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3章
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みみずくの話がキーポイントになりそう。
例の写真を見せる。
「あー、この女性いました。あと男性もいたね。俺少し席離れたとこから見てましたけど。男性が青のジャージ着てたから覚えてます。超態度悪かったですよー」
「えーっ? ジャージ着てここにきたの?」
こうなるとみみずくより服装のセンスが絶望的だ。
仮にもこんなおしゃれそうな場所で、まして教師がこんなのだと、服装指導しても説得力ない。
「この赤ジャージのおっさん、店員に偉そうだし、人が一人死んでごちゃごちゃうるせーって。藤ノ宮の亡くなった生徒さんのことですよね? 女の人もそれに同調してたし」
話の内容が気になって食事どころではなかったという。
「あっ、そうだ。お役に立てるか分からないですが、アプリで録音したんです」
「おおっ、さすが! ぐっじょぶ!」
すいせんがパンパンみみずくの肩を叩く。
録音した内容はまぁ酷かった。
「・・・・・・これ、神原千夏が亡くなった直後にここに来てるってことよね? あったまおかしいんじゃない?」
すいせんがパソコンの画面を指さす。
佐久間倫子のSNSだ。
あのカルパッチョが投稿された日は四月十四日。
時間は夜の二十一時。多分家に帰った時に投稿したのだろう。
しかも向かい側に人がわざと見えるように写してる。
他の投稿も似たような感じだった。
大抵男性の手が写ってた。
いわゆる”匂わせ”というものだ。
恋人がいるように遠回しにアピールするもので「わたくし、あなた達と違って充実してますの」とマウントの一種である。
おしゃれなレストランを背景に自分が食べた料理を写真にしてるがさり気なく男性が写っている姿。
男性はだいたい顔出しNGパターン。
高価なプレゼントを沢山もらった自慢。
これが原因で芸能人の交際バレ、炎上からの好感度が下がるコースや浮気がバレて修羅場になったり・・・・・・トラブルの引き金になる。
それをいつまでも引き合いにされるのである。
一度ついたイメージというのは入れ墨のように消えない。
その匂わせでよろず屋ななつ星も人間関係を沢山特定してきた。
――佐久間と田丸は男女の関係だ。
田丸は家族がいたはず。
『妻と娘が卓球なう』
『部屋広い! 息子が喜んでた! けど館内着は嫌みたい』
『ビール最高!』
去年の八月のお盆休みシーズンの頃だろう。
三枚投稿されてた。
一枚目の写真――卓球をしている様子。
大広間の一室に卓球台が用意されている。
二人の女性が対戦を楽しんでいる様子だった。
監督が大広間の入り口で撮影したのだろう。
二枚目の写真――部屋で妻と娘が窓から外を覗いている様子だろう。
窓には電車が走っているのがかすかに見える。
三枚目の写真――息子が部屋の中ではしゃいでいる様子だ。
一人だけ青のジャージ姿だ。
三人とも顔をスタンプで隠しているが、くっきりとした目と丸い顔立ち。化粧が濃い。少し金色がかかったショートカット。背丈は百六十後半だろう。四十代ぐらい。妻だろう。娘も似たような見た目だが、少し妻より背が低い。多分中学生から高校生だろう。
妻と思われる女性は明らかに佐久間と違うタイプだ。
息子は父親に似て体格がよく、背もかなりある。
自宅の庭でバーベキューをしました!
