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部屋がループしている件
しおりを挟む俺は部屋を出られなくなってしまった。部屋のドアを開けて扉をくぐるとなぜか部屋に入っているのだ。自分の部屋が自分の部屋に繋がっている。窓から抜け出してみらようとも考えたが全く同じ結果だった。窓から見た景色は普通の外のはずなのに出られない。
このままでは部屋から一歩も出られずに餓死してしまうと考えた俺は何か出来ないか考えることにした。そして俺はパソコンを開きネットに接続した。ネットは普通に繋がるようだった。
とりあえず家族に連絡を入れた。部屋から出られなくなったと。俺は一人暮らしだったため待ってても助けが来ることなんてない。だからこちらに来てもらおうとした。
しかし家族は冗談を言っていると解釈していた。それもそのはずだろう。俺だって冗談と思えるようなシチュエーションなんだから。
こんな様子だったら誰からも助けを得られない。とりあえず部屋から出るために何度も部屋を出てみることにした。
ドアを開けて部屋を何回出ても自分の部屋に戻っていた。気が狂うかと思う程だった。
そんなことを20回ほど繰り返した時、変化が生じた。身に覚えのないパソコンがあったのだ。俺はすがるようにパソコンをコンセントに繋ぎ電源を入れた。すると、ブラウザが開いた。
何かがあると考えた俺はこのパソコンで脱出法を調べようとした。しかし文字は打てるものの検索ボタンは反応しなかった。
結局何も出来なかったが進展があったことに喜んだ俺は同じように扉をくぐった。
その中で20回おきに変化が生じていた。次の20回で簡易トイレが現れ、その次はパソコンの通販のタブが開き、最後に小説家になろうのサイトが開いた。
なろうのサイトが開いた時、パソコンの下に紙が添えられていた。なろうで一位を取れと。
小説なんて書いたことすらなかった俺は困った。そんな俺が面白い話なんて書けるわけがないのだ。それに書けたとしても何年かかることか。
俺は絶対に無理だと感じひたすら現実逃避に扉を通りつづけた。
そこからは20回通っても何も起こらなかった。俺はそれでも諦めなかった。今度は窓から何度も何度も出た。そして窓から100回くらい出続けた後、変化が起きた。
パソコンに作品が入っていたのである。俺は希望を手に入れたのだ。俺はひたすらにこの作品を投稿しつづけた。SNSのアカウントも作り宣伝も欠かさなかった。そして1週間が経った頃、日刊ランキング1位を獲得した。
俺は無事に部屋から脱出した。
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