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最終話
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そして天使は攻撃を開始した。
その攻撃は今まで戦闘に参加していた天使と攻撃の毛色が大きく異なっていた。
「槍を使っていないわね」
「そもそも槍自体を持っていないね」
この天使たちの攻撃は他の天使よりも魔法に近いものだった。
手を振りかざすことで自身の周囲にシールドを貼り、何か言葉を発することによってビームやら炎やらを打ち込んでいた。
その攻撃に一切歯が立たず、防戦一方となっていた。
「これが天使に勝つのが難しいと言われていた原因なのかもね」
「このままだとここすら危険なんじゃないか?」
画面の前で行われている戦闘に負けてしまった場合、恐らくここの辺りに住んでいる住民のほとんどが息絶えるだろう。
「そうね。だけれど他の住民が慌てている気配は無いわ」
恐らく地獄に慣れた者たちは進みすぎた科学技術による防衛力を信じ切っているのだろう。
「それでも勝てる確証は無さそうだ」
「でもどうすることも出来ないわね」
そんな不安を抱える中天使の放ったビームの流れ弾が戦場付近の地下シェルターに当たり、大きく破損した。
「中身が見えてないか?」
そのシェルターの中に居る人たちが見えた。
その人たちは恐怖に怯えているように見えた。
『そこに見えるのは人間か。そんな所に隠れていたのか』
天使の一人が人間に狙いを定め、ビームを放った。
爆発音と共に土煙が舞い上がる。
そしてそこには何もなかった。
そう、何も無かったのだ。
「まさか」
高野さんは思わず声を上げる。
「まだ確証は持てないが、死んでしまったのかもしれない」
そもそもの話としてこの世界において死は存在するのか、という疑問がある。
しかし、目の前で人間が消失したのだ。吹き飛ばされた形跡も存在しない。
一度死んだのだから死ぬことなんてないと軽く思っていたが、そんなことは無いのかもしれない。
よくよく考えると神との戦闘の際も戦場に人間は一人もおらず、全て機械による自動操縦だった。
これこそが死後の世界でも死ぬことを示唆していたのかもしれない。
「そんな…… 私はもう死にたくないのよ」
俺と同様に高野さんは再度向き合うことになった死の恐怖に酷く怯えていた。
「大丈夫。地獄の住民は神に勝ったんだから。その部下の天使に負けるわけがない」
自分に言い聞かせるように、俺は高野さんをそう宥めた。
そんな風に信じてはいるが、天使の人数は先程から一切削れていない。
本当に勝てるのか。そう思ったとき、何者かが現れた。
「あれは何だ?」
人間のようなフォルムをしている。天使では無いことが分かるが、人間だとするならば空を飛んでいるのは不自然だ。
『貴様、何者だ。人間が我々に生身で勝てると思ったのか』
天使の味方ではないらしく、天使は敵視していた。
しかしその人間?は一切返答することが無かった。
『何も言わぬか。ならば早々に殺してやろう』
そして攻撃をする天使。
一切歯が立たずに倒されると思っていたが。
次の瞬間にはその天使が切り刻まれていた。
そしてその天使は最初から何もなかったかのように消失した。
一部始終を見ていた天使たちは戦闘を切り上げ、その謎の人間に対し攻撃を始めた。
けれども天使はその人間に一切のダメージを与えられぬまま一人一人と切り倒されていった。
そして、最後にはその人間以外には何も残っていなかった。
天使を全滅させた後、その人間は消えた。
「今のは何だったの」
「分からない。ただ、天使による恐怖が消え去ったことだけは事実じゃないか」
何が起こったのかよく分からないまま、戦争は終結した。
そして10分程経った後に端末経由で会見が始まった。
『度々申し訳ない。ヒトラーだ。今回の戦争は見ての通り、神を殺された天使共による復讐の戦だった』
『正直な話こうなることは予測していなかった。神を倒せばすべてが丸く収まると思っていたのだ。だからこそ一切の準備をしていなかった我々に非がある』
開始早々頭を下げるヒトラー。
「だから守りが手薄だったわけね」
洗脳を神の力だと考えていたが、そうでは無かったということか。
『だが、我々は天使を討伐しきった。だからこれ以上天使がらみの争いは発生しない』
『しかし、一つだけ大きな懸念点が浮上した。神が直接創造した天使共の話だ』
なんだ?少々想定よりも強かったってことか?
