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37話
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「ここが出版社なんですか」
本のような文化的製品を取り扱っている場所だから何か変な物でもあるのかと期待してやってきたのだけれど、案外普通だった。
だからといってここで普通ですねとか言うわけにもいかない。
「意外とどこにでもある平凡な会社に見えるだろ?」
と思っていたらルーシーさんが言っちゃったよ。
「たしk」
「ルーシー先生だ!!!久々に書いてくれるんですか?」
確かにそうですねという言葉は僕たちの背後からやってきた女性の声にかき消された。
「いや、悪いが今はそういう気分じゃねえんだ」
「そうですか……残念です。楽しみにしているのに……」
「この方は?」
「こいつは俺の編集担当だよ」
「はい、私はパオラ・トエニです。この天才作家であるルーシー先生の編集を僭越ながら務めさせていただいております!」
色々と大げさな人だな。
ハイテンションでこちらに話しかけて来たし、ルーシーさんのこと持ち上げすぎだし。
「初めまして。ペトロです」
「で、先生はどんなご用件でこちらへ?」
とパオラさんはルーシーさんと顔がぶつかりそうになる位まで接近してから尋ねていた。
「近いわ。今日は編集長に会いに来たんだよ」
パオラさんをめんどくさそうに押しのけてからそう答えた。
「多分ミーガンさんの事ですよね。あの人、辞めちゃったんですけど大丈夫ですか?」
「辞めたのかアイツ。何かあったのか?」
「金は十分に稼いだから後は遊んで暮らすんだそうです」
「あいつ馬鹿だろ……」
と呆れた様子のルーシーさんだが、この人も金が無くなったタイミングじゃないと本を出していないらしいので似たようなものだ。
「だから、今は別の外部からやってきた人が編集長を務めているんです」
そんなルーシーさんのブーメラン発言を一切気にする様子の無いパオラさん。
「なるほどな。そいつに会えたりするか?」
「はい、会えますよ。そりゃあ先生ですから。着いてきてください!」
パオラさんの案内によって編集長が居る部屋へと案内された。偉い方にアポなしだから大丈夫かなと思ったが、どうもそういうのを気にしない方らしい。
「失礼します。ルーシー先生とそのご友人を連れてきました!」
「入ってください」
パオラさんがノックをして、返事があったので扉を開く。
「初めまして。ミーガンさんの後継を務めております。新編集長のタイラー・ヒルと申します」
僕たちを待ち受けていたのは、40後半位の小太りのおじさんだった。これまで苦労してきたのか、白髪がチラホラと生えている。
「それでは失礼します!」
パオラさんは一礼して部屋を出た。多分仕事に戻ったのだろう。
「早速聞かせてもらおうか、ここ最近の美食ブームはあんたが起こしたのか?」
ルーシーさんはパオラさんが出て行ったのを確認して、即本題に入った。
「私が起こしたってのは少々違うかな。流石に編集長なりたての私はそこまで権力を持たないから」
元凶であることは否定したが、あのブームが意図的に発生したことは知っているらしい。
「じゃあ誰が起こしたんだ?」
「それは私にも分からない。直属の上司に指示されているだけだからね。本来の業務に加えて、美食ブームを是が非でも起こすために協力しろって」
「直属の上司って誰ですか?」
気になったので聞いてみた。編集長って一番偉いのではって思うんだけど。
「この会社の副社長だね。編集長ってのはあくまで本を作る上でのトップだからね。普通の会社で言うと部長に近いのかな」
僕が出版社についてあまり知らないことを察したのか、説明してくれた。
「そうなんですね」
ってことはこの方は無関係なのかな?
