13 / 35
13話
しおりを挟む
「おおー……」
まずやってきたのはサバやアジ等の光り物の寿司が8巻。
「いつも見る光り物よりも強く光っているように見えるな」
「脂がしっかりとのっているってことだよね」
「ああ」
もしかすると個室に付いている光の反射のせいかもしれないが、そんな野暮なことは考えないようにしよう。
「とりあえず写真を撮るか」
俺はポケットからスマホを取り出し、ありとあらゆる角度から寿司を撮影する。
別にキャラに寿司を食べさせるタイミングなんて無いし、こんな高級料理店に行かせる予定も無いが、こんなもの撮影するに決まっている。
カメラロールがどんどん高級な寿司で埋まっていく。素晴らしい……
「剛くん?食べないと次が来るよ?」
「ああ、そうだな。申し訳ない」
ついつい時を忘れていた。カメラから視線を戻すと、皆食べずに待ってくれていた。
「じゃあ食べようか。いただきます」
「「「いただきます」」」
俺は写真撮影用のスマホを机に置き、寿司に手を付ける。
「これは……!」
口に入れた瞬間にシャリとネタが溶けるように広がった。
しかし完全に食感を放棄したわけではなく、丁度良い噛み応えも維持している。
表面だけが溶けて内側が残ったのだろうか。俺にはよく分からない。
ただ最高に美味いことだけが分かる。
「こんなの初めて食べました……」
「一流の味は凄いね。お金持ちは日々こんなものを食べているんだ」
「うん、素晴らしいね」
寿司に感動したのは俺だけではなく、全員がそれぞれ舌鼓を打っていた。
「取材なんてどうでも良いな。食べる邪魔にしかならん」
一応余裕が出来たら恋人っぽいイベントでもやってみようかとか考えていたが、そんな変なことをして味に集中できなくなるのが勿体なさすぎる。
俺はそう考えスマホをポケットの中に放り込んだ。
それから俺たちは出てくる寿司一つ一つに衝撃を受けて自分の世界に入ってしまうせいで会話が碌に成立していなかったが、確実に素晴らしい時間だったと断言できる。
会計を済ませ、店から出た俺たちは帰りの駅へ向かう道中、感想を言い合っていた。
「しばらく普通の寿司屋には行けませんね……」
「うん、下手したら刺身すら食べられないかも」
「機会があればまた100回位行きたいものだな」
「じゃあお互いもっと人気にならないとね」
「ああ、そう……」
確かに今の稼ぎでは100回なんて行けるはずがな——
いや、行けるな。
確か前通帳の金を確認した時の残高は500万くらいあった気がする。
4人でも余裕で100回、1人なら500回は軽く行けるじゃないか。
「剛くん、やめようか?」
「なんのことだ?」
「絶対通帳の金全部使えば行けるとか考えてたでしょ。駄目だからね?」
幸村、どうして考えていることが分かった。
「別にそんな事考えてないぞ。大学進学とか漫画用の道具で定期的に費用がかかるからな」
「それなら良いけど」
「ああ……」
幸村の監視が強くなったからバレないように一人で行くのも無理そうだな。やってしまったな……
「流石に頻繁に行くのは問題ですけど、半年に1回とか3か月に1回とかなら良いんじゃないですか?その位なら皆働いているので金銭的にも問題ないと思いますし」
「そうだな!そうしよう!」
俺はそう言いながら幸村の方を見る。
「……まあ、それなら良いんじゃない」
ナイス雨宮!流石だ!
俺は心の中で雨宮に感謝の舞を踊った。
本当に雨宮をアシスタントにして良かった。
その後駅に着いた俺たちは同じ電車にのってそれぞれの自宅へ帰った。
それから数日後、朝学校に登校すると、
「あれって椎名さんだよね?」
と幸村に聞かれた。
「ああ、誰がどう見ても椎名美琴じゃないか」
何を言っているんだこいつ。まさか視力が一気に落ちたか?それだと困るんだが。
「でもさ、なんか様子が変じゃない?いつもは優しいイケメンって感じなんだけど、今の椎名さんは佇まいとか着崩し方とかが不良っぽいし」
今日の美琴はいつもと変わらずイケメンだが、制服を着崩していたり、椅子にがに股で座っていたりと様子が異なる。
「多分次演じるキャラが不良系イケメンなんだろ。そろそろ次の劇の練習が始まるタイミングだしな」
「もうそんな時期になったんだね。そしてイケメンってのは固定なんだ」
「当然だろ。何をやっても美琴はイケメンだ。ほら、窓から外を見ている今の横顔とか最高にカッコいいだろ」
「相変わらず美琴の事好きだね。まあそんな事はどうでも良くて、あのままじゃ皆が委縮しちゃうよ?」
どうでも良くないだろ!と言い返したかったが、確かに今の美琴を放置するのは少々問題だ。
突然見た目の雰囲気が変わるのは美琴あるあるだから受け入れてくれるが、あくまで王子や優等生という好ましいものだったからだ。
流石に不良へと変貌を遂げたら近寄り難い。
実際いつもなら美琴に話しかけている女子たちも少し離れた所で美琴をチラチラと見ながら話している。怖いのだろう。
「そうだな、少し話を聞いてみるか」
次に出すキャラの取材にもなるしな。
「美琴、おはよう」
「うん、おはよう剛君。今日も良い天気だね」
ん?
「そ、そうだな」
「どうかしたのかい?俺の顔を見て。俺に何か変な物でもついてるのかい?」
?????
「いや、そういうわけではない。いつも通りイケメンだなと思ってな」
「そうかいそうかい。嬉しいよ。そうだ、放課後に喫茶店とかどうだい?」
?????????
俺は今、美琴にいつもと変わらない優しい言葉をかけられながら胸倉をつかまれ、窓に押し付けられた上で顎クイをされている。
これは一体どういう状況なんだ。
「美琴、今日は練習だろ。それに俺も仕事があるから無理だぞ」
「あら残念」
そう言って美琴は俺を掴む手を放し、開放した。
「で本題なんだが、今度劇団に向かうかもって師匠に伝えといてくれ」
「直接言ったらどうだい?」
「あの人にメールしても電話しても繋がるわけがないだろ」
「それもそうだね。伝えとくよ」
「ああ、頼む」
俺はそう言い残して自分の席に戻った。
「どうだった?」
「何も分からん。何故振る舞いとか見た目は完全に不良系キャラなのに口調だけは従来のイケメンなんだ」
「そういうのが新しいキャラなんじゃないの?」
「んなわけがあるか。キャラが渋滞しすぎているだろ。根幹となるキャラ属性は1つに絞るのが普通だ。あんなのを師匠が作るわけが無いだろ」
そもそも王子と不良はファン層が違いすぎるだろ。確実にどっちからも好まれないぞ。
美形はどんなにキャラがブレても素晴らしいとは思うが、相反する属性を不用意に混ぜたら流石に駄目だ。
「でも滅茶苦茶女子たちが集まってるけど」
「美琴さん、イメチェンしたの?凄く似合ってるよ!」
「いつもは優しく包み込んでくれる感じだけど、今のワルっぽい感じも良いと思う!」
「は?」
何故だ。あれは流石に無いだろ。
確かに見た目はワルだが実は優しいというギャップ萌えを狙った作品が最近流行っているのは事実。しかし、アレはしっかりとした不良、ヤクザの口調を伴っているから成立するものだ。
誰が王子口調の不良を見たいんだよ。どこが良いんだよ。
「僕もあのキャラは良いと思うよ。カッコいいじゃん」
お前もそっち側の人間か。やはり頼りになるのはアイツしかいないか。
俺は最後の砦に対してメールを送信した。
まずやってきたのはサバやアジ等の光り物の寿司が8巻。
「いつも見る光り物よりも強く光っているように見えるな」
「脂がしっかりとのっているってことだよね」
「ああ」
もしかすると個室に付いている光の反射のせいかもしれないが、そんな野暮なことは考えないようにしよう。
「とりあえず写真を撮るか」
俺はポケットからスマホを取り出し、ありとあらゆる角度から寿司を撮影する。
別にキャラに寿司を食べさせるタイミングなんて無いし、こんな高級料理店に行かせる予定も無いが、こんなもの撮影するに決まっている。
カメラロールがどんどん高級な寿司で埋まっていく。素晴らしい……
「剛くん?食べないと次が来るよ?」
「ああ、そうだな。申し訳ない」
ついつい時を忘れていた。カメラから視線を戻すと、皆食べずに待ってくれていた。
「じゃあ食べようか。いただきます」
「「「いただきます」」」
俺は写真撮影用のスマホを机に置き、寿司に手を付ける。
「これは……!」
口に入れた瞬間にシャリとネタが溶けるように広がった。
しかし完全に食感を放棄したわけではなく、丁度良い噛み応えも維持している。
表面だけが溶けて内側が残ったのだろうか。俺にはよく分からない。
ただ最高に美味いことだけが分かる。
「こんなの初めて食べました……」
「一流の味は凄いね。お金持ちは日々こんなものを食べているんだ」
「うん、素晴らしいね」
寿司に感動したのは俺だけではなく、全員がそれぞれ舌鼓を打っていた。
「取材なんてどうでも良いな。食べる邪魔にしかならん」
一応余裕が出来たら恋人っぽいイベントでもやってみようかとか考えていたが、そんな変なことをして味に集中できなくなるのが勿体なさすぎる。
俺はそう考えスマホをポケットの中に放り込んだ。
それから俺たちは出てくる寿司一つ一つに衝撃を受けて自分の世界に入ってしまうせいで会話が碌に成立していなかったが、確実に素晴らしい時間だったと断言できる。
会計を済ませ、店から出た俺たちは帰りの駅へ向かう道中、感想を言い合っていた。
「しばらく普通の寿司屋には行けませんね……」
「うん、下手したら刺身すら食べられないかも」
「機会があればまた100回位行きたいものだな」
「じゃあお互いもっと人気にならないとね」
「ああ、そう……」
確かに今の稼ぎでは100回なんて行けるはずがな——
いや、行けるな。
確か前通帳の金を確認した時の残高は500万くらいあった気がする。
4人でも余裕で100回、1人なら500回は軽く行けるじゃないか。
「剛くん、やめようか?」
「なんのことだ?」
「絶対通帳の金全部使えば行けるとか考えてたでしょ。駄目だからね?」
幸村、どうして考えていることが分かった。
「別にそんな事考えてないぞ。大学進学とか漫画用の道具で定期的に費用がかかるからな」
「それなら良いけど」
「ああ……」
幸村の監視が強くなったからバレないように一人で行くのも無理そうだな。やってしまったな……
「流石に頻繁に行くのは問題ですけど、半年に1回とか3か月に1回とかなら良いんじゃないですか?その位なら皆働いているので金銭的にも問題ないと思いますし」
「そうだな!そうしよう!」
俺はそう言いながら幸村の方を見る。
「……まあ、それなら良いんじゃない」
ナイス雨宮!流石だ!
俺は心の中で雨宮に感謝の舞を踊った。
本当に雨宮をアシスタントにして良かった。
その後駅に着いた俺たちは同じ電車にのってそれぞれの自宅へ帰った。
それから数日後、朝学校に登校すると、
「あれって椎名さんだよね?」
と幸村に聞かれた。
「ああ、誰がどう見ても椎名美琴じゃないか」
何を言っているんだこいつ。まさか視力が一気に落ちたか?それだと困るんだが。
「でもさ、なんか様子が変じゃない?いつもは優しいイケメンって感じなんだけど、今の椎名さんは佇まいとか着崩し方とかが不良っぽいし」
今日の美琴はいつもと変わらずイケメンだが、制服を着崩していたり、椅子にがに股で座っていたりと様子が異なる。
「多分次演じるキャラが不良系イケメンなんだろ。そろそろ次の劇の練習が始まるタイミングだしな」
「もうそんな時期になったんだね。そしてイケメンってのは固定なんだ」
「当然だろ。何をやっても美琴はイケメンだ。ほら、窓から外を見ている今の横顔とか最高にカッコいいだろ」
「相変わらず美琴の事好きだね。まあそんな事はどうでも良くて、あのままじゃ皆が委縮しちゃうよ?」
どうでも良くないだろ!と言い返したかったが、確かに今の美琴を放置するのは少々問題だ。
突然見た目の雰囲気が変わるのは美琴あるあるだから受け入れてくれるが、あくまで王子や優等生という好ましいものだったからだ。
流石に不良へと変貌を遂げたら近寄り難い。
実際いつもなら美琴に話しかけている女子たちも少し離れた所で美琴をチラチラと見ながら話している。怖いのだろう。
「そうだな、少し話を聞いてみるか」
次に出すキャラの取材にもなるしな。
「美琴、おはよう」
「うん、おはよう剛君。今日も良い天気だね」
ん?
「そ、そうだな」
「どうかしたのかい?俺の顔を見て。俺に何か変な物でもついてるのかい?」
?????
「いや、そういうわけではない。いつも通りイケメンだなと思ってな」
「そうかいそうかい。嬉しいよ。そうだ、放課後に喫茶店とかどうだい?」
?????????
俺は今、美琴にいつもと変わらない優しい言葉をかけられながら胸倉をつかまれ、窓に押し付けられた上で顎クイをされている。
これは一体どういう状況なんだ。
「美琴、今日は練習だろ。それに俺も仕事があるから無理だぞ」
「あら残念」
そう言って美琴は俺を掴む手を放し、開放した。
「で本題なんだが、今度劇団に向かうかもって師匠に伝えといてくれ」
「直接言ったらどうだい?」
「あの人にメールしても電話しても繋がるわけがないだろ」
「それもそうだね。伝えとくよ」
「ああ、頼む」
俺はそう言い残して自分の席に戻った。
「どうだった?」
「何も分からん。何故振る舞いとか見た目は完全に不良系キャラなのに口調だけは従来のイケメンなんだ」
「そういうのが新しいキャラなんじゃないの?」
「んなわけがあるか。キャラが渋滞しすぎているだろ。根幹となるキャラ属性は1つに絞るのが普通だ。あんなのを師匠が作るわけが無いだろ」
そもそも王子と不良はファン層が違いすぎるだろ。確実にどっちからも好まれないぞ。
美形はどんなにキャラがブレても素晴らしいとは思うが、相反する属性を不用意に混ぜたら流石に駄目だ。
「でも滅茶苦茶女子たちが集まってるけど」
「美琴さん、イメチェンしたの?凄く似合ってるよ!」
「いつもは優しく包み込んでくれる感じだけど、今のワルっぽい感じも良いと思う!」
「は?」
何故だ。あれは流石に無いだろ。
確かに見た目はワルだが実は優しいというギャップ萌えを狙った作品が最近流行っているのは事実。しかし、アレはしっかりとした不良、ヤクザの口調を伴っているから成立するものだ。
誰が王子口調の不良を見たいんだよ。どこが良いんだよ。
「僕もあのキャラは良いと思うよ。カッコいいじゃん」
お前もそっち側の人間か。やはり頼りになるのはアイツしかいないか。
俺は最後の砦に対してメールを送信した。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
恋愛
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる