして甲馬が助けてくれたのか……迷惑かけてすまない。でも彼女でもないのに呼び捨てにするな」
『あっははは、そうだよね』唖然とした甲馬は顔を引きつらせながら笑顔をつくる。
「でも助けてくれたから呼び捨て特別に許す。それより甲馬これからどうするの」夏娘もまた熊虎の嫌がらせがこれで済むとは思ってはいなかった。
「今考えていた所だよ。日乃出の信者数は、全世界で一〇万人程。この地域では一〇〇〇人、熊虎の手下が一〇〇人以上、そんな人数の相手を倒す術が思いつかない」
でも甲馬は思っている。ナイトメアなら、この窮地を切り抜けられるかも知れないと。
「まあ確かに今回の騒ぎの件もあるから、まずこのままじゃ済まないな」と一心は自分も仲間に入れて欲しいと言わんばかりに強引に会話へ入る。
「そのおじさん誰?」と夏娘が不審者を見るような目で一心を蔑む。
「この人は僕等をかくまってくれた恩人だよ」
「それと前から甲馬に聞こうと思っていたんだけど、たまに話しているその幽霊なに?」
『あっははは……見えてたんだ』甲馬は戸惑いながらもナイトメアの事を説明する。
「嘘でしょお風呂とか覗いたり……変な事しないでよね」
あゝナイトメアが頭を抱えもがき始める。
『どうしたんだナイトメア』と甲馬が心配した素振を見せる。
数十秒後ナイトメアは何事も無かったかのように立ち上がった。そう風間一心が真山の過去を語ったせいで記憶が戻ったのか、ナイトメアは当時の真山瞬を思わせる雰囲気を醸し出し、少しかすれた声で言放つ。
「権力を振りかざす奴が、一番気に食わねえ……俺がまとめて地獄へ送ってやる」
『かっ格好いい……』甲馬と夏娘がナイトメアに釘付けになる。
だがしかし……ナイトメアは、甲馬の霊力を吸収しているせいか少々間抜けであった。
『ナイトメアどっち向いているの……その人達は風間夫妻だよ』と囁やきながら甲馬は小さく手招きをするのだった。
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