「あんたはこのブームについてどう思ってる?」
恐らく大天使の手によって操られていないかの最終確認だろう。
「正直分からないなあ。美食ブーム起こすって言われても私は食に強い興味があるわけではないから」
「分かった。アポなしで来て悪かったな」
「別に構わないよ。ミーガンさんが辞める前によろしく頼むって言われているからね」
なるほど、だから簡単に会うことを許されたのか。
「失礼した」
「失礼します」
「また何かあれば聞いてね」
「ああ、そうする」
僕たちはやることを済ませたので会社を出る。
「こりゃあダンデに調べてもらわないとな」
「そうですね」
その後、閉店時間に合わせてダンデさんの所へ向かった。
「すまん、今は無理だ。客が多すぎて余裕がねえ」
「そりゃそうだよなあ」
美食ブームによりあり得ないレベルで客が来ている為、本来仕事に回せたはずの時間も働かないといけないようになっている。
たとえ子供を雇って仕事が減ったといっても、ご飯作りや食材の仕入れはまだ一人でやらないといけない。
なら客の話から情報を、といっても厨房に籠らざるを得ないので難しい。
「となるとルーシーさんが直接調べるしかなさそうですね」
僕も大学があるので調べることは不可能だ。調査対象が会社の副社長等になる都合上、一般的な労働時間に拘束されている
「だなあ」
「やめとけ。バレなかった試しが無いだろう」
しかしダンデさんがルーシーさんによる調査を引き留める。
「いや、今回はいけるはず。あん時は運が悪かったんだ」
「調査中にコーヒー溢して、『あっつ!』って声が出てバレたのは運が悪いとかそういう問題じゃねえ」
「溢したのは運が悪いからだろ。溢さなきゃバレてねえんだから」
「喫茶店の中とかじゃなくて外にコーヒーを持ってって溢したはただの間抜けだろうが!」
何やってんのこの人。コーヒーカップ片手に尾行してたらそりゃバレるよ。何なら不審者として捕まるレベルだよ。
「調査にはやっぱりコーヒーだろ……」
確かにコーヒーはあっても良いけど、それは喫茶店内に限りますよルーシーさん……
「じゃあどうしましょうか」
「俺がどっかのタイミングで店を定休日にするしか無いだろ。ルーシーは論外としても、ペトロも慣れていないだろうし、相手が相手だからな。変に目を付けられたら貴族として不味いだろ」
「そうですね」
ダンヴル家が出版社の弱みを握ろうと暗躍しているなんて噂が立ったら目もあてられない。
僕の将来だけでなく、親の名誉も領地の将来も途絶えてしまう可能性がある。
しかしダンデさんに全てを負担させるのも申し訳ない。
どうにか解決策でもないものか。
と考えていると、翌日エリーゼに呼ばれた。丁度いい機会だ、聞いてみよう。
「大天使に関係ありそうな情報が出て来たわ」
なんて考えていると、エリーゼの話題がそれだった。
「大天使?」
「ええ。この美食ブームは大天使によるもので間違いないわ」
どうやらエリーゼは僕たちよりも前に情報を掴んでいたみたいだ。
「そうだね、僕たちもそういう結論になってた」
「なら話は早いわ。今回の大天使はレイモンド・サザーランド。貴族院の政治家ね」
政治家……?ブームに何の関係が?
「彼が出版社や有名な飲食店に呼びかけて、一大ブームを巻き起こそうとしているみたい。先日、それ関連でアグネス商会に話が来たのよ。食品が大量に必要になってくるので調達をお願いしたい、損はさせないからって。で、これがそれの契約書」
「ありがとう」
契約書にはアグネス商会が全面的に飲食店へ食品を提供すること。その代金は通常料金のままで構わない、そして仮にアグネス商会がこの取引関連で赤字を計上することになった場合、その全額を補填すると書いてある。
そしてそれが事実であることを証明するための大手出版社の社長たちと、有名飲食店による署名が並んでいた。
「これが本当の契約書であることは分かったんだけど、あまりにも有利すぎない?」
つまるところ、アグネス商会は黒字以外ありえませんと書いてあるのだ。
「そう、誰が見ても有利って分かる位には凄い契約よね。まあこれが本物だから一応署名したんだけど。その後流石に何かあると思って調べたら大天使が関わっているって分かったの」
「一体何のために……?」
大天使だったとしても意味が分からない。
「前回代表として契約に来た出版社の社長達が言うには、美食ブームを通じて経済を回し、貧困層にも労働の機会を与えたいって」
「確かに上手く行っているけど……」
経済を回し、労働の機会を与える。確かに貧民街の子供たちは働き口が見つかっているし、現に上手くいっているのは事実。
「ただ、余りにも博打に近い行動だったのよね」
「うん」
狙ってブームを作るのはそんなに簡単な事では無い。それに、アグネス商会にこういう契約を持ってくるほどに大規模な利益を上げるとなるとなおさらだ。
でもメディア全てが協力すれば出来ないことは無いのかな?
「何故そんなことが出来るのか調べた結果、レイモンド議員による多額の支援があったことが判明したわ」
本のような文化的製品を取り扱っている場所だから何か変な物でもあるのかと期待してやってきたのだけれど、案外普通だった。
だからといってここで普通ですねとか言うわけにもいかない。
「意外とどこにでもある平凡な会社に見えるだろ?」
と思っていたらルーシーさんが言っちゃったよ。
「たしk」
「ルーシー先生だ!!!久々に書いてくれるんですか?」
確かにそうですねという言葉は僕たちの背後からやってきた女性の声にかき消された。
「いや、悪いが今はそういう気分じゃねえんだ」
「そうですか……残念です。楽しみにしているのに……」
「この方は?」
「こいつは俺の編集担当だよ」
「はい、私はパオラ・トエニです。この天才作家であるルーシー先生の編集を僭越ながら務めさせていただいております!」
色々と大げさな人だな。
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「あいつ馬鹿だろ……」
と呆れた様子のルーシーさんだが、この人も金が無くなったタイミングじゃないと本を出していないらしいので似たようなものだ。
「だから、今は別の外部からやってきた人が編集長を務めているんです」
そんなルーシーさんのブーメラン発言を一切気にする様子の無いパオラさん。
「なるほどな。そいつに会えたりするか?」
「はい、会えますよ。そりゃあ先生ですから。着いてきてください!」
パオラさんの案内によって編集長が居る部屋へと案内された。偉い方にアポなしだから大丈夫かなと思ったが、どうもそういうのを気にしない方らしい。
「失礼します。ルーシー先生とそのご友人を連れてきました!」
「入ってください」
パオラさんがノックをして、返事があったので扉を開く。
「初めまして。ミーガンさんの後継を務めております。新編集長のタイラー・ヒルと申します」
僕たちを待ち受けていたのは、40後半位の小太りのおじさんだった。これまで苦労してきたのか、白髪がチラホラと生えている。
「それでは失礼します!」
パオラさんは一礼して部屋を出た。多分仕事に戻ったのだろう。
「早速聞かせてもらおうか、ここ最近の美食ブームはあんたが起こしたのか?」
ルーシーさんはパオラさんが出て行ったのを確認して、即本題に入った。
「私が起こしたってのは少々違うかな。流石に編集長なりたての私はそこまで権力を持たないから」
元凶であることは否定したが、あのブームが意図的に発生したことは知っているらしい。
「じゃあ誰が起こしたんだ?」
「それは私にも分からない。直属の上司に指示されているだけだからね。本来の業務に加えて、美食ブームを是が非でも起こすために協力しろって」
「直属の上司って誰ですか?」
気になったので聞いてみた。編集長って一番偉いのではって思うんだけど。
「この会社の副社長だね。編集長ってのはあくまで本を作る上でのトップだからね。普通の会社で言うと部長に近いのかな」
僕が出版社についてあまり知らないことを察したのか、説明してくれた。
「そうなんですね」
ってことはこの方は無関係なのかな?
