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第6章 精神世界

77. ナイトメア

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 必死にもがき暴れ身体をアルヴィスに叩きつけて泣いているドラゴンが目を開き、凄まじい閃光に包まれるとそこに現れたのは……
 バシバシとアルヴィスを必死に叩いているフィーネの姿だった。
「フィーネ⁉」
「アルっアルが死んじゃう! ヤダヤダッ それはっそれは私じゃないからっ! 気づいてよ! やだぁっ!」
 大粒の涙を流しながら泣きじゃくりアルヴィスの胸のあたりを必死に手で叩きまわるフィーネ。するとスッと腕を出したアルヴィスが両手でガシッとフィーネの腕を掴む。
「フィーネ、痛い痛い! 俺はもう大丈夫だから!」
「うぁ……アルヴィス?」
 アルヴィスの声がフィーネの耳に届くと、両腕を掴まれながらも涙でボロボロのぐしゃぐしゃの顔をアルヴィスの顔の方に向け見上げる。
 アルヴィスの顔は正気に戻っておりその顔を見た瞬間、ホッとしたのか子供の様に更に泣きじゃくるフィーネ。
「アル……ごめんなさい! 私があの時ダンジョンであんな幻影出さなかったらこんなに……こんな事には……あなたを苦しませなくてよかったのに! 全部私のせいだ。ごめんなさぁい!」
「………………」 
 いつも冷静沈着でそして天真爛漫ではあるフィーネが……取り乱しこんな人前で感情を爆発させて泣いているのは見たことはなかった。
 ただ不思議とこのフィーネは本物だと確信したアルヴィスは自分の身体にフィーネを抱き寄せギュッと抱きしめる。
「フィーネ……やっと見つけた。最初の部屋からずっと俺をあのドラゴンの姿で見守ってくれてたんだな。すまない……見つけるのが、気づくのが遅くなった」
「ううん……気づいてくれて嬉しい……」
 フィーネの姿形だけを探し求めていたアルヴィスだったが最初の部屋からアルヴィスの側にいたドラゴンにフィーネの在りし日の姿をダブらせ、本物のフィーネを見つけそれを見破ったのだった。
 スンスンッ。フィーネは少し落ち着くと今の状況を説明しはじめた。
「あのねっここは私の精神の中であって、そこのグランやそこの私はこの私の精神世界に蝕んでいる『ナイトメア』によって創り出された悪夢。今まで私達は悪夢の中にいるの」
「ナイトメア? 悪夢だと!」
「そう……悪夢によって私は支配されているの……本来は飛翼族がナイトメアを退け滅しているんだけど……今回の秘術は人間の私が儀式を実行しちゃったから弱った隙に精神を乗っ取られちゃって身体が言うこと聞かないの……」
「フィーネ解決法はあるのか?」
「うん。この世界にある四つの部屋の扉から私を解放してもらえればナイトメアは封印されるから……」
 この世界はフィーネの精神世界であり、かつ『ナイトメア』によって蝕まれ、来る者には悪夢で弱らせ弱った者を糧にして生きているのだとか。アルヴィスが入った部屋の四つからフィーネを解放するとナイトメアは封印されこの世界はフィーネのものに戻るらしい。一つ目はドラゴン(フィーネ精神体の解放)、そして二つ目はバーティミアスでの解放(金色の砂)、三つ目はここグランディールでの解放(金色の砂)が必須。
 二人は大事な会話していたが、ふと視線の先には先程のグランが笑いながら作り出されたフィーネの亡骸を蹴っている。
「アルヴィス……お前の最愛の人はフィーネなのだろう? そのフィーネも亡き者にすればお前はどうなるのだろうな!」
 そう言い放つと同時にグランが剣を構えて本物のフィーネに向かって襲いかかる! フィーネは現在精神体の為、魔法や創造魔法が使用できない!グッと目を閉じてフィーネは覚悟を決めているがそこに割って入るのはアルヴィスだ。
ギィィンッ! パァァァッ……
「チッ邪魔をするな!アルヴィス」
 フィーネの前にはアルヴィスが立ちはだかり剣をグランの剣と交わらせている。
「俺の剣技がグランごときヒヨッコにいなせる訳がないだろうが! もう二度とフィーネに近づくな!」
ズバッ!
 剣を弾き一気にグランの懐に入りとどめを刺すアルヴィス。斬り裂いたグランと亡骸になっているフィーネからはキラキラとした光が斬り口から漏れている。今回は精神体のフィーネに直接吸収されていく。
シュウゥゥ……
 フィーネは光を吸収するとスッと奥の光る扉を指差す。
「あれが最後の四つ目の扉だよ。アル……ナイトメアは夢を支配する精霊であり魔物なの。何があっても私はアルを信じてるからっ!負けないでね!」
「あぁ待ってろフィーネ!」
 そう言い残すとフィーネはニコッと笑いながらスゥゥゥ……と消えていく。
 精神世界でまだ本人を解放してはいない……アルヴィスは今回の件で自分の心の弱さを少し克服したようだ。そしてフィーネが指差した最後の部屋を開ける。

