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5章
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話し合いの会場は藤ノ宮女子高校の校長室だった。
倫子はいつも座っている大きな机がある席に座ろうとしたが、椅子がなくなっていた。
机の上にあるネームプレートがなくなっていた。
先週まで書類の山とノートパソコンがあったのに。
私物の筆記用具もなくなっている。
「ちょっと! 何で私の椅子がないの?! ネームプレートも!」
甲高い声で顕信に聞く倫子。
「今日はここに座ってもらうから」
顕信に言われた所は校長室の中にある応接間兼打ち合わせスペース。
クッション性のある黒の布張りの椅子。
俊治と倫子は並んで座る。
「何であんた達一緒に並んでるのよ! あんたは私の隣でしょ!」
「それはあなたに魅力がないからじゃない?」
顕信は俊治と倫子が隣り合って座る時点でないなと呟く。
俊治はいつものようにふてぶてしく椅子に座っていた。
早く帰らせろよといわんばかりに貧乏ゆすりをはじめる。
「これはどういうことかな?」
顕信が"証拠"を机の上に差し出す。
妙に距離が近いこと、レストランのガラスが反射して二人がソファーのような席で並んで座ってた。
二人がベッドで共寝したこと、男女の仲を示唆するような内容をメッセージアプリでやってること、ホテルに向かっている姿など……。
顕信が個人的に調査専門会社に頼んだものである。
「あと、これね・・・・・・」
ラブホテルに入ろうとする姿、俊治と倫子のメッセージアプリでのやりとり。
『今日は激しかった』
『もーちょいやりたりない。今度は短いスカート履いてきて』
『保護者向けの説明会なんとかいったわ。警備員に擦り付けておいた』
『保護者はどうだ?』
『騒いでたけど、無視した。あとは志村真凜と和田紬とあいつらの担任と保健室のあの女をクビにさせたら、大丈夫よ』
『これからそっち向かうから』
「お、俺たちには関係ない!」
「そうよ! 合成よ!」
俊治と倫子はそれぞれの配偶者の目からそらす。
「ねぇ、暑いんだけど・・・・・・」
「生徒たちの様子は?」
「今そういう話じゃないだろ? お前らいつから関係を持った?」
凄むように聞く顕信。
「ねえ、家に帰らせて」
「お前に話すことはない」
「じゃぁこれはどうかな?」
学園長は手元からスマホを取り出して音声アプリを開いた。
『・・・・・・あの人亡くなったわ。これからどうする?』
『喘息かなんだかしらねーけど、たかが生徒一人亡くなっただけで騒ぎすぎなんだよ。せっかくの飯が不味くなる。なぁ、倫子、保健室の先生探すフリして逃げたのは正解だったな』
『そうね。責任がここにきたら困るから、警備員とあの生徒二人に押し付けましょ。適当に理由つけて、学校に来れない形にすればいいのよ。あの警備員学園長派だから追い払うのに丁度良かったわ』
『だいたい、志村だっけ? ガキの癖に俺に刃向かうなんておかしいんじゃねーの。学校で騒ぎ過ぎなんだよ。今どきの奴は根性ねーなー。俺、くたばった奴の両親に怒られたくないんだけど』
「こ、こんなの、嘘よ!! わ、私、言ってない!」
「合成よね?」
「てめぇー、なんのつもりだ!!」
俊治は机をドンドン叩く。
「田丸先生、学園長の前です。言葉を慎みなさい」
「うるせー、このもやしの癖に!! お前らが消えれば、この学校支配できるのに!」
「こんな老害学園長なんか誰も望んでないわ。これからは佐久間倫子の時代なのよ。とっととご隠居されたらどうです? 私は若い人にこの学校に携わってもらいたいだけです」
倫子は強く言い切ってる割にはひどく狼狽していた。
顕信、学園長、そして加奈子から色々と証拠を見せられる。
よろず屋ななつ星が送ったもの、掲示板に書かれたもの、そして二人のSNSのアカウントなどなど・・・・・・。
しかし二人は未だに不倫及び神原千夏の件を求める気がない。
「お前らこんなに紙クズ見せて俺に勝ったつもりか?」
「ええ、これほど沢山出てきてますから。あなた随分と人の人生を潰してきたみたいですねー。面の皮が厚いというか・・・・・・」
顕信はよろずやななつ星が送った書類を見せる。
――田丸健史は中学の時、癇癪を起こし同級生を
突き落とし死亡させた。
倫子はいつも座っている大きな机がある席に座ろうとしたが、椅子がなくなっていた。
机の上にあるネームプレートがなくなっていた。
先週まで書類の山とノートパソコンがあったのに。
私物の筆記用具もなくなっている。
「ちょっと! 何で私の椅子がないの?! ネームプレートも!」
甲高い声で顕信に聞く倫子。
「今日はここに座ってもらうから」
顕信に言われた所は校長室の中にある応接間兼打ち合わせスペース。
クッション性のある黒の布張りの椅子。
俊治と倫子は並んで座る。
「何であんた達一緒に並んでるのよ! あんたは私の隣でしょ!」
「それはあなたに魅力がないからじゃない?」
顕信は俊治と倫子が隣り合って座る時点でないなと呟く。
俊治はいつものようにふてぶてしく椅子に座っていた。
早く帰らせろよといわんばかりに貧乏ゆすりをはじめる。
「これはどういうことかな?」
顕信が"証拠"を机の上に差し出す。
妙に距離が近いこと、レストランのガラスが反射して二人がソファーのような席で並んで座ってた。
二人がベッドで共寝したこと、男女の仲を示唆するような内容をメッセージアプリでやってること、ホテルに向かっている姿など……。
顕信が個人的に調査専門会社に頼んだものである。
「あと、これね・・・・・・」
ラブホテルに入ろうとする姿、俊治と倫子のメッセージアプリでのやりとり。
『今日は激しかった』
『もーちょいやりたりない。今度は短いスカート履いてきて』
『保護者向けの説明会なんとかいったわ。警備員に擦り付けておいた』
『保護者はどうだ?』
『騒いでたけど、無視した。あとは志村真凜と和田紬とあいつらの担任と保健室のあの女をクビにさせたら、大丈夫よ』
『これからそっち向かうから』
「お、俺たちには関係ない!」
「そうよ! 合成よ!」
俊治と倫子はそれぞれの配偶者の目からそらす。
「ねぇ、暑いんだけど・・・・・・」
「生徒たちの様子は?」
「今そういう話じゃないだろ? お前らいつから関係を持った?」
凄むように聞く顕信。
「ねえ、家に帰らせて」
「お前に話すことはない」
「じゃぁこれはどうかな?」
学園長は手元からスマホを取り出して音声アプリを開いた。
『・・・・・・あの人亡くなったわ。これからどうする?』
『喘息かなんだかしらねーけど、たかが生徒一人亡くなっただけで騒ぎすぎなんだよ。せっかくの飯が不味くなる。なぁ、倫子、保健室の先生探すフリして逃げたのは正解だったな』
『そうね。責任がここにきたら困るから、警備員とあの生徒二人に押し付けましょ。適当に理由つけて、学校に来れない形にすればいいのよ。あの警備員学園長派だから追い払うのに丁度良かったわ』
『だいたい、志村だっけ? ガキの癖に俺に刃向かうなんておかしいんじゃねーの。学校で騒ぎ過ぎなんだよ。今どきの奴は根性ねーなー。俺、くたばった奴の両親に怒られたくないんだけど』
「こ、こんなの、嘘よ!! わ、私、言ってない!」
「合成よね?」
「てめぇー、なんのつもりだ!!」
俊治は机をドンドン叩く。
「田丸先生、学園長の前です。言葉を慎みなさい」
「うるせー、このもやしの癖に!! お前らが消えれば、この学校支配できるのに!」
「こんな老害学園長なんか誰も望んでないわ。これからは佐久間倫子の時代なのよ。とっととご隠居されたらどうです? 私は若い人にこの学校に携わってもらいたいだけです」
倫子は強く言い切ってる割にはひどく狼狽していた。
顕信、学園長、そして加奈子から色々と証拠を見せられる。
よろず屋ななつ星が送ったもの、掲示板に書かれたもの、そして二人のSNSのアカウントなどなど・・・・・・。
しかし二人は未だに不倫及び神原千夏の件を求める気がない。
「お前らこんなに紙クズ見せて俺に勝ったつもりか?」
「ええ、これほど沢山出てきてますから。あなた随分と人の人生を潰してきたみたいですねー。面の皮が厚いというか・・・・・・」
顕信はよろずやななつ星が送った書類を見せる。
――田丸健史は中学の時、癇癪を起こし同級生を
突き落とし死亡させた。
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