『我々が戦線に投入した部隊が到達した頃には既に敵は倒されていたのだ。それも謎の生命体の手によって』
『名も知らぬ地獄の住人による功績かという線も考えたのだが、その生命体に該当する存在が既にこの世界に存在していないのだ』
「あれは新兵器では無かったのか?」
『そのため現在より我々天界対策本部は未確認生命体調査本部へと名前を変え、活動していこうと考えている』
『とは言っても天使から住民の命を救い、味方として天使を滅したところから察するに危険性は限りなく低いものではあると考えられ、対話自体は可能であろう』
『また、街の復旧に関しては端末に詳細を乗せているので各自で読んでいただきたい』
『今後は生命体に関する進展があったら同様にこの形で放送することになる。ではまた』
その言葉を最後に会見が終了した。
「結局アレは何だったんだろうね」
「もしかするとこの世界のではない神なのかもね」
神より強い天使を圧倒した存在だから、本当にそうなのかもしれない。
「そうかもね」
まあ、俺たちが考えたところで結論なんて出ようがないが。
ただ俺たちは俺たちに出来ることをするしかないのだ。
『復旧作業を開始します。建物内にいる皆さまは念のため建物の外に出てください』
「とりあえず出ようか」
建物の外に出ると、大量の瓦礫が道路上に積み上げられていた。
が、その瓦礫の横に立派な建物が立ち並んでいた。
「とりあえず住むところだけは確保しようということなのかしら」
「そうみたいだね」
そんなことを話している間に俺たちの家が再建築された。
「もうできたみたいね」
「家ってそんな簡単に作れるものだったっけ……」
「未来の技術にあれこれ言っても疲れるだけよ。諦めましょう」
「そうだね」
俺たちは入っていいとの指示を確認してから中に入った。
「じゃあ今日はこれで」
「そうね。今日はもう遅いし、また明日会いましょう」
俺たちは別れ、自室に戻った。
部屋の扉を開けると、そこは天使による攻撃など一切なかったかのような状態であった。
「あの光景がまるでフィクションみたいだな」
ここまで一切の痕跡が残っていないと、今まであったことがまるで嘘のように感じる。
それこそ俺が死んでいることすら嘘であるかのように。
外を見れば瓦礫だらけなので現実だと再認識できるのだが。
まあ、この世界は死後の世界というかなりあやふやな世界なのだ。半分くらい信じるくらいで問題ないだろう。
という感じではあるが、とりあえずこれだけは言えることがある。今回の天使討伐をもって、俺と高野さんの地獄の住人としての第二の人生が始まった。
今度こそは何の憂いも無く。出来ないことに対する悔しさも無く。
自分が思うままの人生を歩むことが出来るのだ。
たとえ病魔が再び降りかかることになろうとも、今度こそは誰にも邪魔をさせない。
その攻撃は今まで戦闘に参加していた天使と攻撃の毛色が大きく異なっていた。
「槍を使っていないわね」
「そもそも槍自体を持っていないね」
この天使たちの攻撃は他の天使よりも魔法に近いものだった。
手を振りかざすことで自身の周囲にシールドを貼り、何か言葉を発することによってビームやら炎やらを打ち込んでいた。
その攻撃に一切歯が立たず、防戦一方となっていた。
「これが天使に勝つのが難しいと言われていた原因なのかもね」
「このままだとここすら危険なんじゃないか?」
画面の前で行われている戦闘に負けてしまった場合、恐らくここの辺りに住んでいる住民のほとんどが息絶えるだろう。
「そうね。だけれど他の住民が慌てている気配は無いわ」
恐らく地獄に慣れた者たちは進みすぎた科学技術による防衛力を信じ切っているのだろう。
「それでも勝てる確証は無さそうだ」
「でもどうすることも出来ないわね」
そんな不安を抱える中天使の放ったビームの流れ弾が戦場付近の地下シェルターに当たり、大きく破損した。
「中身が見えてないか?」
そのシェルターの中に居る人たちが見えた。
その人たちは恐怖に怯えているように見えた。
『そこに見えるのは人間か。そんな所に隠れていたのか』
天使の一人が人間に狙いを定め、ビームを放った。
爆発音と共に土煙が舞い上がる。
そしてそこには何もなかった。
そう、何も無かったのだ。
「まさか」
高野さんは思わず声を上げる。
「まだ確証は持てないが、死んでしまったのかもしれない」
そもそもの話としてこの世界において死は存在するのか、という疑問がある。
しかし、目の前で人間が消失したのだ。吹き飛ばされた形跡も存在しない。
一度死んだのだから死ぬことなんてないと軽く思っていたが、そんなことは無いのかもしれない。
よくよく考えると神との戦闘の際も戦場に人間は一人もおらず、全て機械による自動操縦だった。
これこそが死後の世界でも死ぬことを示唆していたのかもしれない。
「そんな…… 私はもう死にたくないのよ」
俺と同様に高野さんは再度向き合うことになった死の恐怖に酷く怯えていた。
「大丈夫。地獄の住民は神に勝ったんだから。その部下の天使に負けるわけがない」
