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25話
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「一応弁明しておくと、私はチョロいわけではない。確かに初めて通話した時にサキが公表している全てのコンテンツに課金したが、断じてチョロくない」
「やっぱりチョロいじゃん。あの子のコンテンツに全て課金したってことは大体10万以上突っ込んでたってことじゃん。次葉ちゃん、やっぱり監視が必要だよ」
「ですね。この調子だとあの人に1億円以上貢ぎそうですし」
「次葉、野崎先輩。いくら私がサキを好きだといっても1億円もサキに渡すわけがないだろ」
「そのセリフはこれまでの行動を振り返ってから言え」
「加藤先輩、別に殆ど金はかかっていないんだから良いだろ。それに、私が1億円を出さなくてもサキは将来的に1億なんて軽く稼いでしまえるような大手配信者になる」
もしサキが何かしらの事情で有名になれないのであれば貢いでいた可能性もあるが、そんなことはないからな。
「それは優斗君が全力で支援しているからってのもありそうだけど……」
「別に私の支援が無かったとしても伸びているだろう。時間はかかるかもしれないがな」
「まあ、サキはちゃんと面白いからな。そう断言する気持ちは分かる」
「加藤先輩、サキの魅力を分かってくれるか!!!」
何故か微妙な表情をしている女性陣に対し、加藤先輩だけは肯定で返してくれた。
「お、おう。とはいっても生配信ってのが苦手であんまり見ていないがな」
「生配信が苦手なのか?」
が、生配信を見ることが苦手らしい。
「ああ。2時間も3時間もパソコンかスマホに張り付いて同じものを見続けるのはどうもな」
「なるほどな。なら切り抜き動画とかはどうだ?」
「切り抜き?」
「切り抜きというのは配信の面白い部分だけを抜粋して動画にまとめたものだな。配信と違ってそこまで時間がかからないから気軽に見れるぞ」
「そんなものがあるのか」
「ああ。切り抜きで調べれば出てくるぞ」
「それは助かる」
「こちらこそサキの事を気に入ってくれて嬉しい。これからもよろしく頼む」
私は未来の同士になるかもしれない加藤先輩と硬く握手を交わした。よし、家に帰ったら加藤先輩が自然にサキのファンになれるような切り抜き動画を作ってみよう。
「で、私がチョロくないという事に対する弁明だが——」
それから私がサキの事を気に入り、全力で支援することになったきっかけについて話したのだが、何故か私がチョロいという結論が変わることはなかった。
その夜、加藤先輩の家で男同士の真剣な話をしつつ、しっかりと切り抜き動画でサキの布教をしてファンになってもらった。
「案件、か」
翌日、私が公開しているメールアドレスに一通の仕事依頼が来ていた。
別の仕事のお陰で全くお金に困っていないこともあり、基本的に全て断っていたのだが今回だけは話が違った。
というのも、今回の案件は私だけに対するものではなく、私とサキの二人に対して依頼している物だったからだ。
最近チャンネルが伸びてきてある程度の収入が得られるようになってきたとはいえ、まだまだサキはお金が欲しいだろう。
「とりあえずサキに相談だな」
それもこれも、サキが受けたいと言うかどうかだからな。
『んあ……はい、優斗さん。どうしました?』
「寝起きか?ならすまない」
というわけで早速サキに電話を掛けてみたのだが、明らかに寝起きだった。
『……いえ、午後2時まで寝ていた私が悪いですから気にしないでください』
「そう言ってもらえると助かる。で今回の要件なんだが、メールを見てもらえるか?」
今起きたということは確実に案件について知らないので、とりあえず見てもらうことにした。
『メール、ですか?』
「ああ。仕事用に公開しているメールがあるだろ?」
『分かりました』
サキはパソコンを起動しているのか、しばらく無言の時間が続いた。
そして、
『ええええええ!!?!?!?』
メールを見たであろうサキが驚きのあまり大声を上げていた。
「やっぱりチョロいじゃん。あの子のコンテンツに全て課金したってことは大体10万以上突っ込んでたってことじゃん。次葉ちゃん、やっぱり監視が必要だよ」
「ですね。この調子だとあの人に1億円以上貢ぎそうですし」
「次葉、野崎先輩。いくら私がサキを好きだといっても1億円もサキに渡すわけがないだろ」
「そのセリフはこれまでの行動を振り返ってから言え」
「加藤先輩、別に殆ど金はかかっていないんだから良いだろ。それに、私が1億円を出さなくてもサキは将来的に1億なんて軽く稼いでしまえるような大手配信者になる」
もしサキが何かしらの事情で有名になれないのであれば貢いでいた可能性もあるが、そんなことはないからな。
「それは優斗君が全力で支援しているからってのもありそうだけど……」
「別に私の支援が無かったとしても伸びているだろう。時間はかかるかもしれないがな」
「まあ、サキはちゃんと面白いからな。そう断言する気持ちは分かる」
「加藤先輩、サキの魅力を分かってくれるか!!!」
何故か微妙な表情をしている女性陣に対し、加藤先輩だけは肯定で返してくれた。
「お、おう。とはいっても生配信ってのが苦手であんまり見ていないがな」
「生配信が苦手なのか?」
が、生配信を見ることが苦手らしい。
「ああ。2時間も3時間もパソコンかスマホに張り付いて同じものを見続けるのはどうもな」
「なるほどな。なら切り抜き動画とかはどうだ?」
「切り抜き?」
「切り抜きというのは配信の面白い部分だけを抜粋して動画にまとめたものだな。配信と違ってそこまで時間がかからないから気軽に見れるぞ」
「そんなものがあるのか」
「ああ。切り抜きで調べれば出てくるぞ」
「それは助かる」
「こちらこそサキの事を気に入ってくれて嬉しい。これからもよろしく頼む」
私は未来の同士になるかもしれない加藤先輩と硬く握手を交わした。よし、家に帰ったら加藤先輩が自然にサキのファンになれるような切り抜き動画を作ってみよう。
「で、私がチョロくないという事に対する弁明だが——」
それから私がサキの事を気に入り、全力で支援することになったきっかけについて話したのだが、何故か私がチョロいという結論が変わることはなかった。
その夜、加藤先輩の家で男同士の真剣な話をしつつ、しっかりと切り抜き動画でサキの布教をしてファンになってもらった。
「案件、か」
翌日、私が公開しているメールアドレスに一通の仕事依頼が来ていた。
別の仕事のお陰で全くお金に困っていないこともあり、基本的に全て断っていたのだが今回だけは話が違った。
というのも、今回の案件は私だけに対するものではなく、私とサキの二人に対して依頼している物だったからだ。
最近チャンネルが伸びてきてある程度の収入が得られるようになってきたとはいえ、まだまだサキはお金が欲しいだろう。
「とりあえずサキに相談だな」
それもこれも、サキが受けたいと言うかどうかだからな。
『んあ……はい、優斗さん。どうしました?』
「寝起きか?ならすまない」
というわけで早速サキに電話を掛けてみたのだが、明らかに寝起きだった。
『……いえ、午後2時まで寝ていた私が悪いですから気にしないでください』
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今起きたということは確実に案件について知らないので、とりあえず見てもらうことにした。
『メール、ですか?』
「ああ。仕事用に公開しているメールがあるだろ?」
『分かりました』
サキはパソコンを起動しているのか、しばらく無言の時間が続いた。
そして、
『ええええええ!!?!?!?』
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