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3章
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「……きさーん、起きてくださーい」
さっきから耳元でささやくような声がする。
目が覚めると「ゆ・う・きさーん、おはようございますー」と。
正座を崩して体をカーブした姿の瑠実菜がいた。
そうだ、昨日女の子を泊まらせたんだ。ガッツリ寝てしまった。
こんな現場撮られたら最悪だよ。
一生社会的に抹殺されるパターン。芸能人だったら週刊誌のネタにされると思う、多分。
ぐるぐると最悪なことばかり頭に浮かぶ。
これが普通の恋愛なら、ラッキーだと思う。でもそうじゃない。
下手するとお金と社会的地位を失うかもしれない。
「お、おはよう、ございます……」
やっぱり女の子は隣にいるのは落ち着かない。こんな可愛い子が。
しかも起きたら、グラビアアイドルのねーちゃんみたいなポーズでいたし!
落ち着かないけど、ちょっと嬉しい。
写真撮れば良かった!
「朝ごはん作ってもいいですかー?」
「えっ?!」
「色々してもらってばかりなので、申し訳ないなと……」
「いやいやいいよ、俺がやるからさー、君はお客さんなんだ。待っててくれ」
「いいから、いいからー待っててくださーい。食材は何がありますかー?」
「……ほとんど冷食ばっかだよ。あー、卵とパンとコーヒーがあるかなー」
「分かりましたー。ゆうきさん一緒につくりましょ。”共同作業”ですっ」
結婚式のケーキバイトか!
琉実菜の押しに負けた。どうも彼女に弱い。
共同作業といっても、あれはどこにあるだどうのこうの教えているだけで、特に手出しをしていない。
楽しそうに作ってる姿は眼福だ。
「出来ましたよー」
目玉焼きに、トーストに、コーヒー……こんなきっちりした食事したの何年ぶりだろかと感慨に浸る。
そしていつものように琉実菜はみみずくの隣に座った。
「はい、お口開けてくださーい」
「えっ?」
「いいから、いいからー」
琉実菜に言われるままみみずくは口を開ける。目玉焼きを箸で切ったのを「あーん」してもらってる図だ。
「どうですか? 美味しいですか?」
瑠実菜が不安そうにみみずくの目を見つめる。
「う、うん。超美味しい」
いい感じの硬さとトロリと広がる卵のきみ。
「あっ、ちょっと待ってくださいー」
ティッシュを取り出した瑠実菜は、みみずくの口元を拭き取る。
「ふふ、ゆうきさん可愛いですよ」
みみずくの顔が赤くなり、思わず両手で顔を覆う仕草をする。
二十何年間生きて女の子にこんなことやってもらえるなんて! うれしいような、恥ずかしような。
多分結婚や同棲をしたらこういうのしてもらえるのだろうなー。
さて、そんな日が来るかどうか分からないけど。
神様ありがとう! 今日はしっかり仕事出来そうです。
みみずくは琉実菜にやってもらってまんざらでもなかった。
さっきから耳元でささやくような声がする。
目が覚めると「ゆ・う・きさーん、おはようございますー」と。
正座を崩して体をカーブした姿の瑠実菜がいた。
そうだ、昨日女の子を泊まらせたんだ。ガッツリ寝てしまった。
こんな現場撮られたら最悪だよ。
一生社会的に抹殺されるパターン。芸能人だったら週刊誌のネタにされると思う、多分。
ぐるぐると最悪なことばかり頭に浮かぶ。
これが普通の恋愛なら、ラッキーだと思う。でもそうじゃない。
下手するとお金と社会的地位を失うかもしれない。
「お、おはよう、ございます……」
やっぱり女の子は隣にいるのは落ち着かない。こんな可愛い子が。
しかも起きたら、グラビアアイドルのねーちゃんみたいなポーズでいたし!
落ち着かないけど、ちょっと嬉しい。
写真撮れば良かった!
「朝ごはん作ってもいいですかー?」
「えっ?!」
「色々してもらってばかりなので、申し訳ないなと……」
「いやいやいいよ、俺がやるからさー、君はお客さんなんだ。待っててくれ」
「いいから、いいからー待っててくださーい。食材は何がありますかー?」
「……ほとんど冷食ばっかだよ。あー、卵とパンとコーヒーがあるかなー」
「分かりましたー。ゆうきさん一緒につくりましょ。”共同作業”ですっ」
結婚式のケーキバイトか!
琉実菜の押しに負けた。どうも彼女に弱い。
共同作業といっても、あれはどこにあるだどうのこうの教えているだけで、特に手出しをしていない。
楽しそうに作ってる姿は眼福だ。
「出来ましたよー」
目玉焼きに、トーストに、コーヒー……こんなきっちりした食事したの何年ぶりだろかと感慨に浸る。
そしていつものように琉実菜はみみずくの隣に座った。
「はい、お口開けてくださーい」
「えっ?」
「いいから、いいからー」
琉実菜に言われるままみみずくは口を開ける。目玉焼きを箸で切ったのを「あーん」してもらってる図だ。
「どうですか? 美味しいですか?」
瑠実菜が不安そうにみみずくの目を見つめる。
「う、うん。超美味しい」
いい感じの硬さとトロリと広がる卵のきみ。
「あっ、ちょっと待ってくださいー」
ティッシュを取り出した瑠実菜は、みみずくの口元を拭き取る。
「ふふ、ゆうきさん可愛いですよ」
みみずくの顔が赤くなり、思わず両手で顔を覆う仕草をする。
二十何年間生きて女の子にこんなことやってもらえるなんて! うれしいような、恥ずかしような。
多分結婚や同棲をしたらこういうのしてもらえるのだろうなー。
さて、そんな日が来るかどうか分からないけど。
神様ありがとう! 今日はしっかり仕事出来そうです。
みみずくは琉実菜にやってもらってまんざらでもなかった。
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