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最終話
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こういう旅なのだから全員同じ部屋か2人部屋×2の方が良かったのだが、経緯が経緯なので1人部屋が4つになっている。
一応私とサキの旅行と冴木と次葉の旅行は別枠だからな。
私とサキの部屋については炎上対策で運営がシングル部屋を二つ取ったためこうなった。冴木と次葉については初対面の男女だから当然である。通話位はしていただろうが。
複数人の旅行としてはかなり致命的な状況ではあるが、今回に限っては一人の時間が取れるため都合が良いと言える。
「さて、そろそろ覚悟しないとな」
私が次葉に告白するための覚悟を。
それから30分後、覚悟が出来た私は次葉を呼び出していた。
「さて、私を呼んだ理由は何かな?」
次葉は私を見るなりそんなことを聞いてきた。
「ちょっと話したいことがあってな」
「別に部屋でも良いんじゃない?」
私が理由を伏せると、からかうような表情で次葉がそう言ってきた。
「部屋だとサキが居たかもしれないからな」
「まあ、そうだね」
「とそんな話は良いんだ。早速本題に入ろう」
「それは早くないかな。やっぱりこれから2時間くらい外を歩いてからで良いんじゃない?」
「どうしてだよ」
私が本番に入ろうとすると、何故かそれを阻止しようとしてくる次葉。
「人生を焦っても特に良いことは無いよ?」
「別に焦ってないだろ。そもそも旅行は焦っている人間のやることではないが」
「焦っていても旅行には行くよ。私はイラストレーターだからね」
「そうか。私は時間に余裕があり焦ってもいないが、忙しい次葉に2時間も付き合わせるのは悪いな。ということで本題に入ろう」
「どうしてそうなるの?」
「お互いの事情を尊重した結果だ」
「えええええ……」
「というわけで次葉、私と付き合ってくれ。一生幸せにすることを約束するから」
「……!!!」
私がストレートに告白をすると、次葉は珍しく顔を真っ赤にして照れていた。
「えっとね……そうだね……」
次葉はそう言いながら私を正面から持ち上げてきた。
そして私と次葉の顔の高さを合わせたのちに、
「ありがとう。これからよろしくね」
と素敵な笑顔でそう答えてくれた。
これで無事に私と次葉は付き合うことになった。
その帰り道、
「今日の冴木の言動は露骨すぎないか?」
今日の冴木の言動について、次葉に問い詰めていた。
「何の事かな?」
当然のことながらすっとぼける次葉。どうしても私が100%自分の意思で告白したことにしたいらしい。
「自分が一番分かっているだろう?わざわざ関わりがほとんどない冴木を今回の旅行に呼んできた張本人なんだから」
理由を聞くよりも聞きたい事があったのでスルーしていたが、そもそも冴木をあの次葉が呼んだこと自体意味不明である。
「それは彼が優斗君のイラストの大ファンだという事を知ったからだよ。それ以外に理由があるかい?」
「必要に決まっているだろう。私のファンってだけで次葉とは関係ない人物だろうに」
「関係しかないよ。配信者になる前から優斗君のイラストを評価している人たちとは全員交流をしているんだから」
「……は?」
次葉は知らないところで何をやっているんだ?