カチャリ……
 扉を開くとそこには四人のフィーネがいる。姿形が幼く幼少期のフィーネと、少し成長した学童期、青年間近の思春期、そして成年期であると見られるフィーネが並んでいる。
カッカッカッ……
 蹄の音が響き渡る。四人のフィーネの後ろから現れたのは邪悪な妖魔『ナイトメア』だった。馬のような顔と脚を持ちそして黒き翼が闇を纏うなんとも禍々しい精霊だ。
〘おやおや……我の悪夢はお気に召さぬとは……この精神の持ち主は……よほどお前が大事だと見受けられる……〙
 ナイトメアはブツブツと呟きながら何やら悪巧みをしているようだ。
〘どうやれば……お前の魂を悲劇で満たして喰えるのか……〙
 ナイトメアにアルヴィスは剣を構えたまま走り近寄る……が、ナイトメアの前にいる四人のフィーネが庇うように両手を目一杯開いて立ちはだかる。バッと手を大きく広げていかにも斬り裂いてくれと言わんばかりにその身を捧げていた。
 そう、ナイトメアはフィーネを通してアルヴィスの弱点を熟知している。その光景にゾクッとしたアルヴィスだが先程のフィーネとの約束を胸に躊躇せず力一杯、一気に四人を斬り裂いた。
ズバッ! バシュッッ……
 その瞬間、四人のフィーネは揺らめき霧となり消え去る。その光景を目の当たりにしたナイトメアは目を怪しげに輝かせていた。
〘ほぅ……弱点を克服したのか! 人間にしてはなかなか骨がある……だが……〙 
パチンッ ブァァァァ!ズズズッ………
「なっ!フィーネが復活だと?」
 ナイトメアが指を鳴らせばズズッと新しいフィーネ達がアルヴィスの前に立ちはだかる。
〘さぁ人間よ! 根比べといこうか!〙

ザシュッ!ズバッッ!
 どのくらいの時が流れたのだろうか……倒しても倒しても新たに生み出される数々のフィーネ達。だが、アルヴィスは平気なわけではない。大切な人を自身の手で殺め続けるのは並大抵の精神力ではできない。精神がジワリジワリとすり減り続けると……急にアルヴィスの頭の中に声が響く。それは……聞いたことのある声だった。
 頭に響く声にハッとしているアルヴィス。

【アルヴィス……おぬしが……人間がそやつに打ち勝ちたくば……精神を蝕まれた者との大切な思い出を差し出せ! さすれば道が開くじゃろう!】 
「シェリル! シェリルなのか? フィーネとの大切な思い出……」
 その場に響く声は聞き覚えがあり確かに飛翼族の姫だった。
 大切な思い出を差し出す……。
 アルヴィスはフィーネとの大切な思い出……そう思いながら不意に胸に手を当てるとコツンと当たるのは、フィーネに騎士として命を捧ぐと誓った双剣のピンがある。あの日騎士であると誓った、フィーネに命を捧げる決意をしそしてフィーネが受け入れてくれた証……片方は赤のルビー、片方は銀色の石が収まっているアルヴィスとフィーネのカラーの大切なピン。
 アルヴィスは覚悟をしてピンをグッと握りしめ引きちぎると天高く掲げる。
「俺とフィーネの誓いの結晶だ! フィーネを蝕むナイトメアを滅してくれ」

ボッ!
「! こっこれは………」
 アルヴィスの掲げた手からは青い炎が勢いよく燃え盛る、そしてアルヴィスの周りを青い炎が纏いゴゥッと勢いよく燃え上がったのだった! 
 その青い炎を見た瞬間ナイトメアの余裕は一気に失われる!
〘それは……想いの結晶! チッ……飛翼族め一体何を吹き込んだ!〙
 ナイトメアはカッとなり一気にフィーネ達をアルヴィスに向かわせるが、青い炎はフィーネ達を包み込むと綺麗サッパリと消し去ってしまった。そしてナイトメアの指で弾いて無限に召喚していたフィーネ達を喚ぶことができなくなる。
 青い炎はフィーネ達を飲み込み次第に姿を龍に変え、ナイトメア目掛けて飛び立ち触れると、ナイトメア自身が青い炎で焼かれ始める!
ゴゥゥ! パチパチパチッ
〘ギャァァァ‼ なぜ人間が飛翼族の秘術を使えるのだぁぁぁ!〙
 ナイトメアは全身を焼かれ、消し炭になる瞬間まで青い炎は全身を覆い、そしてナイトメアを飲み込んでいく。全てを飲み込んだ瞬間、ピンは爆ぜて粉々に砕け散ってしまった! 

 次の瞬間……
 グイッとアルヴィスは何か強い力で引っ張られてしまう!
「ヤバい! 引き込まれる!」
 一気に身体を持っていかれる!とその瞬間!

カカカッ‼
 眩い光に包まれ瞬間に目を閉じ、そして目を少しずつ開いていくとそこはカラニペアの二面鏡の儀式をしていた儀式の間に戻っていた。
「はぁっはぁっ……ここは? 元に戻ったのか?」
 アルヴィスが自身の身体に戻りそして自分の腕の中に目を向けるとフィーネの身体が腕の中にある。あの倒れた時と場所も移動はしていない。
スーッスッー……
 フィーネはアルヴィスの腕の中で静かな寝息をたてていた。その顔には苦痛や苦悶の表情はなく、ただ涙の跡だけ薄っすらと残っていた。
 苦痛の症状もなく静かに眠るフィーネの姿を見たアルヴィスはホッとした表情を浮かべていた。そんなアルヴィスに近寄り声をかけたのはシェリルだった。
【まさか……おぬしがナイトメアを退治するとはのぅ……人間はそう簡単に大事な物や繋がりを躊躇して差し出したりはせんのじゃが……よくやったものじゃな……】
「シェリル……助かった。あの言葉で助けられたんだ」
 シェリルがスッと指差すのはアルヴィスのマントにあったマントピンは石が砕け散っていた。
 フィーネに騎士として命を捧ぐと誓い、そして任命された時に賜った唯一無二の二人の絆の証。
「俺はこの最愛の人が救えるなら……証は消えども、俺達の絆は断ち切ることはできないと。今回の事でやはり俺は今まで以上にフィーネ以外は考えられないと思ったんだ……」
 優しい眼差しでフィーネを見つめているとスッと目が開き目覚めるフィーネ。
「……んっ……アル?」
「フィーネ待たせてすまない。もう悪夢は去ったから安心しろ」
 アルヴィスの優しい声にホッとしたフィーネ。
するとすかさず飛翼族の姫がフィーネに声かける。
【ニンゲンがよく飛翼族の儀式を耐え抜いたものじゃな……おぬしのおかげでわしは解放されたしのう……それに……】
 目覚めたフィーネにティレニアが駆け寄りその身体をガバッと優しく抱きしめる。
「フィーネ! 貴方のおかげで……ありがとう」
「ティレニア? 良かったちゃんと分離できたのね?」
「えぇ! もう二度とシオンとわかりあえず触れることも叶わない、そんな絶望しかなかった私を……そんな未来を断ち切ってくれた。ありがとう。本当にありがとう……」
 涙を流しながら感謝するティレニアの頬にそっと手を当てるフィーネ。
「ふふふっよかったねぇティレニア。私も嬉しいのよ……二人は幸せになってもらいたいもの」
 そう言葉をかけると次は上を向いてアルヴィスに笑いかける。
「秘術の時も精神世界でも、側にいるのがアルでよかった……安心して任せられたもの。あの時は……ダンジョンではほんとにごめんなさい……こんな私だけど……側にまだいてくれるかな?」
 少し緊張しながら震えるフィーネ。無理もないトラウマになる心の傷を作ってしまった出来事をしてしまった相手なのだ。離れてしまっても仕方がないと覚悟を決めていたのだ。
「…………………はぁ………」
 するとアルヴィスはため息をつきながら手をフィーネの額にコツンと当てる。
「痛っ!」
「ばーか。俺の誓い忘れたのか? 俺はお前に命を捧ぐと誓ったんだ……お前が俺を嫌いになったとしても、そう簡単に離れてやらないさ」
 ふふふっ……アルヴィスのいたずらっぽい笑いに救われる。二人の笑顔を見たシェリルが周りのみんなにも指示を出し休むことになる。
【今日は疲れたじゃろう……話したい事は多々あるが……それは明日にしようかのう……サザラーナ、ディレイこやつらを案内してやれ……十分にもてなすのじゃぞ】
 飛翼族の姫の指示で飛翼族の土地で休息を取ることになる一行。壮絶な三日間が過ぎ去ったのだった。
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