45 / 49
45話
しおりを挟む
エリーゼのようにいくらかは堕天使化を許してしまうことになったが、ここまで倒せたのだったら被害は最小限に抑えられているはず。
今回事件を起こした大天使を倒し、後々ルーシーさんと一緒に街中から疑いのある方を探し出せば解決となるはずだ。
「ねえエリーゼ、この事件を起こした大天使の居場所って分かる?」
僕はエリーゼに駄目元で聞いてみた。普通なら分からないだろうけれど、大天使になったエリーゼならもしかしたら推測できるかもしれない。
「蠅の出場所を見るに、ノウドル大学の敷地内が一番可能性が高いわ」
何故僕の大学に?
「じゃあとりあえずそこに行ってみよう」
「本当ならそうするべきなんだろうが、それは無理みたいだ」
「そうね」
僕は二人にそう呼びかけるが、断られた。というのも、
「目的の障害になる者は消さないといけませんよねえ」
「はい、その通りでございます」
そこに現れたのはレヴィさんが倒して元に戻したはずの大天使ウリエルと、修道服を身に纏った女性だった。
「まさか……!」
「ああ、そのまさかさ。私はこの蠅たちのお陰で大天使として復活することが出来た。力が漲る感じ、久々だよ」
ウリエルは恍惚そうに語っていた。
「あんたはレイモンドのじいさんとそこのエリーゼって嬢ちゃんと同じ奴か。で、そこの嬢ちゃんは何者だ?」
「私は天使教司教、ライブラ・モニアと申します。以後お見知りおきを」
ライブラと名乗る女性は、恭しく頭を下げた。
「そりゃあそうか。こいつに付き添うような奴だもんな」
「大天使様にこいつ呼ばわりとは、無礼な方ですね」
ライナーさんの軽口に顔を顰めるライブラ。
「まあ構いませんよ。阿呆には私の偉大さを理解できないだけです」
「それもそうですね。大天使様、早く潰してしまいましょう。そこに居る神の意志を理解できない失敗作の大天使も共に」
「はい。さっさと片付けて計画の続きを始めましょう」
そしてライブラとウリエルは戦闘態勢に入った。
「エリーゼとやら、あの男は任せた。女は俺が全力で足止めする。さっさと片付けて手伝ってくれ。そしてペトロ!お前はさっさと大学へ向かえ!」
「はい!」
僕は二人を信じ、走り出した。
「大丈夫だよね……」
ウリエルはともかく、ライブラと名乗る女性。力だけで言えば確実にウリエルやエリーゼより強い。下手をすればライナーさんよりも。
だけど勝てると信じて、僕は自分の役目を全うするしかない。
そして大学に着いた。
建物が一部破壊されており、激しい戦闘が行われていたことが分かる。
「誰かが戦っていたんだ。ならどこかにルーシーさんが居るはず」
あの二人を除けば今この街で戦えるのはルーシーさんとレイモンドさんだけだ。が、レイモンドさんはここを特定できるはずが無い。
静まりかえった校内を歩き回り、僕はひたすらに捜索を続けた。
「え……!」
そして見つけたのはボロボロの状態で倒れたレヴィさんの姿だった。
「大丈夫ですか!!」
僕は慌ててレヴィさんの元へ駆け寄った。
「いやあ、完膚なきまでに負けちゃったよ。そこそこ戦える自信があったんだけどね」
と力なく笑うレヴィさん。
「とりあえず医務室に運びます!」
「いや、大丈夫だよ。動けないのは単に疲れ切っているだけだから」
そう言われてレヴィさんの体をちゃんと見てみると、ボロボロなのは服だけでレヴィさんの体には一切傷がついていなかった。
確かにこれなら放っておいても大丈夫そうだ。
「って大天使はどうなりました?」
レヴィさんが無事だと安心したお陰で本題を思い出した。確かレヴィさんは負けたって……
「ああ、それならあそこに寝ているよ」
レヴィさんが遠くを指差した。そこにはレヴィさんと同様にボロボロになって倒れる男性の姿が。
「え、負けたはずじゃ?」
「そうだね、僕は彼に負けたよ。倒したのはルーシーさ」
ルーシーさんがレヴィさんが負けた相手を倒した?