これは去年の夏だろうか。
自宅の庭でバーベキューできるスペースがあるということはそれなりに大きい家なんだろう。
『今日新年会をしました!』
誰かの家のリビングで撮影されたものだろう。
――リビングの窓からフエンスが見えた。
フエンスの高さがそれなりにあり緑色のネットがかかっている。
だとするとゴルフの打ちっぱなしをする所か野球の練習をする所だろうか。
田丸のSNSは特定できそうな要素が満載だ。
「みみずく、すいせん、田丸が投稿したの特定よろ」
「あいよー」
すずらんは二人が画像解析している間に大屋に「そろそろ田丸の家が分かりそう」と報告する。
すぐに返信が来てわかったと。
「場所分かりましたよー。まずバーベキューの写真」
だいたいこの辺りと地図とSNSに投稿された写真を綺麗に編集した画像をみせてくれた。
南町駅から西に3キロ離れた所のようだ。
すいせん曰く『南町二丁目2-3』とのこと。
編集した写真を拡大すると、駐輪場の横の自転車に特定する要素が載っていた。
まず、自転車はピンクのママチャリだ。
後輪に付けられているシールに注目する。
赤い枠に囲まれたシールは七月と貼られている。
――この家に中学生から大学生の子どもが確実に一人いる。
あの赤い枠のシールは学生用定期だからだ。
すずらんは自転車のメーカーとモデルを検索する。
あれは今年の三月に出たばかりのタイプ。
シールも新しいので入学したてなのだろう。
地図アプリですいせんが特定した住所をもとに検索すると――あのSNSに掲載された外観の家がヒットした。
周りは閑静な住宅街のようだ。
「あっ、このワンボックスカー見覚えあります! この間まんてんに行った時に駐車場に停まってました! 俺、記憶力は自信あります! ナンバーも覚えてますよ。『い 28-41』」
ドヤ顔で言うみみずく。
「その記憶力をファッションセンスにも活かしなさいよ」
「無駄口叩かずさっさと特定して」
「はい・・・・・・」
すずらんの真剣モードに大人しく従うすいせん。
田丸のSNSには娘がいると書いてあるので確実だ。
歳は分からない。
「多分田丸の娘は高校生よ。これ」
すいせんは自転車の写真を拡大して、もう一つシールが貼ってあることを教えてくれた。
エンブレムだろうか。
赤の六角形で二南高のマーク。
すずらんは南高と調べると公立の二つ星南高校が出てきた。
田丸の家から自転車で十五分のとこである。
高校を調べると偏差値はまあまあ。
「で、この電車は南北線で二つ星町行きだね。あの車両についてる青色が目印だよ。車両ナンバーは・・・・・・」
これだけで分かるみみずくにすずらんは舌を巻く。
すずらんはネットの検索ワードで『しらさぎの湯 南北線』と入れる。
住所はもちろん、周辺の写真が監督のSNSと一致してた。
公式ホームページを開くと該当する館内の様子。
――しらさぎの湯 二つ星南店。
――ビンゴだわ。
すずらんは画面の前で口角を上げてニンマリと笑う。
「すずらんさん、まだニンマリするの早いですよ。こちら見てください」
すいせんは田丸が部屋でくつろいでいる写真と新年会の写真を加工したのをすずらんとみみずくに見せる。
まず、新年会の写真だ。
「これはご丁寧に住所が出てたわ。二つ星町3丁目の4。地図アプリで検索するとね……」
すいせんが地図アプリで検索すると、そこは住宅街。
ひときわ目立つ重厚な造りの門扉に瓦屋根。一戸建てで昔ながらの建物のようだ。
すいせんが画像拡大すると「佐久間」の名字が。
「これ、佐久間校長の家ね。うわぁー、さすが権力のある人の家は違うねー」
庭もかなり広そうで、縁側もある。
外観から見て、かなり古いお家なのだろう。
「そういえば、藤ノ宮は佐久間家で固めてるよね。あの校長も跡継ぎかなんかだったのかも」
学校の歴代トップを思い出す。
佐久間校長で十代目。九代目を除いて、あとは佐久間の名字がついている。
「あの校長は前確か他所の学校の校長してたわ。松ノ宮学園の」
松ノ宮学園は藤ノ宮の系列の学校でこちらは共学である。
「この藤ノ宮も松ノ宮も『学校法人 佐久間』ですもんねー。他も色々やってるそうですね」
すいせんとみみずくの話に頷きながら、弱みが握れそうな要素はないか考える。
