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8章
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「本当にありがとうございます。お陰で娘の無念を晴らすことができました」
神原光政・澪子夫妻がよろずやななつ星に来たのは五月のゴールデンウィーク明けだった。
神原夫妻は解決した安心感と疲労感で顔が少し痩せたように見えた。
大屋が解決した旨を先日送った。そうすると大きな動きがあったのでお話したいと連絡が来た。
「いえいえ、特に何も私達は……」
「つまらないものですが、皆様で召し上がってください」
二人から手土産を渡される。かなり大きめだ。
紙袋には北斗七星の絵が書かれている。天文堂のロゴだ。
七つ星駅のショッピングモールの中にあるたいやき屋である。特にカスタードクリーム味が人気がある。
「ありがとうございます!」
大屋が目を輝かせて受け取る。
すずらんはこの夫妻何でこの人が天文堂のお菓子好きって分かったんだろうと感心する。
天文堂は七つ星駅のショッピングモールにあるたいやき屋である。
味にバリエーションがあり、特にカスタードクリーム味が人気がある。大屋の大好物である。
「田丸先生と佐久間校長は不倫関係だったそうですね……千夏が倒れたときに二人して雲隠れしたそうで……それで責任を生徒や警備員に押し付けたと聞きました。ななつ星さんからの書類を見た時、本当に憎しみと悲しみと悔しさしかありませんでしたよ。結局自分たちのことが露見されたくないがために、娘はころされたようなもんです……」
「特に田丸は過去に色々問題をおこしてたみたいですね。息子さんも昔、同級生を突き落としたと聞きました。こんなクズの塊が世の中生きてたんですね。息子に突き落とされた同級生のご家族も、悔しかったでしょうね……」
光政の握り拳が震えていた。隣で澪子が肩をさする。
「……そうですね。悔しいですよ。神原さんの件で田丸先生のことや家族のこと色々な意味で露見されて社会的制裁を今頃受けているでしょう。完全に無念が晴れるかどうかと言われたらわかりませんが、少しでも天罰が下ってることを信じてます」
すずらんが営業スマイルをしながら淡々と話す。
「田丸が逮捕されるほど暴れてたと聞きましたが……」
「ええ、そうです。佐久間倫子も田丸俊治も証拠が出てるのに中々認めず、終始悪態をついてました。田丸は暴れるわ、警備員の方にナイフ近づけて脅すわと大変でした。しかも佐久間倫子は田丸を煽ってるだけでしたし……なんとか警察が来てくれてその後逮捕されたそうです。少しホッとしました」
光政の話にすずらんと大屋は「うわぁー、それはたいへんでしたね」と呟く。
その現場を見てみたかったとすずらんの中の野次馬根性が顔をだす。
「田丸が暴れた時、体育館の防犯カメラにバッチリ写ってましたからもう言い逃れできないでしょう」
藤ノ宮女子高校は女子校ということもあり、敷地内にいくつか防犯カメラが設置されている。画像の管理は警備員が行っている。
「では、失礼します。本当にありがとうございました」
神原夫妻は立ち上がってすずらんと大屋に頭を下げた。
二人は神原夫妻を玄関まで見送る。
「本当にありがとうございました!」
夫妻の顔はどこか晴れ晴れとしたように見えた。
「さー、今から休憩すっかー! 天文堂のたいやきもらったことだし! 丁度おやつの時間だし! すずらん、すいせんとみみずくがいる部屋で休憩よ!」
すずらんは会社用のスマホのロック画面をチェックする。もう十五時になってた。
大屋は天文堂のお土産を片手にスキップしながら、すいせんとみみずくがいる部屋へ向かう。
神原光政・澪子夫妻がよろずやななつ星に来たのは五月のゴールデンウィーク明けだった。
神原夫妻は解決した安心感と疲労感で顔が少し痩せたように見えた。
大屋が解決した旨を先日送った。そうすると大きな動きがあったのでお話したいと連絡が来た。
「いえいえ、特に何も私達は……」
「つまらないものですが、皆様で召し上がってください」
二人から手土産を渡される。かなり大きめだ。
紙袋には北斗七星の絵が書かれている。天文堂のロゴだ。
七つ星駅のショッピングモールの中にあるたいやき屋である。特にカスタードクリーム味が人気がある。
「ありがとうございます!」
大屋が目を輝かせて受け取る。
すずらんはこの夫妻何でこの人が天文堂のお菓子好きって分かったんだろうと感心する。
天文堂は七つ星駅のショッピングモールにあるたいやき屋である。
味にバリエーションがあり、特にカスタードクリーム味が人気がある。大屋の大好物である。
「田丸先生と佐久間校長は不倫関係だったそうですね……千夏が倒れたときに二人して雲隠れしたそうで……それで責任を生徒や警備員に押し付けたと聞きました。ななつ星さんからの書類を見た時、本当に憎しみと悲しみと悔しさしかありませんでしたよ。結局自分たちのことが露見されたくないがために、娘はころされたようなもんです……」
「特に田丸は過去に色々問題をおこしてたみたいですね。息子さんも昔、同級生を突き落としたと聞きました。こんなクズの塊が世の中生きてたんですね。息子に突き落とされた同級生のご家族も、悔しかったでしょうね……」
光政の握り拳が震えていた。隣で澪子が肩をさする。
「……そうですね。悔しいですよ。神原さんの件で田丸先生のことや家族のこと色々な意味で露見されて社会的制裁を今頃受けているでしょう。完全に無念が晴れるかどうかと言われたらわかりませんが、少しでも天罰が下ってることを信じてます」
すずらんが営業スマイルをしながら淡々と話す。
「田丸が逮捕されるほど暴れてたと聞きましたが……」
「ええ、そうです。佐久間倫子も田丸俊治も証拠が出てるのに中々認めず、終始悪態をついてました。田丸は暴れるわ、警備員の方にナイフ近づけて脅すわと大変でした。しかも佐久間倫子は田丸を煽ってるだけでしたし……なんとか警察が来てくれてその後逮捕されたそうです。少しホッとしました」
光政の話にすずらんと大屋は「うわぁー、それはたいへんでしたね」と呟く。
その現場を見てみたかったとすずらんの中の野次馬根性が顔をだす。
「田丸が暴れた時、体育館の防犯カメラにバッチリ写ってましたからもう言い逃れできないでしょう」
藤ノ宮女子高校は女子校ということもあり、敷地内にいくつか防犯カメラが設置されている。画像の管理は警備員が行っている。
「では、失礼します。本当にありがとうございました」
神原夫妻は立ち上がってすずらんと大屋に頭を下げた。
二人は神原夫妻を玄関まで見送る。
「本当にありがとうございました!」
夫妻の顔はどこか晴れ晴れとしたように見えた。
「さー、今から休憩すっかー! 天文堂のたいやきもらったことだし! 丁度おやつの時間だし! すずらん、すいせんとみみずくがいる部屋で休憩よ!」
すずらんは会社用のスマホのロック画面をチェックする。もう十五時になってた。
大屋は天文堂のお土産を片手にスキップしながら、すいせんとみみずくがいる部屋へ向かう。
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