自分に言い聞かせるように、俺は高野さんをそう宥めた。
そんな風に信じてはいるが、天使の人数は先程から一切削れていない。
本当に勝てるのか。そう思ったとき、何者かが現れた。
「あれは何だ?」
人間のようなフォルムをしている。天使では無いことが分かるが、人間だとするならば空を飛んでいるのは不自然だ。
『貴様、何者だ。人間が我々に生身で勝てると思ったのか』
天使の味方ではないらしく、天使は敵視していた。
しかしその人間?は一切返答することが無かった。
『何も言わぬか。ならば早々に殺してやろう』
そして攻撃をする天使。
一切歯が立たずに倒されると思っていたが。
次の瞬間にはその天使が切り刻まれていた。
そしてその天使は最初から何もなかったかのように消失した。
一部始終を見ていた天使たちは戦闘を切り上げ、その謎の人間に対し攻撃を始めた。
けれども天使はその人間に一切のダメージを与えられぬまま一人一人と切り倒されていった。
そして、最後にはその人間以外には何も残っていなかった。
天使を全滅させた後、その人間は消えた。
「今のは何だったの」
「分からない。ただ、天使による恐怖が消え去ったことだけは事実じゃないか」
何が起こったのかよく分からないまま、戦争は終結した。
そして10分程経った後に端末経由で会見が始まった。
『度々申し訳ない。ヒトラーだ。今回の戦争は見ての通り、神を殺された天使共による復讐の戦だった』
『正直な話こうなることは予測していなかった。神を倒せばすべてが丸く収まると思っていたのだ。だからこそ一切の準備をしていなかった我々に非がある』
開始早々頭を下げるヒトラー。
「だから守りが手薄だったわけね」
洗脳を神の力だと考えていたが、そうでは無かったということか。
『だが、我々は天使を討伐しきった。だからこれ以上天使がらみの争いは発生しない』
『しかし、一つだけ大きな懸念点が浮上した。神が直接創造した天使共の話だ』
なんだ?少々想定よりも強かったってことか?
『我々が戦線に投入した部隊が到達した頃には既に敵は倒されていたのだ。それも謎の生命体の手によって』
『名も知らぬ地獄の住人による功績かという線も考えたのだが、その生命体に該当する存在が既にこの世界に存在していないのだ』
「あれは新兵器では無かったのか?」
『そのため現在より我々天界対策本部は未確認生命体調査本部へと名前を変え、活動していこうと考えている』
『とは言っても天使から住民の命を救い、味方として天使を滅したところから察するに危険性は限りなく低いものではあると考えられ、対話自体は可能であろう』
『また、街の復旧に関しては端末に詳細を乗せているので各自で読んでいただきたい』
『今後は生命体に関する進展があったら同様にこの形で放送することになる。ではまた』
その言葉を最後に会見が終了した。
「結局アレは何だったんだろうね」
「もしかするとこの世界のではない神なのかもね」
神より強い天使を圧倒した存在だから、本当にそうなのかもしれない。
「そうかもね」
まあ、俺たちが考えたところで結論なんて出ようがないが。
ただ俺たちは俺たちに出来ることをするしかないのだ。
『復旧作業を開始します。建物内にいる皆さまは念のため建物の外に出てください』
「とりあえず出ようか」
建物の外に出ると、大量の瓦礫が道路上に積み上げられていた。
が、その瓦礫の横に立派な建物が立ち並んでいた。
「とりあえず住むところだけは確保しようということなのかしら」
「そうみたいだね」
そんなことを話している間に俺たちの家が再建築された。
「もうできたみたいね」
「家ってそんな簡単に作れるものだったっけ……」
「未来の技術にあれこれ言っても疲れるだけよ。諦めましょう」
「そうだね」
俺たちは入っていいとの指示を確認してから中に入った。
「じゃあ今日はこれで」
「そうね。今日はもう遅いし、また明日会いましょう」
俺たちは別れ、自室に戻った。
部屋の扉を開けると、そこは天使による攻撃など一切なかったかのような状態であった。
「あの光景がまるでフィクションみたいだな」
ここまで一切の痕跡が残っていないと、今まであったことがまるで嘘のように感じる。
それこそ俺が死んでいることすら嘘であるかのように。
外を見れば瓦礫だらけなので現実だと再認識できるのだが。
まあ、この世界は死後の世界というかなりあやふやな世界なのだ。半分くらい信じるくらいで問題ないだろう。
という感じではあるが、とりあえずこれだけは言えることがある。今回の天使討伐をもって、俺と高野さんの地獄の住人としての第二の人生が始まった。
今度こそは何の憂いも無く。出来ないことに対する悔しさも無く。
自分が思うままの人生を歩むことが出来るのだ。
たとえ病魔が再び降りかかることになろうとも、今度こそは誰にも邪魔をさせない。
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