女教師・潤〜絶望の寝取られ教師〜

英語教師・潤

とある地方にある某高校は、生徒たちの帰宅時間になり、春休みにもかかわらず校内が賑やかになっていた。

「先生さようなら！」
「はい、さようなら」

部活動で春休み中も活動していたどこかの部活の生徒が、廊下ですれ違いざまに挨拶をしていった。
それに返事をしてにこやかに見送る教師。

杉江潤、38歳。
この高校で１、２の人気を誇る英語教師である。

今は定年しているが、両親ともに地元の公立中学校・公立高校の教師であり、父親は公立高校の校長まで務めていたこともあり、潤は大学卒業後すぐに地元の高校で教鞭をとる機会に恵まれた。

最初の頃こそ失敗したりして落ち込むこともあったが、16年も働いていると、校内でもベテラン教師に入ってくる。
潤の英語の授業はとてもわかりやすい上に楽しいと感じる生徒が多く、英語が苦手だといっていた生徒があっという間に模試のトップクラスに躍り出ることもよくあることだった。


潤が勤める私立高校は、長年学校長を務める、西辺憲一の権限が強かった。
西辺家は地域の名士の家であり、この私立高校も、私財を費やし建てたものである。

どの学年のことも正確に把握し、的確な指導をする西辺は、教師からはもちろん、生徒や保護者からの信頼も厚かった。
潤自身も、とても尊敬している教師の１人であった。

その西辺を支えるのは、毎年選出される各学年の主任である。
主任が、同じ学年を担当する教師たちと密に連携し、正確に自身の学年を把握し、西辺に報告、相談する。

潤は、今年度初めて学年主任を任されることが決まっていた。
しかも３年生の学年主任ということもあり、日頃のサポートに加え、受験のサポートもあり、教師としてやりがいを感じていた。

しかし、潤には、決して口外できない秘密があった。