2 / 49
2話
しおりを挟む
何があったのか確認するために振り返ると、見知らぬ男が女性のカバンをひったくって逃げている場面だった。
助けなければ、そう動こうとする前に、より犯人に近いアンフィアさんが動いていた。
犯人を捕らえるのではなく、荷物を取り返すためにその細い指を飛び出していたカバンの紐に引っかけた。
「くそっ!」
ひったくり犯はそれに思わず動きを鈍らせるが、それでも男性と女性。振りほどいて逃げることに成功した。
「止まれ!!」
しかし、そのお陰で僕が間に合った。正面からタックルを仕掛け、犯人を押し倒す。その後、少し離れて様子を見ていた男性が集まり、完全に抑え込む。
「離せ!この野郎ども!」
罵倒を放ちながら暴れまわるひったくり犯だったが、男性5人の力には勝てるはずも無く、誰かが呼んできた警察によって無事に逮捕された。
「ありがとうございました!」
かばんは無事に被害者の元に返還され、事件は解決となった。
「女性なのに流石ですね、アンフィアさん」
僕は一番の功労者であろう、アンフィアさんに話しかけた。
さっき別れたばかりなので変な気分ではあるけれど。
「あくまで荷物を取り返すだけなら別に平気よ。それこそペトロ君の方がこそ凄かったわ。刃物を持っているかもしれなかったのに」
「あまり考えていませんでした……」
パッと見刃物は見えなかったから迷わず行ってしまった。
「ちゃんと気を付けてね。それでうっかり死んでしまったら私も君の知人も悲しんでしまうわ」
「分かりました……」
僕は自分の行動の早計さに少し反省した。
「手、大丈夫ですか?」
「手?」
僕はアンフィアさんの右手から血が垂れていることに気付いた。
滴った血が真っ白な服を赤く染めあげている。
「本当だわ。気付かなかったわ」
「すぐに手当てしないと」
僕は何かないかと思案すると、財布の中に包帯を少しだけ入れていることを思い出した。
お母さんが、僕は気を抜くとすぐに怪我をするから入れておきなさいと言われてしまっていたものだった。
「じゃあ包帯を巻きますね」
僕はアンフィアさんの手を取り、応急処置を試みる。
どうやら血の出た先は薬指の爪だった。あれだけ綺麗だったネイルが根元から剥がれ、内側の皮膚が見えていた。
「爪が割れてしまっていますね。元に戻るのは最低でも一月ですかね」
「え……一月?」
僕が大体の完治までの期間を話すと、アンフィアさんは少し動揺した様子で聞いてきた。
「最低でも、ですね。僕は医者じゃないので具体的な期間は分かりかねますが、確実にそれくらいはかかります」
「嘘でしょ……一か月以上?この状態で……」
大した被害ではないと思っていたが、想像以上にアンフィアさんが狼狽えていた。
「アンフィアさん?」
「どうしよう……一月?この状態で?どうにかならないのかしら?」
心配して声を掛けるも、僕の声は一切届かず何やら独り言をぶつぶつ言っている。
先程までの気品があり、優しくも穏やかなアンフィアさんでは無かった。
「アンフィアさん!」
何度声を掛けようが一切の反応は無く、より一層酷い状態になっていく。
そして最後には蹲り、何か苦しんでいる様子だった。
「大丈夫ですか?」
少し気味が悪かったけれど、先ほどまでの美しい女性に戻って欲しかった僕は寄り添った。
しかし、僕は弾き飛ばされた。
「何をするんですか!」
邪魔だからと手を払われた。
そう思いアンフィアさんの方を見る。
しかし、そこにはそんな女性はおらず、目の前には人型の怪物が居た。
「アンフィアさん……?」
目の前にいる怪物はアンフィアさんとは程遠かったが、身に纏っている服、近くに落ちているカバン。そして何よりも両手に備わっている鋭利な9本の爪。
目の前の怪物をアンフィアさんだと断定するには十分すぎる情報だった。
「gugaaaaaaaa!」
怪物は爪を振り回し、僕に襲い掛かる。間一髪躱す。
爪は地面に深く突き刺されていた。石で作られた道のはずなのに。
攻撃をまともに食らったら死んでしまうらしい。