「どうしてって顔をしているね。どうして彼が僕より強い敵を倒せたのかって。それはね、僕の強さはルーシーさんから借りていたものだったからだよ」
「強さを、借りる?」
「うん。大天使を倒すのを手伝う代わりにね。で、さっき力を全て返したんだ。詳細に関しては彼から聞くと良いよ」
「ルーシーさんは今どこに?」
「天使教の教皇が直接管理している教会だね。僕はここで寝ているから、向かってあげて」
あの街で一番大きい教会か。
「分かりました」
何が起こっているのか分からないが、ルーシーさんに全てを問いただす為、教会へ向かう。
「かなり距離があるから内容を整理しながら向かおう」
レヴィさんはルーシーさんより強かった。しかしそれはルーシーさんに力を与えてもらっていたから。そしてその状態のルーシーさんはレヴィさんが惨敗した大天使を倒せるくらいの力を持っている。
そしてルーシーさんは今回僕たちに何も言わず、単独で行動している。
また、事件が起こった直後にルーシーさんとレヴィさんは大天使の元へ駆けつけられている。
だがルーシーさんは事件を知り調査をした期間はかなり短い。基本的に調査をダンデさんに任せているのにダンデさんより調べが早いなんて話は考えにくい。
つまりルーシーさんは今回の事件を引き起こした大天使の存在を最初から知っているのでは?
「じゃあどうして元に戻そうとしなかったんだ?」
一番考えられるのは力の付与を済ませた後に正体に気付いたから。
でも何となく違う気がする。それなら時間がある時にさくっと倒してしまうだろう。同じ時期に大天使が複数動き出すなんて稀だろうし。
色々考えている間に教会に辿り着いた。
警備をしているはずの信者の方々は全員倒されていた。多分ルーシーさんだろう。教会の中から剣がぶつかりあっている音が聞こえてくる。
「とりあえず中に入ろう」
僕は正面の扉を開き、中に入った。
「何をふざけたことを言ってんだ!」
「理想には犠牲がつきものなんだ。全ては良き世を作るため。元々天使はその為に生まれたんじゃないか!」
中では見知らぬ男性と言い争いながら、空を舞い剣をぶつけ合うルーシーさんが居た。
「ルーシーさん、大天使だったんだ」
確かにそんな気はしていた。ただの人間の筈なのに単独で暴走した堕天使を倒せるわけがなかった。日ごろかなり訓練しているはずのヘルド騎士団の方々ですら集団で倒すのがやっとだったのに。
大天使のような超常的存在が居るんだからそういう人間もいてもおかしくないよねって勝手に整理をつけていた。
天使は堕天使も大天使も認識することが出来ないのだから、天使と出会う前から大天使だったら人間だと偽ることも可能だ。
完全に見落としていた。
「ペトロ!何で来たんだ!危ないから下がってろ!」
でも、ルーシーさんは悪い方ではない。じゃなきゃこうやって戦っていないし、優しい言葉もかけてくるわけがない。
「おっと、客ですか。天使教の方だと思っていましたが」
ルーシーさんが僕に声を掛けたことで、僕の存在に気付いたようだ。
今回事件を起こした大天使を倒し、後々ルーシーさんと一緒に街中から疑いのある方を探し出せば解決となるはずだ。
「ねえエリーゼ、この事件を起こした大天使の居場所って分かる?」
僕はエリーゼに駄目元で聞いてみた。普通なら分からないだろうけれど、大天使になったエリーゼならもしかしたら推測できるかもしれない。
「蠅の出場所を見るに、ノウドル大学の敷地内が一番可能性が高いわ」
何故僕の大学に?
「じゃあとりあえずそこに行ってみよう」
「本当ならそうするべきなんだろうが、それは無理みたいだ」
「そうね」
僕は二人にそう呼びかけるが、断られた。というのも、
「目的の障害になる者は消さないといけませんよねえ」
「はい、その通りでございます」
そこに現れたのはレヴィさんが倒して元に戻したはずの大天使ウリエルと、修道服を身に纏った女性だった。
「まさか……!」
「ああ、そのまさかさ。私はこの蠅たちのお陰で大天使として復活することが出来た。力が漲る感じ、久々だよ」
ウリエルは恍惚そうに語っていた。
「あんたはレイモンドのじいさんとそこのエリーゼって嬢ちゃんと同じ奴か。で、そこの嬢ちゃんは何者だ?」
「私は天使教司教、ライブラ・モニアと申します。以後お見知りおきを」
ライブラと名乗る女性は、恭しく頭を下げた。
「そりゃあそうか。こいつに付き添うような奴だもんな」
「大天使様にこいつ呼ばわりとは、無礼な方ですね」
ライナーさんの軽口に顔を顰めるライブラ。
「まあ構いませんよ。阿呆には私の偉大さを理解できないだけです」
「それもそうですね。大天使様、早く潰してしまいましょう。そこに居る神の意志を理解できない失敗作の大天使も共に」
「はい。さっさと片付けて計画の続きを始めましょう」
そしてライブラとウリエルは戦闘態勢に入った。
「エリーゼとやら、あの男は任せた。女は俺が全力で足止めする。さっさと片付けて手伝ってくれ。そしてペトロ!お前はさっさと大学へ向かえ!」
「はい!」
僕は二人を信じ、走り出した。
「大丈夫だよね……」
ウリエルはともかく、ライブラと名乗る女性。力だけで言えば確実にウリエルやエリーゼより強い。下手をすればライナーさんよりも。
だけど勝てると信じて、僕は自分の役目を全うするしかない。
そして大学に着いた。
建物が一部破壊されており、激しい戦闘が行われていたことが分かる。
「誰かが戦っていたんだ。ならどこかにルーシーさんが居るはず」
あの二人を除けば今この街で戦えるのはルーシーさんとレイモンドさんだけだ。が、レイモンドさんはここを特定できるはずが無い。
静まりかえった校内を歩き回り、僕はひたすらに捜索を続けた。
「え……!」
そして見つけたのはボロボロの状態で倒れたレヴィさんの姿だった。
「大丈夫ですか!!」
僕は慌ててレヴィさんの元へ駆け寄った。
「いやあ、完膚なきまでに負けちゃったよ。そこそこ戦える自信があったんだけどね」
と力なく笑うレヴィさん。
「とりあえず医務室に運びます!」
「いや、大丈夫だよ。動けないのは単に疲れ切っているだけだから」
そう言われてレヴィさんの体をちゃんと見てみると、ボロボロなのは服だけでレヴィさんの体には一切傷がついていなかった。
確かにこれなら放っておいても大丈夫そうだ。
「って大天使はどうなりました?」
レヴィさんが無事だと安心したお陰で本題を思い出した。確かレヴィさんは負けたって……
「ああ、それならあそこに寝ているよ」
レヴィさんが遠くを指差した。そこにはレヴィさんと同様にボロボロになって倒れる男性の姿が。
「え、負けたはずじゃ?」
「そうだね、僕は彼に負けたよ。倒したのはルーシーさ」
ルーシーさんがレヴィさんが負けた相手を倒した?
「どうしてって顔をしているね。どうして彼が僕より強い敵を倒せたのかって。それはね、僕の強さはルーシーさんから借りていたものだったからだよ」
「強さを、借りる?」
「うん。大天使を倒すのを手伝う代わりにね。で、さっき力を全て返したんだ。詳細に関しては彼から聞くと良いよ」
「ルーシーさんは今どこに?」
「天使教の教皇が直接管理している教会だね。僕はここで寝ているから、向かってあげて」
あの街で一番大きい教会か。
「分かりました」
何が起こっているのか分からないが、ルーシーさんに全てを問いただす為、教会へ向かう。
「かなり距離があるから内容を整理しながら向かおう」
レヴィさんはルーシーさんより強かった。しかしそれはルーシーさんに力を与えてもらっていたから。そしてその状態のルーシーさんはレヴィさんが惨敗した大天使を倒せるくらいの力を持っている。
そしてルーシーさんは今回僕たちに何も言わず、単独で行動している。
また、事件が起こった直後にルーシーさんとレヴィさんは大天使の元へ駆けつけられている。
だがルーシーさんは事件を知り調査をした期間はかなり短い。基本的に調査をダンデさんに任せているのにダンデさんより調べが早いなんて話は考えにくい。
つまりルーシーさんは今回の事件を引き起こした大天使の存在を最初から知っているのでは?
「じゃあどうして元に戻そうとしなかったんだ?」
一番考えられるのは力の付与を済ませた後に正体に気付いたから。
でも何となく違う気がする。それなら時間がある時にさくっと倒してしまうだろう。同じ時期に大天使が複数動き出すなんて稀だろうし。
色々考えている間に教会に辿り着いた。
警備をしているはずの信者の方々は全員倒されていた。多分ルーシーさんだろう。教会の中から剣がぶつかりあっている音が聞こえてくる。
「とりあえず中に入ろう」
僕は正面の扉を開き、中に入った。
「何をふざけたことを言ってんだ!」
「理想には犠牲がつきものなんだ。全ては良き世を作るため。元々天使はその為に生まれたんじゃないか!」
中では見知らぬ男性と言い争いながら、空を舞い剣をぶつけ合うルーシーさんが居た。
「ルーシーさん、大天使だったんだ」
確かにそんな気はしていた。ただの人間の筈なのに単独で暴走した堕天使を倒せるわけがなかった。日ごろかなり訓練しているはずのヘルド騎士団の方々ですら集団で倒すのがやっとだったのに。
大天使のような超常的存在が居るんだからそういう人間もいてもおかしくないよねって勝手に整理をつけていた。
天使は堕天使も大天使も認識することが出来ないのだから、天使と出会う前から大天使だったら人間だと偽ることも可能だ。
完全に見落としていた。
「ペトロ!何で来たんだ!危ないから下がってろ!」
でも、ルーシーさんは悪い方ではない。じゃなきゃこうやって戦っていないし、優しい言葉もかけてくるわけがない。
「おっと、客ですか。天使教の方だと思っていましたが」
ルーシーさんが僕に声を掛けたことで、僕の存在に気付いたようだ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

初めて入ったダンジョンに閉じ込められました。死にたくないので死ぬ気で修行したら常識外れの縮地とすべてを砕く正拳突きを覚えました
陽好
ファンタジー
ダンジョンの発生から50年、今ではダンジョンの難易度は9段階に設定されていて、最も難易度の低いダンジョンは「ノーマーク」と呼ばれ、簡単な試験に合格すれば誰でも入ることが出来るようになっていた。
東京に住む19才の男子学生『熾 火天(おき あぐに)』は大学の授業はそれほどなく、友人もほとんどおらず、趣味と呼べるような物もなく、自分の意思さえほとんどなかった。そんな青年は高校時代の友人からダンジョン探索に誘われ、遺跡探索許可を取得して探索に出ることになった。
青年の探索しに行ったダンジョンは「ノーマーク」の簡単なダンジョンだったが、それでもそこで採取できる鉱物や発掘物は仲介業者にそこそこの値段で買い取ってもらえた。
彼らが順調に探索を進めていると、ほとんどの生物が駆逐されたはずのその遺跡の奥から青年の2倍はあろうかという大きさの真っ白な動物が現れた。
彼を誘った高校時代の友人達は火天をおいて一目散に逃げてしまったが、彼は一足遅れてしまった。火天が扉にたどり着くと、ちょうど火天をおいていった奴らが扉を閉めるところだった。
無情にも扉は火天の目の前で閉じられてしまった。しかしこの時初めて、常に周りに流され、何も持っていなかった男が「生きたい!死にたくない!」と強く自身の意思を持ち、必死に生き延びようと戦いはじめる。白いバケモノから必死に逃げ、隠れては見つかり隠れては見つかるということをひたすら繰り返した。
火天は粘り強く隠れ続けることでなんとか白いバケモノを蒔くことに成功した。
そして火天はダンジョンの中で生き残るため、暇を潰すため、体を鍛え、精神を鍛えた。
瞬発力を鍛え、膂力を鍛え、何事にも動じないような精神力を鍛えた。気づくと火天は一歩で何メートルも進めるようになり、拳で岩を砕けるようになっていた。
力を手にした火天はそのまま外の世界へと飛び出し、いろいろと巻き込まれながら遺跡の謎を解明していく。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】どうやら魔森に捨てられていた忌子は聖女だったようです
山葵
ファンタジー
昔、双子は不吉と言われ後に産まれた者は捨てられたり、殺されたり、こっそりと里子に出されていた。
今は、その考えも消えつつある。
けれど貴族の中には昔の迷信に捕らわれ、未だに双子は家系を滅ぼす忌子と信じる者もいる。
今年、ダーウィン侯爵家に双子が産まれた。
ダーウィン侯爵家は迷信を信じ、後から産まれたばかりの子を馭者に指示し魔森へと捨てた。

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
俺がいなくても世界は回るそうなので、ここから出ていくことにしました。ちょっと異世界にでも行ってみます。ウワサの重来者(甘口)
おいなり新九郎
ファンタジー
ハラスメント、なぜだかしたりされちゃったりする仕事場を何とか抜け出して家に帰りついた俺。帰ってきたのはいいけれど・・・。ずっと閉じ込められて開く異世界へのドア。ずっと見せられてたのは、俺がいなくても回るという世界の現実。あーここに居るのがいけないのね。座り込むのも飽きたし、分かった。俺、出ていくよ。その異世界って、また俺の代わりはいくらでもいる世界かな? 転生先の世界でもケガで職を追われ、じいちゃんの店に転がり込む俺・・・だけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる