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106話

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『さて、7人ということでまずは6位から発表していきましょうか。4教科合計203点でシリウス・W・エンジュ君!!!!』

『いやあまじかあ……高校の問題が久々だった割に出来てたから俺って天才?って思ってたんですけどね……』

『いやあ、残念。数学と理科が7割近く取れていたんですけどね。流石に英語が低すぎたかな』

『Vtuberにそこまで詳しくないのであれは無理です』

『多分そうじゃなくても無理でしょ』

『そんなことはありません。見てくださいよこの顔を。英語滅茶苦茶出来そうでしょ?』

『じゃあ序盤である程度稼いでよ』

『くっ……』

 シリウスの点数内訳は
 数学72点
 理科77点
 国語43点
 英語11点
 だった。

 数学と理科については大学受験生と比べてもかなり優秀な方ではなかろうか。結構難しかったぞあれ。

 そしてこの英語の点数は何なんだ。中学生でももう少し取れると思うぞ。

 ……ん?この英語力とVtuberに対する知識量でどうして『Psychic girl Kuro』が書けたんだ?girlなら大丈夫だろうがPsychicは無理だろ。

 まさか……

 いや、それが出来たら高い点数が取れている筈だよな。気のせいだ。



『そして5位は……210点でシュカさんです!!!』

『『え?』』

 そして続く5位はなんとシュカだった。

『いやあ、社会は滅茶苦茶出来るけどそれ以外って結構微妙なんだよね……』

 そんなシュカの点数は
 数学52点
 理科54点
 国語53点
 英語51点
 だった。

 確かに4教科だけ見ると微妙だが、これに化け物の社会が入ってくるんだからかなり凄い点数である。

 文系だったら無双できそうなものだが。基礎になったら理科の点数も多少はあがるだろうし。

『そして続く4位は……270点で九重ヤイバ君です!!!』

「は?」

 俺が4位?ながめに負けて?マジか……

 絶対放送後に葵から散々自慢されるやつだろ……

『いやあ、滅茶苦茶高かったんだけどね。英語が残念だったね』

 数学83点
 理科90点
 国語60点
 英語37点

「そんな低かったか……?」

 思い返してみてもそんなに点数が低かった記憶はない。そこそこには正解していたはずだ。

『うん。だって長文の後の問題一切解いてなかったじゃん』

「は?そんなのあったか?」

『あったよ。今の目標を教えてくださいって自由英作文が。20点あったんだけど見事にそこが空欄だったね』

「そういうことか……」

『伝えようか迷ったけど配信中に言った方が面白いかなって思って今にしてみました。ヤイバ君のリスナーさん、案外この人って抜けてるんだね』

「俺は抜けてなどいない!!!!」

『って言われてもこれはね……』

『諦めよう、ヤイバくん。それが今の実力だよ』

 俺はそんなことないと全力で主張する俺を何故かなだめようとしてくるながめ。

「ながめ、単に俺に勝てたからって煽りたいだけだろお前」

『当然』

「お前な……」

『ってことヤイバ君に勝利した3位の発表です!272点で水晶ながめちゃん!!!』

『やったあ!!!!!!』

 正式に俺に勝利したことが判明し、分かりやすくよろこぶながめ。

「それで俺に勝って嬉しいか……?」

 自由英作文20点分無い相手にたった2点差だぞ?

『勝ちは勝ちだからね!嬉しいに決まってるでしょ!』

「そ、そうか……」

 どう勝ったかは関係なく、1点でも高ければ良かったらしい。

 ちなみにながめの点数はこれだ。

 数学77点
 理科73点
 国語75点
 英語47点

 一応2-2なのでながめが勝っても不自然ではない見た目をしているが、自由英作文を省いたら俺が3-1で勝つだろう。

 本当にこれで勝って嬉しいか……?

『負け犬が色々ほざいているけど勝ちは勝ちだからね。今後ヤイバ君はながめちゃんよりも頭が悪いって情報が広まり続けるよ。私が広めるから』

「ながめに肩入れしすぎじゃないか?」

 二人で話しているとばけるが露骨にながめの肩を持ち出した。そんな気に入らない事でもあったか?

『別にそんなことないと思うけど?』

「どこがだよ……」

『まあ可愛いは正義だからね。守らなきゃ』

「つまり肩入れしているってことだろ」

『とある地方の文化ではそう捉えられるかもしれない』

「どの地方でもそうだよ」

『ってことで次の順位の発表に行こうか』

「雑に終わらすなよ」

 進行の為に流れを切りたい気持ちは分からんでもないが、もう少し丁寧に切ってくれ。

『ってことで2位の発表に行こうか。さて、2位を取ったのは……?』

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