警察も戻ってから時間が経っている。駆けつけるにも時間がかかってしまうだろう。
武器なんて一つも持たない僕は全力で逃げ出すことにした。
怪物はそんな僕を追いかけて、爪を振るい続ける。
どうやら逃がしてくれないらしい。
それでいてスピードも負けているため、上手く障害物を使って逃げる。
田舎で走り回っていた経験がここで活きることになるとは。
不規則な自然と違い、ある程度法則性があるため、事前にルートを立ててもイレギュラーが発生しにくく、背後の攻撃に専念することが出来ていた。
しかし、人間は人間だから体力の限界はあるわけで。
そろそろ逃げようにも体力の限界が来ようとしていた。
「あっ」
限界が来たのか、何もない所で思わず転んでしまう。
目の前に怪物が迫る。止めを刺そうと爪を振り上げる。
これで僕の人生は終わってしまうのか。
僕は覚悟して目を瞑る。
しかしその時は来ることが無かった。
代わりに強烈な金属音が鳴り響く。
「ちっ、もう手遅れだったか」
目の前にいる男性が手に持った剣で助けてくれたようだ。
彼は僕には一切目をくれず、目の前にいる怪物と戦いを繰り広げる。
彼の戦いは非常に芸術的で、相手の攻撃を分かっているかのようにすれすれで回避し、的確に一撃を与える。
あの怪物が武器を振り回す子供のように見えてくる。
「とどめだっ!」
彼の手によって動きが鈍った怪物の首を剣で斬り飛ばした。
頭を失った怪物はそのまま倒れ、その動きを止めた。
「返り血を浴びちまったよ。これじゃあまたアイツにどやされちまうなあ……」
男は文句を呟きながら、僕の元まで歩いてきた。
「そこの少年、大丈夫だったか?」
「大丈夫です。それと、僕は少年じゃあありません成人です」
僕は彼の手を取り立ち上がった。
「ありがとうございます」
「別にこのくらいは構わねえよ。仕事だからな」
仕事……?
「もしかして、あの怪物について知っているんですか?」
「少しだけだがな」
「よろしければ教えてくれませんか?あの怪物はさっきまで人でした。それも僕の知人です。だから知っておきたいんです」
僕の言葉を聞いた男は、頭を掻き、何かを考えた後に口を開いた。
「まあお前なら大丈夫か。端的に言えばこの怪物は堕天した天使のなれの果てだ」
「天使?」
空想上でよく聞かれる言葉だった。
「そう、天使だ。この世界には天使が実在する」
それが本当に実在するなんて。
嘘だとしか思えない話だけれど、この怪物を目にすると、信じざるを得ない気がする。
「とはいっても本とかに描かれている奴と違って人とそんなに変わんねえんだけどな」
「それと怪物に何の関係が?」
「そうだな。それについて話さないといけないな」
「基本的な部分は人間と変わらないんだが、大きな違いが二つある。一つが堕天だ」
「堕天ってのは悪の道に堕ちるってわけではなく、自分の欲望が強大化することを指す。こいつもそういう所があったんじゃねえか?」
「確かにあったかもしれません」
爪に対して並々ならぬ執着があったような気がする。わざわざ危険なところまで来てまでネイルを行うのは、よくよく考えると普通ではない。
「それが継続不可能になった場合、当の本人は強烈なストレスを抱えるようになる。これだけだったらメンタルケアとかでどうにでもなるんだろうけどな。二つ目が問題になってくる」
「強烈なストレスを与えられ、一定値を超えると化け物になってしまう」
「だから……」
確かにアンフィアさんは爪が割れたことに強い動揺をした後、この姿へと変化した。
「その怪物は欲望に応じた変化が起きる。こいつの場合爪に執着があったんだろうな」
体だけになった怪物を見てその男は言う。
「元に戻す方法は無かったんですか?」
あの心優しい女性が。怪物になり果ててしまったから仕方ないのだけれど、救えなかったのだろうか。
「怪物化してしまった場合は無いな」
「その前だったらどうにかなるんですか?」
「一応な。俺の力で元に戻すことは可能だ」
「じゃあ、手伝わせてくれませんか?」