「ファンとしては当然だよ」
「当然ではないだろ」
ファン全員と交流ってやりすぎじゃないか?いくら私のファンが当時は少なかったとはいえ、最低でも20人くらいはいたはずだが。
「まあ、そこは私の努力ってことで。その中に偶然彼が居てね。今日の旅行で私の恋路を手伝ってもらったってわけなんだ」
「……とりあえず大体は分かった。理解はしていないが」
「……そう。ならよかった。ちなみになんだけど、優斗君に配信をさせようと思ったきっかけは冴木君だよ。彼には内緒だけどね」
「そうなのか」
自身に一切縁のない配信業を持ち出してきたのは何故かと思っていたが、そういうことだったのか。
「うん。ぴったりだったでしょ?」
「まあ、私だからな」
私は天才だからな。配信だってなんだって完璧にこなせるさ。
「そうだね、私の見立て通りだよ」
「だな」
「まあ、大分誤算はあったけどね。まさかアレがこういう結果になるとはね……」
「なんのことだ?」
「内緒だよ」
「とりあえず、私の活動が次葉の手のひらの上だったことは理解した」
どこまでが次葉の計画かは分からないが、大半は次葉は思い通りってわけだ。完全にしてやられたな。感謝しかないが。
「さて、サキさんはどうするのかな?私と付き合うことが正式に決まったわけだけど」
「そうだな。私としてはそのままコラボを続けていきたいと思っているが」
次葉と付き合うことになったわけだが、サキとのコラボを辞めるってのは違う話だ。サキに彼氏が出来たら知らないが。
「だよね。優斗君ならそう言うと思っていたよ」
「サキは私が全力で上に引っ張り上げると決めているからな」
「そっか。なら今度から私も手伝わせてくれないかな?」
「別に良いけど、何をするんだ?」
歌唱などでイラストの提供は既にしてもらっているから、これ以上ってなると何もなくないか?出演するわけでもあるまいし。
「3人でチャンネルを作るんだよ。人気配信者1人に超人気イラストレーター2人。最高に売れるとは思わないかい?」
「……イラストレーターは2人だ」
「あ、そっちなんだ」
「当然だろう。私はイラストレーターなんだから」
「ごめんごめん、忘れてたよ」
「忘れるな。というかさっきから話していただろうが」
「いやあ、だってさ。優斗君ってイラストレーターって感じじゃないでしょ?どっちかって言うと芸「私はイラストレーターだ!!!」
「そうだったね。だから認知度を上げるためにサキさんに話を付けに行かないとね」
「……そうだな」
無理矢理丸め込まれてしまったが、次葉は分かって言っているだろうし良いか。
それよりも私がイラストレーターであることを世間に知らしめ、次葉を世界で一番有名な配信者にするという最大の目標があるのだから。
一応私とサキの旅行と冴木と次葉の旅行は別枠だからな。
私とサキの部屋については炎上対策で運営がシングル部屋を二つ取ったためこうなった。冴木と次葉については初対面の男女だから当然である。通話位はしていただろうが。
複数人の旅行としてはかなり致命的な状況ではあるが、今回に限っては一人の時間が取れるため都合が良いと言える。
「さて、そろそろ覚悟しないとな」
私が次葉に告白するための覚悟を。
それから30分後、覚悟が出来た私は次葉を呼び出していた。
「さて、私を呼んだ理由は何かな?」
次葉は私を見るなりそんなことを聞いてきた。
「ちょっと話したいことがあってな」
「別に部屋でも良いんじゃない?」
私が理由を伏せると、からかうような表情で次葉がそう言ってきた。
「部屋だとサキが居たかもしれないからな」
「まあ、そうだね」
「とそんな話は良いんだ。早速本題に入ろう」
「それは早くないかな。やっぱりこれから2時間くらい外を歩いてからで良いんじゃない?」
「どうしてだよ」
私が本番に入ろうとすると、何故かそれを阻止しようとしてくる次葉。
「人生を焦っても特に良いことは無いよ?」
「別に焦ってないだろ。そもそも旅行は焦っている人間のやることではないが」
「焦っていても旅行には行くよ。私はイラストレーターだからね」
「そうか。私は時間に余裕があり焦ってもいないが、忙しい次葉に2時間も付き合わせるのは悪いな。ということで本題に入ろう」
「どうしてそうなるの?」
「お互いの事情を尊重した結果だ」
「えええええ……」
「というわけで次葉、私と付き合ってくれ。一生幸せにすることを約束するから」
「……!!!」
私がストレートに告白をすると、次葉は珍しく顔を真っ赤にして照れていた。
「えっとね……そうだね……」
次葉はそう言いながら私を正面から持ち上げてきた。
そして私と次葉の顔の高さを合わせたのちに、
「ありがとう。これからよろしくね」
と素敵な笑顔でそう答えてくれた。
これで無事に私と次葉は付き合うことになった。
その帰り道、
「今日の冴木の言動は露骨すぎないか?」
今日の冴木の言動について、次葉に問い詰めていた。
「何の事かな?」
当然のことながらすっとぼける次葉。どうしても私が100%自分の意思で告白したことにしたいらしい。
「自分が一番分かっているだろう?わざわざ関わりがほとんどない冴木を今回の旅行に呼んできた張本人なんだから」
理由を聞くよりも聞きたい事があったのでスルーしていたが、そもそも冴木をあの次葉が呼んだこと自体意味不明である。
「それは彼が優斗君のイラストの大ファンだという事を知ったからだよ。それ以外に理由があるかい?」
「必要に決まっているだろう。私のファンってだけで次葉とは関係ない人物だろうに」
「関係しかないよ。配信者になる前から優斗君のイラストを評価している人たちとは全員交流をしているんだから」
「……は?」
次葉は知らないところで何をやっているんだ?
