11 / 45
2章
4
しおりを挟む
「あ、あの……どうですか? 似合って、ますか?」
お風呂上がりのゆあは色っぽかった。
藤の花をあしらった館内用の浴衣と、帯によって強調されている胸。
髪も所々乱れてて艶やかに魅せる。
みみずくの顔が赤くなっていた。
結果としてみみずくはゆあに根負けした。
時間的には夕方の十六時だから丁度いいかと納得する。
しかもちゃっかり個室の休憩まで予約されてた。
大浴場に入ったのはいいけど、男湯はそこまで人がいなくてなんとなく安心した。
入浴中みみずくは、邪念を振り払うかのように大浴場のシャワー浴びていた。
本当にこのまま個室行っていいのか? 裏があるんじゃないか?
こんな可愛い子が美人局なんてする訳ないと信じたい気持ちに傾いている。
ゆあが個室用の部屋の鍵を受け取ると、三階の方へエレベーターで向かう。
「ききょうの部屋ですって。楽しみー」
部屋は一番手前だ。中に入ると、こじんまりとしていて、TVや電気ポット、そして真ん中には、長机が置いてある。
ゆあが座布団にすわって何か触り出した。タブレットのようだ。
「これで、ご飯頼めるみたいですよー。どうしますか」
「そうですね。じゃあたのもう」
「やった! ねっ、ビール飲んでいい?」
「いいよ」
みみずくは目を細めて、熱心に選ぶゆあを微笑ましく思う。
選び終えたゆあは「隣来てくださいよー」と促す。
隣に座った瞬間、みみずくの腕にボディータッチをはじめた。
「……っ、ゆ、ゆあさ……ん……!」
みみずくは驚きのあまりどうリアクションしたらいいかわからなかった。
陶器のような白い肌。時折り覗かせる胸の谷間。
「ゆうきさんの肌ムチムチで好きー」
されるがままにいると、注文したものが届いたそうだ。
応対にゆあが出る。
二人は天ぷら御膳とウーロン茶とビールを頼んだ。
テレビを見ながら、美味しいですねーとか、温泉の感想を話していくうちにご飯が食べ終わった。
ビールを飲み終わったゆあの顔が少し赤い。
またそれが色っぽくでるのだ。
「えーいっ!」
いきなりゆあがみみずくを押し倒した。
ええええーっ! 俺、お、押し倒されてる?!
てか地味に頭打った! い、いってー!
「えへへー。どうですか? 女の子に押し倒されるのは」
子どものような笑顔。そして、浴衣から見える胸の谷間。
うーむ、おおきい胸だ。けしからん。わざと押し倒して見えるようにしてんのか?
石鹸の匂い。チラッと見える赤色のブラがたまらない。
ある意味ご褒美と取るか……でも頭打って痛い。畳とはいえ。
「ゆうきさん、すっごーく、下心出てますよ! もー仕方ない子ですね。めっ、ですよ!」
急にお母さん口調になるゆあに戸惑いを隠せずにいた。
この場合どうするのが正解なんだ?!
①逃げる
②されるがままにする
③助けを呼ぶ
逃げるが勝ちって言うけど、この状況下できる訳ない。
助けをフロントに呼ぶにしても「女性に襲われました! 助けて下さい!」って言った上で「はぁ? 女の人に襲われた?! ちょっと何言ってるか分からないんですけど」になるだろう。
フロントの人もリアクションに困るだけだ。
「さぁ、どうしますか? 私と一緒にこのままいますか?」
こんな至近距離で女の子に迫られるなんて!
しかも目と目が合ってるし! 目力すごいな!
大きなな黒い真珠のような目と二重と長いまつ毛。
神様! 今日まで生きててよかったよ!
今度お礼参りするからよろしく!
ゆあはみみずくの耳元で「このまま今晩一緒にどうですか?」と囁いて、頬に優しく口づけした。
みみずくの心拍数が跳ね上がる。顔も赤い。
多分今健康診断したら引っかかるだろう。
「さ、さすがに……それは……一緒にいたいのは山々だけど」
明日は仕事がある。支障きたすのはごめんだ。
「あーあ、残念。また今度か……いつにしましょう? 私、いつでも空いてますから」
ゆあは起き上がって、座布団に行儀良く座り直した。みみずくも起き上がって座り直す。
「ゆうきさーん」
ゆあがみみずくの太ももに枝垂れ柳のように寄りかかる。
「ゆあさん! しっかりしてください!」
酔ってるのか? この場合どうするんだ?