他には障害者施設や保育園の運営もやってるそうだ。
「田丸は校長の家で新年会したって訳ね。これは確定」
「あと、田丸がしらさぎでくつろいでいる写真のやつ。家族の顔分かりましたよ」
「おおっ! さすがすいせん!」
卓球をしている写真は娘と妻のである。
二人共顔立ちが似ているが、妻の方はくすみが少し見える。
娘はまだ幼さが残っているが、凛々しい顔つきだ。
息子は一体いくつなんだというぐらい童顔で、ヘラヘラしたような顔つき。
それで一人だけ場にそぐわない格好をしてるのか。
「すずらんさん、どうしました?」
田丸の息子の顔を見たすずらんは、顔が強張っていた。
怒りと悲しみと憎しみと様々な感情が自分の中に入り混じる。
それは言葉で言い表せないぐらい。
感情を今ここで出さないように堪える。
そうじゃないと、そうじゃないと、強くなれない。
"冷静沈着のすずらん"でいなければ。
"過去の私"はもう死んだのよ。
今ここで出したらダメ。堪えて。
私は、私は――。
例の写真を見せる。
「あー、この女性いました。あと男性もいたね。俺少し席離れたとこから見てましたけど。男性が青のジャージ着てたから覚えてます。超態度悪かったですよー」
「えーっ? ジャージ着てここにきたの?」
こうなるとみみずくより服装のセンスが絶望的だ。
仮にもこんなおしゃれそうな場所で、まして教師がこんなのだと、服装指導しても説得力ない。
「この赤ジャージのおっさん、店員に偉そうだし、人が一人死んでごちゃごちゃうるせーって。藤ノ宮の亡くなった生徒さんのことですよね? 女の人もそれに同調してたし」
話の内容が気になって食事どころではなかったという。
「あっ、そうだ。お役に立てるか分からないですが、アプリで録音したんです」
「おおっ、さすが! ぐっじょぶ!」
すいせんがパンパンみみずくの肩を叩く。
録音した内容はまぁ酷かった。
「・・・・・・これ、神原千夏が亡くなった直後にここに来てるってことよね? あったまおかしいんじゃない?」
すいせんがパソコンの画面を指さす。
佐久間倫子のSNSだ。
あのカルパッチョが投稿された日は四月十四日。
時間は夜の二十一時。多分家に帰った時に投稿したのだろう。
しかも向かい側に人がわざと見えるように写してる。
他の投稿も似たような感じだった。
大抵男性の手が写ってた。
いわゆる”匂わせ”というものだ。
恋人がいるように遠回しにアピールするもので「わたくし、あなた達と違って充実してますの」とマウントの一種である。
おしゃれなレストランを背景に自分が食べた料理を写真にしてるがさり気なく男性が写っている姿。
男性はだいたい顔出しNGパターン。
高価なプレゼントを沢山もらった自慢。
これが原因で芸能人の交際バレ、炎上からの好感度が下がるコースや浮気がバレて修羅場になったり・・・・・・トラブルの引き金になる。
それをいつまでも引き合いにされるのである。
一度ついたイメージというのは入れ墨のように消えない。
その匂わせでよろず屋ななつ星も人間関係を沢山特定してきた。
――佐久間と田丸は男女の関係だ。
田丸は家族がいたはず。
『妻と娘が卓球なう』
『部屋広い! 息子が喜んでた! けど館内着は嫌みたい』
『ビール最高!』
去年の八月のお盆休みシーズンの頃だろう。
三枚投稿されてた。
一枚目の写真――卓球をしている様子。
大広間の一室に卓球台が用意されている。
二人の女性が対戦を楽しんでいる様子だった。
監督が大広間の入り口で撮影したのだろう。
二枚目の写真――部屋で妻と娘が窓から外を覗いている様子だろう。
窓には電車が走っているのがかすかに見える。
三枚目の写真――息子が部屋の中ではしゃいでいる様子だ。
一人だけ青のジャージ姿だ。
三人とも顔をスタンプで隠しているが、くっきりとした目と丸い顔立ち。化粧が濃い。少し金色がかかったショートカット。背丈は百六十後半だろう。四十代ぐらい。妻だろう。娘も似たような見た目だが、少し妻より背が低い。多分中学生から高校生だろう。
妻と思われる女性は明らかに佐久間と違うタイプだ。
息子は父親に似て体格がよく、背もかなりある。
自宅の庭でバーベキューをしました!