「あんたはこのブームについてどう思ってる?」
恐らく大天使の手によって操られていないかの最終確認だろう。
「正直分からないなあ。美食ブーム起こすって言われても私は食に強い興味があるわけではないから」
「分かった。アポなしで来て悪かったな」
「別に構わないよ。ミーガンさんが辞める前によろしく頼むって言われているからね」
なるほど、だから簡単に会うことを許されたのか。
「失礼した」
「失礼します」
「また何かあれば聞いてね」
「ああ、そうする」
僕たちはやることを済ませたので会社を出る。
「こりゃあダンデに調べてもらわないとな」
「そうですね」
その後、閉店時間に合わせてダンデさんの所へ向かった。
「すまん、今は無理だ。客が多すぎて余裕がねえ」
「そりゃそうだよなあ」
美食ブームによりあり得ないレベルで客が来ている為、本来仕事に回せたはずの時間も働かないといけないようになっている。
たとえ子供を雇って仕事が減ったといっても、ご飯作りや食材の仕入れはまだ一人でやらないといけない。
なら客の話から情報を、といっても厨房に籠らざるを得ないので難しい。
「となるとルーシーさんが直接調べるしかなさそうですね」
僕も大学があるので調べることは不可能だ。調査対象が会社の副社長等になる都合上、一般的な労働時間に拘束されている
「だなあ」
「やめとけ。バレなかった試しが無いだろう」
しかしダンデさんがルーシーさんによる調査を引き留める。
「いや、今回はいけるはず。あん時は運が悪かったんだ」
「調査中にコーヒー溢して、『あっつ!』って声が出てバレたのは運が悪いとかそういう問題じゃねえ」
「溢したのは運が悪いからだろ。溢さなきゃバレてねえんだから」
「喫茶店の中とかじゃなくて外にコーヒーを持ってって溢したはただの間抜けだろうが!」
何やってんのこの人。コーヒーカップ片手に尾行してたらそりゃバレるよ。何なら不審者として捕まるレベルだよ。
「調査にはやっぱりコーヒーだろ……」
確かにコーヒーはあっても良いけど、それは喫茶店内に限りますよルーシーさん……
「じゃあどうしましょうか」
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「そうですね」
ダンヴル家が出版社の弱みを握ろうと暗躍しているなんて噂が立ったら目もあてられない。
僕の将来だけでなく、親の名誉も領地の将来も途絶えてしまう可能性がある。
しかしダンデさんに全てを負担させるのも申し訳ない。
どうにか解決策でもないものか。
と考えていると、翌日エリーゼに呼ばれた。丁度いい機会だ、聞いてみよう。
「大天使に関係ありそうな情報が出て来たわ」
なんて考えていると、エリーゼの話題がそれだった。
「大天使?」
「ええ。この美食ブームは大天使によるもので間違いないわ」
どうやらエリーゼは僕たちよりも前に情報を掴んでいたみたいだ。
「そうだね、僕たちもそういう結論になってた」
「なら話は早いわ。今回の大天使はレイモンド・サザーランド。貴族院の政治家ね」
政治家……?ブームに何の関係が?
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「ありがとう」
契約書にはアグネス商会が全面的に飲食店へ食品を提供すること。その代金は通常料金のままで構わない、そして仮にアグネス商会がこの取引関連で赤字を計上することになった場合、その全額を補填すると書いてある。
そしてそれが事実であることを証明するための大手出版社の社長たちと、有名飲食店による署名が並んでいた。
「これが本当の契約書であることは分かったんだけど、あまりにも有利すぎない?」
つまるところ、アグネス商会は黒字以外ありえませんと書いてあるのだ。
「そう、誰が見ても有利って分かる位には凄い契約よね。まあこれが本物だから一応署名したんだけど。その後流石に何かあると思って調べたら大天使が関わっているって分かったの」
「一体何のために……?」
大天使だったとしても意味が分からない。
「前回代表として契約に来た出版社の社長達が言うには、美食ブームを通じて経済を回し、貧困層にも労働の機会を与えたいって」
「確かに上手く行っているけど……」
経済を回し、労働の機会を与える。確かに貧民街の子供たちは働き口が見つかっているし、現に上手くいっているのは事実。
「ただ、余りにも博打に近い行動だったのよね」
「うん」
狙ってブームを作るのはそんなに簡単な事では無い。それに、アグネス商会にこういう契約を持ってくるほどに大規模な利益を上げるとなるとなおさらだ。
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