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第二章 血にまみれた赤ずきん
12.言い訳
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「えぇと……。」
カナタさんが思わずどもる。
(確かに……どう見ても十代後半の私達と七歳の赤ずきんちゃんが友達なのはおかしいわ。そもそも接点すらない程年が離れているのに……。)
さすがのカナタさんも良いアイデアが思い浮かばないようで真っ青になる。
「……失礼いたしました。」
カリナさんが話し始める。カナタさんは期待するように見上げている。ついでに足元の動物たちも見上げている。首の角度が90°近くで、とても辛そうだが……。私も彼に頼る以外方法がないので救いを求めるような目で見る。
「友達というより……知り合いですね。実はこの前、森で道に迷ってしまいまして、困っていたところ助けて頂きまして……。この度、お礼に伺おうと思い、彼女自身に教えてもらった道を歩いておりましたが、再び迷ってしまったようです。」
いつもカナタさんと茶番をするときからは想像つかないほど綺麗な言葉遣いだった。
「ああ、そうだったの……。疑ってしまってごめんなさい。」
お婆さんはようやく理解したようで、安心したように微笑んだ。
(ナイス、カリナさん!!)
カナタさんは何故か悲しそうな顔をしていた。
結局、お婆さんから地図を貰うと家を出た。
家を出るとき、カナタさんはお婆さんに言った。
「最近、狼がうろつきまわっているそうです。気を付けてください。彼らはかなり賢いですので……。」
カナタさんが思わずどもる。
(確かに……どう見ても十代後半の私達と七歳の赤ずきんちゃんが友達なのはおかしいわ。そもそも接点すらない程年が離れているのに……。)
さすがのカナタさんも良いアイデアが思い浮かばないようで真っ青になる。
「……失礼いたしました。」
カリナさんが話し始める。カナタさんは期待するように見上げている。ついでに足元の動物たちも見上げている。首の角度が90°近くで、とても辛そうだが……。私も彼に頼る以外方法がないので救いを求めるような目で見る。
「友達というより……知り合いですね。実はこの前、森で道に迷ってしまいまして、困っていたところ助けて頂きまして……。この度、お礼に伺おうと思い、彼女自身に教えてもらった道を歩いておりましたが、再び迷ってしまったようです。」
いつもカナタさんと茶番をするときからは想像つかないほど綺麗な言葉遣いだった。
「ああ、そうだったの……。疑ってしまってごめんなさい。」
お婆さんはようやく理解したようで、安心したように微笑んだ。
(ナイス、カリナさん!!)
カナタさんは何故か悲しそうな顔をしていた。
結局、お婆さんから地図を貰うと家を出た。
家を出るとき、カナタさんはお婆さんに言った。
「最近、狼がうろつきまわっているそうです。気を付けてください。彼らはかなり賢いですので……。」
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