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40話
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序盤はサキが活躍し、終盤は私が活躍する。ただサキが序盤で勝負を決めることが多いので私が試合で活躍する確率は3割程度、全体の比率で言えば2割にすら届かないことをサキは気付いていない。
「じゃあ私のターンね。『レックの審問』!!!!」
そんな私たちが相対する戦艦ペアのデッキは終始相手の妨害に特化したデッキのようだ。
玲子が相手の手札を減らし、海斗が相手のMPを減らす。見知らぬ人と組む場合は弱いデッキだが、見知った相手と示し合わせて構成を考えられる今回のような場ではかなり強いデッキである。
しかし本当に使ってくる人が居るとは思わなかった。どちらもかなり嫌われているデッキだからな。
恐らく一部のアンチから叩かれることよりも配信が盛り上がるかどうかを優先したのだろう。
これが配信者としてのプロ意識ってやつなのだろう。
ただ、
「『幽体の船長』でダイレクトアタック!!!」
その戦法はサキとあまりにも相性が悪かった。
全体的にサキのカードは低コストなせいでMPを減らしても特に影響は無いし、手札も補充しやすいデッキなので手札を減らしきるのは難しい。
まあ私のデッキには刺さっているから私は何もできなかったんだがな。
「よし、勝ち!!!!」
勝者として軽いインタビューを受けた後、舞台裏に戻って他の参加者の試合をのんびりと眺めていた。
その際、私たちとの勝負に全てを賭けている絵馬たちに話しかけられると思ったのだが、そんなことはなく二人はずっと頭を抱えていた。
先ほどの試合でやたら苦戦した後も自信満々な様子を崩さなかったのに何があったのだろうか。
まあどんな状況でも私たちが勝つから関係ないがな。
そんな事を考えている間に1回戦が全て終わり、準決勝が始まった。
「えっと、準決勝というわけで意気込みを聞きたかったのですが、絵馬さんと冴木さん、どうされました?」
山本は台本通りに試合を勧めたかったのだろうが、1回戦とは打って変わってローテンションな二人にツッコまざるを得なかったようだ。
「いや、何もないです。サキ様を取り戻すために頑張ります……」
「私も同じく欲しいものを手に入れるために全力は尽くそうと思います……」
「欲しいもの……?」
冴木は私の引退は願っているだろうが、それは欲しい「もの」なのか……?
真っ当に考えれば
「勝ちたいという気持ちはあるようで何よりです。では先ほどとテンションが変わらないお二人の方にも一応聞いておきましょうか」
「私は特に言うことは無い。ただただまっとうに戦って勝利を手に入れるだけだ」
意気込みを聞かれるが、私は誰が相手だろうと関係ない。
「大切なもののために全力で叩き潰そうと思ってます」
しかしサキは違ったらしく、かなりやる気のようだ。いや、やる気というよりは殺気に近い気もするが。
サキの欲しいものってのは恐らく私の持っている数字の事だろうな。この戦いで守れるものってそれくらいしかないし。
「叩き潰すって物騒ですね……もしかして裏で何かありました?」
そんなサキの様子を不穏に思った山本は進行を忘れて更に追求してきた。
「色々ありましたね」
「そうなんですか……」
「ああ。この試合に負けたら私は配信活動を引退することになっている」
そこまで語ってぼかすのも妙な話なので正直に話すことにした。
「ええ!?!?!?!?」
当然ながら驚く山本。
「安心しろ。私が負けることは無いからな。それにこれの条件は勝った時の報酬の為だからな」
「報酬ですか?」
「ああ。今回私たちが勝ったら絵馬のチャンネルで行われる生配信の冒頭で7回ほどサキの宣伝をしてもらう約束になっている」
「報酬軽くないですか……?」
「別に軽くない。サキの宣伝は重要な報酬だ。それに、私は負けないからデメリットなんて一切ない」
「なら良いですけど。もう何が何だか分からないのでとりあえず試合が終わってから考えましょう。試合開始!!!」