みみずくがゆあの身体を揺らすが、もう寝てる。しかもガッツリ浴衣の裾を掴まれてる。
「ゆあさん! タクシー呼びますから!」
みみずくはアプリでタクシーを呼び出した。
タクシーで帰るにしても、一回着替えないといけない。
待って、これはチャンスか……! あんまりよくない方法だけど、仕事で必要だ。
ゆあはなんとか起きて無事タクシーに乗り、みみずくは車で自宅に戻ったとさ。
お風呂上がりのゆあは色っぽかった。
藤の花をあしらった館内用の浴衣と、帯によって強調されている胸。
髪も所々乱れてて艶やかに魅せる。
みみずくの顔が赤くなっていた。
結果としてみみずくはゆあに根負けした。
時間的には夕方の十六時だから丁度いいかと納得する。
しかもちゃっかり個室の休憩まで予約されてた。
大浴場に入ったのはいいけど、男湯はそこまで人がいなくてなんとなく安心した。
入浴中みみずくは、邪念を振り払うかのように大浴場のシャワー浴びていた。
本当にこのまま個室行っていいのか? 裏があるんじゃないか?
こんな可愛い子が美人局なんてする訳ないと信じたい気持ちに傾いている。
ゆあが個室用の部屋の鍵を受け取ると、三階の方へエレベーターで向かう。
「ききょうの部屋ですって。楽しみー」
部屋は一番手前だ。中に入ると、こじんまりとしていて、TVや電気ポット、そして真ん中には、長机が置いてある。
ゆあが座布団にすわって何か触り出した。タブレットのようだ。
「これで、ご飯頼めるみたいですよー。どうしますか」
「そうですね。じゃあたのもう」
「やった! ねっ、ビール飲んでいい?」
「いいよ」
みみずくは目を細めて、熱心に選ぶゆあを微笑ましく思う。
選び終えたゆあは「隣来てくださいよー」と促す。
隣に座った瞬間、みみずくの腕にボディータッチをはじめた。
「……っ、ゆ、ゆあさ……ん……!」
みみずくは驚きのあまりどうリアクションしたらいいかわからなかった。
陶器のような白い肌。時折り覗かせる胸の谷間。
「ゆうきさんの肌ムチムチで好きー」
されるがままにいると、注文したものが届いたそうだ。
応対にゆあが出る。
二人は天ぷら御膳とウーロン茶とビールを頼んだ。
テレビを見ながら、美味しいですねーとか、温泉の感想を話していくうちにご飯が食べ終わった。
ビールを飲み終わったゆあの顔が少し赤い。
またそれが色っぽくでるのだ。
「えーいっ!」
いきなりゆあがみみずくを押し倒した。
ええええーっ! 俺、お、押し倒されてる?!
てか地味に頭打った! い、いってー!
「えへへー。どうですか? 女の子に押し倒されるのは」
子どものような笑顔。そして、浴衣から見える胸の谷間。
うーむ、おおきい胸だ。けしからん。わざと押し倒して見えるようにしてんのか?
石鹸の匂い。チラッと見える赤色のブラがたまらない。
ある意味ご褒美と取るか……でも頭打って痛い。畳とはいえ。
「ゆうきさん、すっごーく、下心出てますよ! もー仕方ない子ですね。めっ、ですよ!」
急にお母さん口調になるゆあに戸惑いを隠せずにいた。
この場合どうするのが正解なんだ?!
①逃げる
②されるがままにする
③助けを呼ぶ
逃げるが勝ちって言うけど、この状況下できる訳ない。
助けをフロントに呼ぶにしても「女性に襲われました! 助けて下さい!」って言った上で「はぁ? 女の人に襲われた?! ちょっと何言ってるか分からないんですけど」になるだろう。
フロントの人もリアクションに困るだけだ。
「さぁ、どうしますか? 私と一緒にこのままいますか?」
こんな至近距離で女の子に迫られるなんて!
しかも目と目が合ってるし! 目力すごいな!
大きなな黒い真珠のような目と二重と長いまつ毛。
神様! 今日まで生きててよかったよ!
今度お礼参りするからよろしく!
ゆあはみみずくの耳元で「このまま今晩一緒にどうですか?」と囁いて、頬に優しく口づけした。
みみずくの心拍数が跳ね上がる。顔も赤い。
多分今健康診断したら引っかかるだろう。
「さ、さすがに……それは……一緒にいたいのは山々だけど」
明日は仕事がある。支障きたすのはごめんだ。
「あーあ、残念。また今度か……いつにしましょう? 私、いつでも空いてますから」
ゆあは起き上がって、座布団に行儀良く座り直した。みみずくも起き上がって座り直す。
「ゆうきさーん」
ゆあがみみずくの太ももに枝垂れ柳のように寄りかかる。
「ゆあさん! しっかりしてください!」
酔ってるのか? この場合どうするんだ?
みみずくがゆあの身体を揺らすが、もう寝てる。しかもガッツリ浴衣の裾を掴まれてる。
「ゆあさん! タクシー呼びますから!」
みみずくはアプリでタクシーを呼び出した。
タクシーで帰るにしても、一回着替えないといけない。
待って、これはチャンスか……! あんまりよくない方法だけど、仕事で必要だ。
ゆあはなんとか起きて無事タクシーに乗り、みみずくは車で自宅に戻ったとさ。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる