可愛かった幼馴染の女の子がイケメン堕ちした本当の理由に一同驚愕。演劇を始めてしまった事が理由との噂も。

僧侶A

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7話

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 数日後、

「ねえ剛君、久々に遊びに行かないかい?」

 と放課後、帰る準備をしていた所を美琴に誘われた。

「良いぞ。俺も丁度行きたいところがあったし、一緒に回って欲しいと思っていた所だ」

 男だけだと行きづらい場所もあったので丁度いい。

「じゃあ決まりだね。そうだ、幸村君も来て欲しいな」

「僕?良いの?」

「勿論。私たちだけじゃなくて他の人から見た感想も欲しいからね」

「感想?なんで?」

「当然演劇と漫画に反映させるためだ」

 俺と美琴だけだと感想が偏ってしまうからな。サンプルは多ければ多いほど作品に活かせる。

「デートじゃなかったんだ……」

「何を言っているんだ。デートだぞ」

「え?」

「俺の漫画も美琴の演劇も恋愛ものなんだからデートにするべきだろ。そうだ美琴、雨宮という女子の後輩を誘っても良いか?」

「構わないよ。ダブルデートってことだね」

「ああ」

「僕もデートってこと?」

「当然だ。雨宮と仲が良いみたいだし丁度いいだろ」

 俺達では到底なり得ないタイプのカップルなので良い資料になるしな。

「え、そもそも僕は行くって……」

 思っていたより渋っているな……ならば

「もしもし雨宮、今暇だったら俺たちの教室に来てくれるか?」

 雨宮召喚が一番だ。まだ学校は出ていないだろう。

『はい、分かりました!!』

「え?」

「先生!お待たせしました!」

 雨宮は電話を切ってから30秒も経たない内に教室にやってきた。

 まさか俺が電話をかけることを予測していたのか?

 いや、流石に人間がそこまで人の心を読めるわけがないか。

「あ、初めまして美琴先輩、私は1年の雨宮沙希って言います。今は先生のアシスタントをさせていただいてます」

「君が例のアシスタントさんなんだ。話は剛君から聞いているよ。凄く優秀なんだってね」

「まだまだ未熟ですが、そう言っていただけるとは嬉しいです」

「初々しくて可愛いね」

 美琴はそう言いながら雨宮の頭を撫でる。

「ありがとうございます」

 しかし、雨宮は一切動じることはなく、普通に礼を返していた。どうやら雨宮も耐性がある側の人間らしいな。

「で、先生。何故私を呼び出したんですか?」

「俺と美琴と幸村で遊びに行くのに雨宮も誘おうと思って呼んだんだ。嫌なら断っても良いが」

「絶対行きます!美琴先輩の役作りと先生の資料集めのためのダブルデートですよね!」

「理解が早くて助かる」

「楽しみですね、幸村先輩。私が精一杯リードしてあげますから、安心してデートしましょう」

「え、その、僕は……」

 雨宮は躊躇なく幸村の両手を握り、胸元に寄せる。すると幸村は一瞬で顔を真っ赤にして照れていた。

「どうしたんですか?もしかして私の事が嫌いなんですか?」

「いや、そうじゃなくて……」

「じゃあ良いじゃないですか。別に付き合ってなくてもデートは出来るんですから」

「うう……」

 やはり雨宮が居ると幸村の説得が楽になるな。

「じゃあ決まりだね。今回は私たちがコースを決めるけど、どこかに行きたいとかあったら教えてね」

「はい!!!」

「う、うん」


 その週の土曜日、俺たちはダブルデートの為に駅の近くで待ち合わせをしていた。

「幸村、どうしてそんなに早く来たんだ」

「剛くんこそ」

 約束の時間は14時なのだが、俺たちは13時に待ち合わせ場所である時計台の近くに到着していた。

「俺は待ち合わせているカップルを観察するために来ただけだぞ」

 駅の13時といえば待ち合わせだ。高校生から大人、果ては老人までありとあらゆる人間の待ち合わせを見ることが出来る。今も目の前で待ち合わせをしていた男女が出会い、恋人繋ぎをしてどこかに去っていった。

「観察って……」

 幸村が俺の行動に若干引いているが、これは立派な仕事だぞ。何も変なことはしていない。

「そういう幸村は何でこんな時間にここにいるんだ。それに眠そうじゃないか」

 幸村の目にはクマがあり、こんな時間なのに若干うつらうつらとしている。

「いや、雨宮さんがちょっとね……」

「雨宮と!?何があったんだ。そこの所を詳しく」

 今、幸村からラブコメの香りがした。絶対に聞かなければ。

「何でも良いでしょ」

「そこを何とか」

「いやだ」

「ちっ」

 後で雨宮に聞いてみるか。

「そんなことよりも眠いから寝させてくれる?」

「そうか、ならそこのベンチに座るか」

「うん」

 時計台から少し離れるが、こちらからバッチリ見えるし問題無いだろう。

 幸村がデート中に寝てしまうとサンプルが一つ減ってしまうからな。寝かせてやるとしよう。

 俺と幸村はベンチに座り、幸村は早速寝始めた。

 その隙に幸村の私服をしっかりと確かめてみるか。

 幸村の服は、上が白Tに白のカーディガンを重ね着しており、下がデニムのワイドパンツ。

 確かに男がするファッションで間違いは無いが、男らしさとは真逆を行くファッションなので幸村みたいなかわいい顔の奴が着るとただの女にしか見えんな。

 ちなみに俺は紺色のパーカーに白のチノパンだ。本当はポロシャツが一番好きなのだが、幸村に2児の父にしか見えないと言われて以来着るのを控えている。せめて20歳前後には思われたいからな。



「っと危ない」

「ん」

 寝ている幸村が俺とは真逆の方に傾き、頭から落ちようとしたので咄嗟にこちらへと引っ張った。

 大きく動かされたので一瞬目が覚めたようだが、再度眠りに落ちていた。

 俺はベンチの外側に落ちないようにと幸村を俺の肩へと寄せた。

 それにより幸村の寝息が俺の耳元まで聞こえてくると同時に、腕や肩等の触れ合っている部分から幸村の体温を感じる。

 また、通常じゃ見られない幸村の無防備な寝顔を観測できる。


「なるほど」

 これは漫画で活用できそうだな。電車に乗る時とかにキャラ達にやらせたら良い感じにドキドキしてくれるぞ。

 使う機会があるかどうか分からないがとりあえずメモしておこう。

『かわいいねあの子』

『隣の子の恋人かしら』

『いいなー』

 メモをしている最中、俺たちの姿を見た数名がそんなことを言っていた。

 幸村は男なんだがな。まあ気持ちはわかる。下手したら女よりも可愛いからな。

 とりあえずそれは美女を連れたカップルに対するモブのセリフとして使わせてもらおうか。


 それから30分くらいカップルの観察をしていると、何やら女子の歓声が聞こえてきた。

「おい幸村、起きろ」

「ん?どうしたの?」

「美琴が来たから時計台に行くぞ」

「うん、分かった」

 俺は眠そうにしている幸村を叩き起こし、美琴の元へ向かった。

「あ、剛君に幸村君だ。ごめんね、待ち人が来たみたいだ」

「ごめんなさい、通りますね」

 美琴は周囲に集まっていた女子に別れを告げ、雨宮と共にこちらに来た。

 美琴の装いはグレーのチェック柄のズボンに袖が広がっている黒のトップス。確かコンシャストップスとかいう名前だったな。

 敢えてトップスをズボンの中に入れることによって足の長さを際立たせているのか。

 それに加えて星型の銀のピアスが色気を、黒く光るローファーが大人のカッコよさを演出しており、女性っぽさを残しつつも美琴のカッコよさを更に引き立たせていた。

 一方雨宮はノースリーブの赤いワンピースに黒のチョーカー。そしてメタリックカラーのサンダル。

 長い黒髪も相まってその姿は上品なお嬢様のようだった。

 これは確かに女性が集まってくるな。

「こんにちは!先生!幸村先輩!」

「こんにちは、雨宮さん、椎名さん」
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