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4章
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「これから突撃班に佐久間校長と田丸の住所送るわ」
もう二人の住所はあらかたわかっている。
あとは関係者に届いたらいい。
SNS上の過去の投稿や関係者のコメントなどで、おおよその見当がついた。
佐久間校長と田丸は男女の仲であることは確実だ。
頻繁に二人で出かけていること、妙に距離が近いこと、レストランのガラスが反射して二人がソファーのような席で並んで座ってた。
手を絡めたり、田丸が佐久間の下半身を触ってる姿など。
単語親密な関係でないとしないものである。
「二人の家族と藤ノ宮女子高校に証拠送り付けたから、これから揉めるだろうねー」
すいせんは佐久間校長と田丸の家族が揉める姿を想像して、心躍らせる。
「確実にもめるね。生徒一人見捨てて二人で呑気にレストランに行ったからねぇー。しかも双方既婚者で男女の仲になっちゃってるからそれがバレるのも嫌なんでしょ」
そのためなら、生徒や教師、警備員の人生を変えるのも厭わない。
自分達の行いが表面化しないように。口止めするかのように。
そんな大人の事情や忖度で、人の人生を台無しにするなら、今度は二人の人生を潰す。
神原千夏の両親がよろず屋ななつ星に真相解明を望んでやってきた。
それにこたえるのがよろず屋ななつ星だ。
「なんかすずらんさん落ち着かないっすねー」
すずらんは体をそわそわさせながらパソコンの画面を見ていた。
――すずらんの気持ちは分かる。でも、この仕事は身バレが命取りなの。
よろず屋ななつ星は表向きは何でも屋さんである。
皆、仕事上偽名を使っている。
特定の仕事のときはすずらんの名前、人に会っての仕事だと案件毎に名前を変えている。
“身バレダメ、絶対”が鉄の掟だから。
すずらんは大屋の話に納得し今回諦めた。
さあこれからどう修羅場がはじまるのか?
田丸と佐久間校長のリアクションはどんなのか?
喚くのだろうか? それとも開き直るのだろうか?反省するのだろうか?
今までこういう修羅場は沢山みてきた。色々なリアクションが見えた。
涙ながら訴える人、反省する人。
以前浮気した女性が「自分は悪くない。女性は誰でも慰謝料が貰える」と主張してるのを見て、ドラマの世界じゃなくて、本当にこんな人いるんだーと感動した。
すずらんは突撃班が行くのを見計らって、匿名ブログと掲示板を開く。
藤ノ宮女子高校の概要と関係者の個人情報、SNSの投稿など。
掲示板は”よろずやななつ星”専用のもので、一部の人間しか見れない。
これを元に突撃班達がSNSや動画サイト、他の掲示板などに拡散されていく。
「すずらんさんめっちゃ悪い顔してるっすよ」
「そりゃ、そうよ。これからが楽しいもの」
”鉄の掟”を守るためにそこは自重しなきゃと堪えるが、これからどうなるかと思うと心躍る。
性格が悪いと言われればそれまでだが、元々がそうだし、これからも直すつもりは一切ない。
「そういえば、警備員の男性が学園長派がどうのこうのって言ってましたねー」
唐突に思い出したみみずく。
「警備員? あの辞めさせられた人?」
「多分そうだと思います。学園長派がどうのこうのって。なんか派閥でもあるんですかね?」
「かもね。警備員の名前って分かる?」
「確か、藤ノ宮女子高校の掲示板に名前が載ってました」
すずらんは藤ノ宮女子高校のスレが載っている掲示板を開く。
「石綿○夫・・・・・・学園長派だから解雇された的な内容が書いてます」
「待って、この名前!」
すずらんは思い出したかのように、藤ノ宮女子高校のホームページを開く。
すいせんとみみずくが怪訝そうに画面を見る。
必死にホームページをスクロールしていく。
人事異動のお知らせの欄だ。
日付は二年前の四月だ。
PDF化されてるのを開く。
宝物を見つけた子供のような目つきになるすずらん。
ビジネスマナーに則って名前が数人載っている。