これは去年の夏だろうか。
自宅の庭でバーベキューできるスペースがあるということはそれなりに大きい家なんだろう。
『今日新年会をしました!』
誰かの家のリビングで撮影されたものだろう。
――リビングの窓からフエンスが見えた。
フエンスの高さがそれなりにあり緑色のネットがかかっている。
だとするとゴルフの打ちっぱなしをする所か野球の練習をする所だろうか。
田丸のSNSは特定できそうな要素が満載だ。
「みみずく、すいせん、田丸が投稿したの特定よろ」
「あいよー」
すずらんは二人が画像解析している間に大屋に「そろそろ田丸の家が分かりそう」と報告する。
すぐに返信が来てわかったと。
「場所分かりましたよー。まずバーベキューの写真」
だいたいこの辺りと地図とSNSに投稿された写真を綺麗に編集した画像をみせてくれた。
南町駅から西に3キロ離れた所のようだ。
すいせん曰く『南町二丁目2-3』とのこと。
編集した写真を拡大すると、駐輪場の横の自転車に特定する要素が載っていた。
まず、自転車はピンクのママチャリだ。
後輪に付けられているシールに注目する。
赤い枠に囲まれたシールは七月と貼られている。
――この家に中学生から大学生の子どもが確実に一人いる。
あの赤い枠のシールは学生用定期だからだ。
すずらんは自転車のメーカーとモデルを検索する。
あれは今年の三月に出たばかりのタイプ。
シールも新しいので入学したてなのだろう。
地図アプリですいせんが特定した住所をもとに検索すると――あのSNSに掲載された外観の家がヒットした。
周りは閑静な住宅街のようだ。
「あっ、このワンボックスカー見覚えあります! この間まんてんに行った時に駐車場に停まってました! 俺、記憶力は自信あります! ナンバーも覚えてますよ。『い 28-41』」
ドヤ顔で言うみみずく。
「その記憶力をファッションセンスにも活かしなさいよ」
「無駄口叩かずさっさと特定して」
「はい・・・・・・」
すずらんの真剣モードに大人しく従うすいせん。
田丸のSNSには娘がいると書いてあるので確実だ。
歳は分からない。
「多分田丸の娘は高校生よ。これ」
すいせんは自転車の写真を拡大して、もう一つシールが貼ってあることを教えてくれた。
エンブレムだろうか。
赤の六角形で二南高のマーク。
すずらんは南高と調べると公立の二つ星南高校が出てきた。
田丸の家から自転車で十五分のとこである。
高校を調べると偏差値はまあまあ。
「で、この電車は南北線で二つ星町行きだね。あの車両についてる青色が目印だよ。車両ナンバーは・・・・・・」
これだけで分かるみみずくにすずらんは舌を巻く。
すずらんはネットの検索ワードで『しらさぎの湯 南北線』と入れる。
住所はもちろん、周辺の写真が監督のSNSと一致してた。
公式ホームページを開くと該当する館内の様子。
――しらさぎの湯 二つ星南店。
――ビンゴだわ。
すずらんは画面の前で口角を上げてニンマリと笑う。
「すずらんさん、まだニンマリするの早いですよ。こちら見てください」
すいせんは田丸が部屋でくつろいでいる写真と新年会の写真を加工したのをすずらんとみみずくに見せる。
まず、新年会の写真だ。
「これはご丁寧に住所が出てたわ。二つ星町3丁目の4。地図アプリで検索するとね……」
すいせんが地図アプリで検索すると、そこは住宅街。
ひときわ目立つ重厚な造りの門扉に瓦屋根。一戸建てで昔ながらの建物のようだ。
すいせんが画像拡大すると「佐久間」の名字が。
「これ、佐久間校長の家ね。うわぁー、さすが権力のある人の家は違うねー」
庭もかなり広そうで、縁側もある。
外観から見て、かなり古いお家なのだろう。
「そういえば、藤ノ宮は佐久間家で固めてるよね。あの校長も跡継ぎかなんかだったのかも」
学校の歴代トップを思い出す。
佐久間校長で十代目。九代目を除いて、あとは佐久間の名字がついている。
「あの校長は前確か他所の学校の校長してたわ。松ノ宮学園の」
松ノ宮学園は藤ノ宮の系列の学校でこちらは共学である。
「この藤ノ宮も松ノ宮も『学校法人 佐久間』ですもんねー。他も色々やってるそうですね」
すいせんとみみずくの話に頷きながら、弱みが握れそうな要素はないか考える。
他には障害者施設や保育園の運営もやってるそうだ。
「田丸は校長の家で新年会したって訳ね。これは確定」
「あと、田丸がしらさぎでくつろいでいる写真のやつ。家族の顔分かりましたよ」
「おおっ! さすがすいせん!」
卓球をしている写真は娘と妻のである。
二人共顔立ちが似ているが、妻の方はくすみが少し見える。
娘はまだ幼さが残っているが、凛々しい顔つきだ。
息子は一体いくつなんだというぐらい童顔で、ヘラヘラしたような顔つき。
それで一人だけ場にそぐわない格好をしてるのか。
「すずらんさん、どうしました?」
田丸の息子の顔を見たすずらんは、顔が強張っていた。
怒りと悲しみと憎しみと様々な感情が自分の中に入り混じる。
それは言葉で言い表せないぐらい。
感情を今ここで出さないように堪える。
そうじゃないと、そうじゃないと、強くなれない。
"冷静沈着のすずらん"でいなければ。
"過去の私"はもう死んだのよ。
今ここで出したらダメ。堪えて。
私は、私は――。
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