僕にはアンフィアさん以外に一人、思い当たる人が居たのだ。
昔、家でしたっきり二度と会うことが無かった幼馴染。
もしかしたらその手掛かりが見つかるかもしれない。
そう思い、僕はそう申し出た。
彼は少し悩んだ後に、
「分かった。協力してくれ」
「ありがとうございます。僕はペトロ・ダンヴルです」
「俺はルーシーだ。これからよろしくな」
僕達は握手を交わし、解散した。
助けなければ、そう動こうとする前に、より犯人に近いアンフィアさんが動いていた。
犯人を捕らえるのではなく、荷物を取り返すためにその細い指を飛び出していたカバンの紐に引っかけた。
「くそっ!」
ひったくり犯はそれに思わず動きを鈍らせるが、それでも男性と女性。振りほどいて逃げることに成功した。
「止まれ!!」
しかし、そのお陰で僕が間に合った。正面からタックルを仕掛け、犯人を押し倒す。その後、少し離れて様子を見ていた男性が集まり、完全に抑え込む。
「離せ!この野郎ども!」
罵倒を放ちながら暴れまわるひったくり犯だったが、男性5人の力には勝てるはずも無く、誰かが呼んできた警察によって無事に逮捕された。
「ありがとうございました!」
かばんは無事に被害者の元に返還され、事件は解決となった。
「女性なのに流石ですね、アンフィアさん」
僕は一番の功労者であろう、アンフィアさんに話しかけた。
さっき別れたばかりなので変な気分ではあるけれど。
「あくまで荷物を取り返すだけなら別に平気よ。それこそペトロ君の方がこそ凄かったわ。刃物を持っているかもしれなかったのに」
「あまり考えていませんでした……」
パッと見刃物は見えなかったから迷わず行ってしまった。
「ちゃんと気を付けてね。それでうっかり死んでしまったら私も君の知人も悲しんでしまうわ」
「分かりました……」
僕は自分の行動の早計さに少し反省した。
「手、大丈夫ですか?」
「手?」
僕はアンフィアさんの右手から血が垂れていることに気付いた。
滴った血が真っ白な服を赤く染めあげている。
「本当だわ。気付かなかったわ」
「すぐに手当てしないと」
僕は何かないかと思案すると、財布の中に包帯を少しだけ入れていることを思い出した。
お母さんが、僕は気を抜くとすぐに怪我をするから入れておきなさいと言われてしまっていたものだった。
「じゃあ包帯を巻きますね」
僕はアンフィアさんの手を取り、応急処置を試みる。
どうやら血の出た先は薬指の爪だった。あれだけ綺麗だったネイルが根元から剥がれ、内側の皮膚が見えていた。
「爪が割れてしまっていますね。元に戻るのは最低でも一月ですかね」
「え……一月?」
僕が大体の完治までの期間を話すと、アンフィアさんは少し動揺した様子で聞いてきた。
「最低でも、ですね。僕は医者じゃないので具体的な期間は分かりかねますが、確実にそれくらいはかかります」
「嘘でしょ……一か月以上?この状態で……」
大した被害ではないと思っていたが、想像以上にアンフィアさんが狼狽えていた。
「アンフィアさん?」
「どうしよう……一月?この状態で?どうにかならないのかしら?」
心配して声を掛けるも、僕の声は一切届かず何やら独り言をぶつぶつ言っている。
先程までの気品があり、優しくも穏やかなアンフィアさんでは無かった。
「アンフィアさん!」
何度声を掛けようが一切の反応は無く、より一層酷い状態になっていく。
そして最後には蹲り、何か苦しんでいる様子だった。
「大丈夫ですか?」
少し気味が悪かったけれど、先ほどまでの美しい女性に戻って欲しかった僕は寄り添った。
しかし、僕は弾き飛ばされた。
「何をするんですか!」
邪魔だからと手を払われた。
そう思いアンフィアさんの方を見る。
しかし、そこにはそんな女性はおらず、目の前には人型の怪物が居た。
「アンフィアさん……?」
目の前にいる怪物はアンフィアさんとは程遠かったが、身に纏っている服、近くに落ちているカバン。そして何よりも両手に備わっている鋭利な9本の爪。
目の前の怪物をアンフィアさんだと断定するには十分すぎる情報だった。