「あー、掲示板の伏せ字に近い名前――石綿敏夫の名前かしら。警備員になってる。定年だからかな」
警備員というのは基本的に立場が弱い。
万引きや暴力してるのを見つけて現行犯逮捕できるが、すぐ警察に引き渡さないといけない。
美味しい所は全部警察や消防とかに取られる。
やり返さないことや立場が弱いのを理由に、お客様や通りすがりの人から、見下されるのは序の口、理不尽な要求や暴言、ひどいときはぞんざいな扱いをされることも少なくない。
しかし、元常駐先の勤務者とか偉い人で、定年後に勤めていた会社の警備員になり、上層部に話が伝わるケースがある。
強いて言うなら警備員によってお客や社員の動向をチクられるといえばいいだろうか。
石綿敏夫もその一人。
彼は元々藤ノ宮女子高校の数学教師で、教頭までのぼりつめた人である。
また学園長の柴田学とは幼なじみである。
柴田と佐久間倫子は対立している――つまり自分と敵対している派閥の人間を辞めさせるのに、神原千夏の件で過失があるように持っていき、追い出すことができる。彼女にとって絶好のチャンスだ。
学校の関係者をイエスマンで固めたい佐久間にとってはラッキーだろう。
佐久間としては学園長を辞めさせたいだろう。
自分がトップになって思い通りにさせたいのだから。
「あー、この方元々教頭だったんですね」
「石綿と学園長が仲がいいって掲示板に書いてました。石綿が学園長に自分たちの過失をチクられるのが嫌だから罪をなすりつけたということですね。志村真凛も和田紬もしかり」
「石綿が学園長に相談してるんじゃないですか?」
「可能性あるわ」
石綿はあくまでも警備員として職務を全うしただけである。
「まぁ、こんなに人辞めさせて、代わりは来てるの?」
呆れたように口をひらくすいせん。
藤ノ宮女子高校のホームページを見たら、募集をかけているみたいだ。
事務や清掃に数学や国語など、まー、募集の要項が多い。
これも佐久間が気に入らない人を辞めさせた結果なんだろう。
「あっ、見てください。これ」
トップページを指差すすいせん。
お知らせの欄には学園長からのメッセージがある。
「学園長からのメッセージ?」
メッセージがPDF化されているので開く。
「まー、そうなるわね……」
三人は同情するように頷く。
題名に『本校生徒の件について』と載せられている。
保護者各位 四月二十二日
藤ノ宮女子高校 学園長 柴田学
臨時休校のお知らせ
保護者の皆様におかれましては益々のご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素より学校教育活動にご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます
さて、表題の件ですが、四月十五日に亡くなられた本校生徒の件で業務に支障きたしておりますので、しばらく全生徒休校といたします。
SNSに本校生徒の件の関係者と思われる投稿が見つかり、本人に確認し、真相解明してほしいと訴えがありました。
つきましては、本校生徒の件を再調査し、再発防止に尽力しますのでどうかお時間を頂けないでしょうか。
保護者の皆様、生徒の皆様にはご理解ご協力をお願いします。
終わり次第保護者会で報告する所存でございます。
最後になりましたが、亡くなられた生徒にご冥福を申し上げます。
「これ、まさか学園長知らなかったパターン?!」
「いやいやそんなばかな……!」
「さすがにないでしょ……。あー、佐久間なら有り得そう。都合の悪いことを一切言わないパターン」
三人は画面の前で声を上げた。
「佐久間は学園長に虚偽の報告してたりして。なんも関係ありません的な」
「これ下手すると学園長に火の粉くるよ、いや来てるかも」
「初動があれだもん。学校側に不信感持ってる人いっぱいいそうだし」
念のためにすずらんは学園長のコメントや石綿の人事異動など魚拓とスクリーンショットする。
「あー、もう疲れたー。今何時?」
時計を見ると十五時だ。
「もう暑くてー」
ずっとモニターの前にいたから暑い。
初夏とはいえ暑い。
「一旦休憩しましょ。今日中に追い詰めるわよ」
