雨男と晴女

雨男と晴女

俺は紫陽。しょうと無理やり読む。
隣をアイスを食べながら歩いているのは向日葵。
まあ、幼馴染というやつだ。
俺たちはいつも一緒にいる。
家が隣だからというのもあるけど……。
彼女は学校で雨女と勘違いされている。
前髪が長くて目が見えない。
教室でずっと本を読んでいる。
会話もそっけなくて無愛想。
彼女がいると雨が降る。
本当は……彼女が晴女で俺が雨男なのに、みんな知らない。

「今日も雨女と言われたわ。あなたのせいで！」
「は……はい。すみません。」
「イベントの度にあんたがはしゃぐからいつものような均一が取れなくなるんでしょうが！」
曇っていた空が晴れだす。
ヤバい……めちゃくちゃ怒ってる。
「すまん。アイスもう一本おごるから……。」
「本当！」
彼女がそう言うと、パッと雲一つない快晴になる。
先を歩いていた彼女が振り向いた。
振り向いた瞬間前髪が風に吹かれて顔が見える。
彼女はヒマワリのような笑顔をしている。
えっ……可愛っ！
たちまち空は曇って、土砂降りに。
びちょびちょになった彼女は怒り出す。
「お前なー！」
「すみませーん。」
世界は晴れだす。
二人で可笑しくて笑いあって一緒に帰った。