これまでで一番雑な試合開始の宣言によって準決勝が始まった。
さて、どんな秘策を抱えているのだろうか……
「じゃあ私のターンね。『レックの審問』!!!!」
そんな私たちが相対する戦艦ペアのデッキは終始相手の妨害に特化したデッキのようだ。
玲子が相手の手札を減らし、海斗が相手のMPを減らす。見知らぬ人と組む場合は弱いデッキだが、見知った相手と示し合わせて構成を考えられる今回のような場ではかなり強いデッキである。
しかし本当に使ってくる人が居るとは思わなかった。どちらもかなり嫌われているデッキだからな。
恐らく一部のアンチから叩かれることよりも配信が盛り上がるかどうかを優先したのだろう。
これが配信者としてのプロ意識ってやつなのだろう。
ただ、
「『幽体の船長』でダイレクトアタック!!!」
その戦法はサキとあまりにも相性が悪かった。
全体的にサキのカードは低コストなせいでMPを減らしても特に影響は無いし、手札も補充しやすいデッキなので手札を減らしきるのは難しい。
まあ私のデッキには刺さっているから私は何もできなかったんだがな。
「よし、勝ち!!!!」
勝者として軽いインタビューを受けた後、舞台裏に戻って他の参加者の試合をのんびりと眺めていた。
その際、私たちとの勝負に全てを賭けている絵馬たちに話しかけられると思ったのだが、そんなことはなく二人はずっと頭を抱えていた。
先ほどの試合でやたら苦戦した後も自信満々な様子を崩さなかったのに何があったのだろうか。
まあどんな状況でも私たちが勝つから関係ないがな。
そんな事を考えている間に1回戦が全て終わり、準決勝が始まった。
「えっと、準決勝というわけで意気込みを聞きたかったのですが、絵馬さんと冴木さん、どうされました?」
山本は台本通りに試合を勧めたかったのだろうが、1回戦とは打って変わってローテンションな二人にツッコまざるを得なかったようだ。
「いや、何もないです。サキ様を取り戻すために頑張ります……」
「私も同じく欲しいものを手に入れるために全力は尽くそうと思います……」
「欲しいもの……?」
冴木は私の引退は願っているだろうが、それは欲しい「もの」なのか……?
真っ当に考えれば
「勝ちたいという気持ちはあるようで何よりです。では先ほどとテンションが変わらないお二人の方にも一応聞いておきましょうか」
「私は特に言うことは無い。ただただまっとうに戦って勝利を手に入れるだけだ」
意気込みを聞かれるが、私は誰が相手だろうと関係ない。
「大切なもののために全力で叩き潰そうと思ってます」
しかしサキは違ったらしく、かなりやる気のようだ。いや、やる気というよりは殺気に近い気もするが。
サキの欲しいものってのは恐らく私の持っている数字の事だろうな。この戦いで守れるものってそれくらいしかないし。
「叩き潰すって物騒ですね……もしかして裏で何かありました?」
そんなサキの様子を不穏に思った山本は進行を忘れて更に追求してきた。
「色々ありましたね」
「そうなんですか……」
「ああ。この試合に負けたら私は配信活動を引退することになっている」
そこまで語ってぼかすのも妙な話なので正直に話すことにした。
「ええ!?!?!?!?」
当然ながら驚く山本。
「安心しろ。私が負けることは無いからな。それにこれの条件は勝った時の報酬の為だからな」
「報酬ですか?」
「ああ。今回私たちが勝ったら絵馬のチャンネルで行われる生配信の冒頭で7回ほどサキの宣伝をしてもらう約束になっている」
「報酬軽くないですか……?」
「別に軽くない。サキの宣伝は重要な報酬だ。それに、私は負けないからデメリットなんて一切ない」
「なら良いですけど。もう何が何だか分からないのでとりあえず試合が終わってから考えましょう。試合開始!!!」
これまでで一番雑な試合開始の宣言によって準決勝が始まった。
さて、どんな秘策を抱えているのだろうか……
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