すずらんの一声ですいせんとみみずくははいと元気よく返事した。
もう二人の住所はあらかたわかっている。
あとは関係者に届いたらいい。
SNS上の過去の投稿や関係者のコメントなどで、おおよその見当がついた。
佐久間校長と田丸は男女の仲であることは確実だ。
頻繁に二人で出かけていること、妙に距離が近いこと、レストランのガラスが反射して二人がソファーのような席で並んで座ってた。
手を絡めたり、田丸が佐久間の下半身を触ってる姿など。
単語親密な関係でないとしないものである。
「二人の家族と藤ノ宮女子高校に証拠送り付けたから、これから揉めるだろうねー」
すいせんは佐久間校長と田丸の家族が揉める姿を想像して、心躍らせる。
「確実にもめるね。生徒一人見捨てて二人で呑気にレストランに行ったからねぇー。しかも双方既婚者で男女の仲になっちゃってるからそれがバレるのも嫌なんでしょ」
そのためなら、生徒や教師、警備員の人生を変えるのも厭わない。
自分達の行いが表面化しないように。口止めするかのように。
そんな大人の事情や忖度で、人の人生を台無しにするなら、今度は二人の人生を潰す。
神原千夏の両親がよろず屋ななつ星に真相解明を望んでやってきた。
それにこたえるのがよろず屋ななつ星だ。
「なんかすずらんさん落ち着かないっすねー」
すずらんは体をそわそわさせながらパソコンの画面を見ていた。
――すずらんの気持ちは分かる。でも、この仕事は身バレが命取りなの。
よろず屋ななつ星は表向きは何でも屋さんである。
皆、仕事上偽名を使っている。
特定の仕事のときはすずらんの名前、人に会っての仕事だと案件毎に名前を変えている。
“身バレダメ、絶対”が鉄の掟だから。
すずらんは大屋の話に納得し今回諦めた。
さあこれからどう修羅場がはじまるのか?
田丸と佐久間校長のリアクションはどんなのか?
喚くのだろうか? それとも開き直るのだろうか?反省するのだろうか?
今までこういう修羅場は沢山みてきた。色々なリアクションが見えた。
涙ながら訴える人、反省する人。
以前浮気した女性が「自分は悪くない。女性は誰でも慰謝料が貰える」と主張してるのを見て、ドラマの世界じゃなくて、本当にこんな人いるんだーと感動した。
すずらんは突撃班が行くのを見計らって、匿名ブログと掲示板を開く。
藤ノ宮女子高校の概要と関係者の個人情報、SNSの投稿など。
掲示板は”よろずやななつ星”専用のもので、一部の人間しか見れない。
これを元に突撃班達がSNSや動画サイト、他の掲示板などに拡散されていく。
「すずらんさんめっちゃ悪い顔してるっすよ」
「そりゃ、そうよ。これからが楽しいもの」
”鉄の掟”を守るためにそこは自重しなきゃと堪えるが、これからどうなるかと思うと心躍る。
性格が悪いと言われればそれまでだが、元々がそうだし、これからも直すつもりは一切ない。
「そういえば、警備員の男性が学園長派がどうのこうのって言ってましたねー」
唐突に思い出したみみずく。
「警備員? あの辞めさせられた人?」
「多分そうだと思います。学園長派がどうのこうのって。なんか派閥でもあるんですかね?」
「かもね。警備員の名前って分かる?」
「確か、藤ノ宮女子高校の掲示板に名前が載ってました」
すずらんは藤ノ宮女子高校のスレが載っている掲示板を開く。
「石綿○夫・・・・・・学園長派だから解雇された的な内容が書いてます」
「待って、この名前!」
すずらんは思い出したかのように、藤ノ宮女子高校のホームページを開く。
すいせんとみみずくが怪訝そうに画面を見る。
必死にホームページをスクロールしていく。
人事異動のお知らせの欄だ。
日付は二年前の四月だ。
PDF化されてるのを開く。
宝物を見つけた子供のような目つきになるすずらん。
ビジネスマナーに則って名前が数人載っている。
「あー、掲示板の伏せ字に近い名前――石綿敏夫の名前かしら。警備員になってる。定年だからかな」
警備員というのは基本的に立場が弱い。
万引きや暴力してるのを見つけて現行犯逮捕できるが、すぐ警察に引き渡さないといけない。
美味しい所は全部警察や消防とかに取られる。
やり返さないことや立場が弱いのを理由に、お客様や通りすがりの人から、見下されるのは序の口、理不尽な要求や暴言、ひどいときはぞんざいな扱いをされることも少なくない。
しかし、元常駐先の勤務者とか偉い人で、定年後に勤めていた会社の警備員になり、上層部に話が伝わるケースがある。
強いて言うなら警備員によってお客や社員の動向をチクられるといえばいいだろうか。
石綿敏夫もその一人。
彼は元々藤ノ宮女子高校の数学教師で、教頭までのぼりつめた人である。
また学園長の柴田学とは幼なじみである。
柴田と佐久間倫子は対立している――つまり自分と敵対している派閥の人間を辞めさせるのに、神原千夏の件で過失があるように持っていき、追い出すことができる。彼女にとって絶好のチャンスだ。
学校の関係者をイエスマンで固めたい佐久間にとってはラッキーだろう。
佐久間としては学園長を辞めさせたいだろう。
自分がトップになって思い通りにさせたいのだから。
「あー、この方元々教頭だったんですね」
「石綿と学園長が仲がいいって掲示板に書いてました。石綿が学園長に自分たちの過失をチクられるのが嫌だから罪をなすりつけたということですね。志村真凛も和田紬もしかり」
「石綿が学園長に相談してるんじゃないですか?」
「可能性あるわ」
石綿はあくまでも警備員として職務を全うしただけである。
「まぁ、こんなに人辞めさせて、代わりは来てるの?」
呆れたように口をひらくすいせん。
藤ノ宮女子高校のホームページを見たら、募集をかけているみたいだ。
事務や清掃に数学や国語など、まー、募集の要項が多い。
これも佐久間が気に入らない人を辞めさせた結果なんだろう。
「あっ、見てください。これ」
トップページを指差すすいせん。
お知らせの欄には学園長からのメッセージがある。
「学園長からのメッセージ?」
メッセージがPDF化されているので開く。
「まー、そうなるわね……」
三人は同情するように頷く。
題名に『本校生徒の件について』と載せられている。
保護者各位 四月二十二日
藤ノ宮女子高校 学園長 柴田学
臨時休校のお知らせ
保護者の皆様におかれましては益々のご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素より学校教育活動にご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます
さて、表題の件ですが、四月十五日に亡くなられた本校生徒の件で業務に支障きたしておりますので、しばらく全生徒休校といたします。
SNSに本校生徒の件の関係者と思われる投稿が見つかり、本人に確認し、真相解明してほしいと訴えがありました。
つきましては、本校生徒の件を再調査し、再発防止に尽力しますのでどうかお時間を頂けないでしょうか。
保護者の皆様、生徒の皆様にはご理解ご協力をお願いします。
終わり次第保護者会で報告する所存でございます。
最後になりましたが、亡くなられた生徒にご冥福を申し上げます。
「これ、まさか学園長知らなかったパターン?!」
「いやいやそんなばかな……!」
「さすがにないでしょ……。あー、佐久間なら有り得そう。都合の悪いことを一切言わないパターン」
三人は画面の前で声を上げた。
「佐久間は学園長に虚偽の報告してたりして。なんも関係ありません的な」
「これ下手すると学園長に火の粉くるよ、いや来てるかも」
「初動があれだもん。学校側に不信感持ってる人いっぱいいそうだし」
念のためにすずらんは学園長のコメントや石綿の人事異動など魚拓とスクリーンショットする。
「あー、もう疲れたー。今何時?」
時計を見ると十五時だ。
「もう暑くてー」
ずっとモニターの前にいたから暑い。
初夏とはいえ暑い。
「一旦休憩しましょ。今日中に追い詰めるわよ」
すずらんの一声ですいせんとみみずくははいと元気よく返事した。
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