「gugaaaaaaaa!」
怪物は爪を振り回し、僕に襲い掛かる。間一髪躱す。
爪は地面に深く突き刺されていた。石で作られた道のはずなのに。
攻撃をまともに食らったら死んでしまうらしい。
警察も戻ってから時間が経っている。駆けつけるにも時間がかかってしまうだろう。
武器なんて一つも持たない僕は全力で逃げ出すことにした。
怪物はそんな僕を追いかけて、爪を振るい続ける。
どうやら逃がしてくれないらしい。
それでいてスピードも負けているため、上手く障害物を使って逃げる。
田舎で走り回っていた経験がここで活きることになるとは。
不規則な自然と違い、ある程度法則性があるため、事前にルートを立ててもイレギュラーが発生しにくく、背後の攻撃に専念することが出来ていた。
しかし、人間は人間だから体力の限界はあるわけで。
そろそろ逃げようにも体力の限界が来ようとしていた。
「あっ」
限界が来たのか、何もない所で思わず転んでしまう。
目の前に怪物が迫る。止めを刺そうと爪を振り上げる。
これで僕の人生は終わってしまうのか。
僕は覚悟して目を瞑る。
しかしその時は来ることが無かった。
代わりに強烈な金属音が鳴り響く。
「ちっ、もう手遅れだったか」
目の前にいる男性が手に持った剣で助けてくれたようだ。
彼は僕には一切目をくれず、目の前にいる怪物と戦いを繰り広げる。
彼の戦いは非常に芸術的で、相手の攻撃を分かっているかのようにすれすれで回避し、的確に一撃を与える。
あの怪物が武器を振り回す子供のように見えてくる。
「とどめだっ!」
彼の手によって動きが鈍った怪物の首を剣で斬り飛ばした。
頭を失った怪物はそのまま倒れ、その動きを止めた。
「返り血を浴びちまったよ。これじゃあまたアイツにどやされちまうなあ……」
男は文句を呟きながら、僕の元まで歩いてきた。
「そこの少年、大丈夫だったか?」
「大丈夫です。それと、僕は少年じゃあありません成人です」
僕は彼の手を取り立ち上がった。
「ありがとうございます」
「別にこのくらいは構わねえよ。仕事だからな」
仕事……?
「もしかして、あの怪物について知っているんですか?」
「少しだけだがな」
「よろしければ教えてくれませんか?あの怪物はさっきまで人でした。それも僕の知人です。だから知っておきたいんです」
僕の言葉を聞いた男は、頭を掻き、何かを考えた後に口を開いた。
「まあお前なら大丈夫か。端的に言えばこの怪物は堕天した天使のなれの果てだ」
「天使?」
空想上でよく聞かれる言葉だった。
「そう、天使だ。この世界には天使が実在する」
それが本当に実在するなんて。
嘘だとしか思えない話だけれど、この怪物を目にすると、信じざるを得ない気がする。
「とはいっても本とかに描かれている奴と違って人とそんなに変わんねえんだけどな」
「それと怪物に何の関係が?」
「そうだな。それについて話さないといけないな」
「基本的な部分は人間と変わらないんだが、大きな違いが二つある。一つが堕天だ」
「堕天ってのは悪の道に堕ちるってわけではなく、自分の欲望が強大化することを指す。こいつもそういう所があったんじゃねえか?」
「確かにあったかもしれません」
爪に対して並々ならぬ執着があったような気がする。わざわざ危険なところまで来てまでネイルを行うのは、よくよく考えると普通ではない。
「それが継続不可能になった場合、当の本人は強烈なストレスを抱えるようになる。これだけだったらメンタルケアとかでどうにでもなるんだろうけどな。二つ目が問題になってくる」
「強烈なストレスを与えられ、一定値を超えると化け物になってしまう」
「だから……」
確かにアンフィアさんは爪が割れたことに強い動揺をした後、この姿へと変化した。
「その怪物は欲望に応じた変化が起きる。こいつの場合爪に執着があったんだろうな」
体だけになった怪物を見てその男は言う。
「元に戻す方法は無かったんですか?」
あの心優しい女性が。怪物になり果ててしまったから仕方ないのだけれど、救えなかったのだろうか。