「ファンとしては当然だよ」
「当然ではないだろ」
ファン全員と交流ってやりすぎじゃないか?いくら私のファンが当時は少なかったとはいえ、最低でも20人くらいはいたはずだが。
「まあ、そこは私の努力ってことで。その中に偶然彼が居てね。今日の旅行で私の恋路を手伝ってもらったってわけなんだ」
「……とりあえず大体は分かった。理解はしていないが」
「……そう。ならよかった。ちなみになんだけど、優斗君に配信をさせようと思ったきっかけは冴木君だよ。彼には内緒だけどね」
「そうなのか」
自身に一切縁のない配信業を持ち出してきたのは何故かと思っていたが、そういうことだったのか。
「うん。ぴったりだったでしょ?」
「まあ、私だからな」
私は天才だからな。配信だってなんだって完璧にこなせるさ。
「そうだね、私の見立て通りだよ」
「だな」
「まあ、大分誤算はあったけどね。まさかアレがこういう結果になるとはね……」
「なんのことだ?」
「内緒だよ」
「とりあえず、私の活動が次葉の手のひらの上だったことは理解した」
どこまでが次葉の計画かは分からないが、大半は次葉は思い通りってわけだ。完全にしてやられたな。感謝しかないが。
「さて、サキさんはどうするのかな?私と付き合うことが正式に決まったわけだけど」
「そうだな。私としてはそのままコラボを続けていきたいと思っているが」
次葉と付き合うことになったわけだが、サキとのコラボを辞めるってのは違う話だ。サキに彼氏が出来たら知らないが。
「だよね。優斗君ならそう言うと思っていたよ」
「サキは私が全力で上に引っ張り上げると決めているからな」
「そっか。なら今度から私も手伝わせてくれないかな?」
「別に良いけど、何をするんだ?」
歌唱などでイラストの提供は既にしてもらっているから、これ以上ってなると何もなくないか?出演するわけでもあるまいし。
「3人でチャンネルを作るんだよ。人気配信者1人に超人気イラストレーター2人。最高に売れるとは思わないかい?」
「……イラストレーターは2人だ」
「あ、そっちなんだ」
「当然だろう。私はイラストレーターなんだから」
「ごめんごめん、忘れてたよ」
「忘れるな。というかさっきから話していただろうが」
「いやあ、だってさ。優斗君ってイラストレーターって感じじゃないでしょ?どっちかって言うと芸「私はイラストレーターだ!!!」
「そうだったね。だから認知度を上げるためにサキさんに話を付けに行かないとね」
「……そうだな」
無理矢理丸め込まれてしまったが、次葉は分かって言っているだろうし良いか。
それよりも私がイラストレーターであることを世間に知らしめ、次葉を世界で一番有名な配信者にするという最大の目標があるのだから。
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