「怪物化してしまった場合は無いな」
「その前だったらどうにかなるんですか?」
「一応な。俺の力で元に戻すことは可能だ」
「じゃあ、手伝わせてくれませんか?」
僕にはアンフィアさん以外に一人、思い当たる人が居たのだ。
昔、家でしたっきり二度と会うことが無かった幼馴染。
もしかしたらその手掛かりが見つかるかもしれない。
そう思い、僕はそう申し出た。
彼は少し悩んだ後に、
「分かった。協力してくれ」
「ありがとうございます。僕はペトロ・ダンヴルです」
「俺はルーシーだ。これからよろしくな」
僕達は握手を交わし、解散した。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

初めて入ったダンジョンに閉じ込められました。死にたくないので死ぬ気で修行したら常識外れの縮地とすべてを砕く正拳突きを覚えました
陽好
ファンタジー
ダンジョンの発生から50年、今ではダンジョンの難易度は9段階に設定されていて、最も難易度の低いダンジョンは「ノーマーク」と呼ばれ、簡単な試験に合格すれば誰でも入ることが出来るようになっていた。
東京に住む19才の男子学生『熾 火天(おき あぐに)』は大学の授業はそれほどなく、友人もほとんどおらず、趣味と呼べるような物もなく、自分の意思さえほとんどなかった。そんな青年は高校時代の友人からダンジョン探索に誘われ、遺跡探索許可を取得して探索に出ることになった。
青年の探索しに行ったダンジョンは「ノーマーク」の簡単なダンジョンだったが、それでもそこで採取できる鉱物や発掘物は仲介業者にそこそこの値段で買い取ってもらえた。
彼らが順調に探索を進めていると、ほとんどの生物が駆逐されたはずのその遺跡の奥から青年の2倍はあろうかという大きさの真っ白な動物が現れた。
彼を誘った高校時代の友人達は火天をおいて一目散に逃げてしまったが、彼は一足遅れてしまった。火天が扉にたどり着くと、ちょうど火天をおいていった奴らが扉を閉めるところだった。
無情にも扉は火天の目の前で閉じられてしまった。しかしこの時初めて、常に周りに流され、何も持っていなかった男が「生きたい!死にたくない!」と強く自身の意思を持ち、必死に生き延びようと戦いはじめる。白いバケモノから必死に逃げ、隠れては見つかり隠れては見つかるということをひたすら繰り返した。
火天は粘り強く隠れ続けることでなんとか白いバケモノを蒔くことに成功した。
そして火天はダンジョンの中で生き残るため、暇を潰すため、体を鍛え、精神を鍛えた。
瞬発力を鍛え、膂力を鍛え、何事にも動じないような精神力を鍛えた。気づくと火天は一歩で何メートルも進めるようになり、拳で岩を砕けるようになっていた。
力を手にした火天はそのまま外の世界へと飛び出し、いろいろと巻き込まれながら遺跡の謎を解明していく。

ここは貴方の国ではありませんよ
水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。
厄介ごとが多いですね。
裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。
※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった
推しと行く魔法士学園入学旅行~日本で手に入れた辞典は、異世界の最強アイテムでした~
ことのはおり
ファンタジー
渡会 霧(わたらい きり)。36歳。オタク。親ガチャハズレの悲惨な生い立ち。
幸薄き彼女が手にした、一冊の辞典。
それは異世界への、特別招待状。
それは推しと一緒にいられる、ミラクルな魔法アイテム。
それは世界を救済する力を秘めた、最強の武器。
本棚を抜けた先は、物語の中の世界――そこからすべてが、始まる。

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる