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84話
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『緊張も解れてきてようやく冷静になって思うんですが、ながめさんって凄く話しやすいですね。初めて話すとは思えないくらい』
配信が始まってから40分くらい経ったタイミングで、ターバンはふとそんな事を言った。
『うん。初めて話すとは思えないくらいだよ。忘れているだけで実は昔どこかで一緒にゲームしてたとか?』
「ターバンがながめの配信をずっと見ているせいじゃないか?」
お前らクラスメイトだから当然だろ!と言いたいところだが、そんなことをしたら今までの俺の悪事がバレてしまうので気持ちをぐっとこらえて適当な嘘をついた。
『配信を見ているだけで本人と話しやすくなるもんか?』
どうやらターバンは俺の適当な嘘で騙されるほど間抜けではなかったらしい。
そりゃあそうだ。推しているだけで話しやすくなるのなら世の人気者は全員ファンと結婚している。
「少なくともただの初対面よりは楽だろ」
『確かにそうかも?ターバンくんが私の事をよく知ってくれているから無意識に合わせて話してくれているのかも』
『そうなのか……?』
しかし、水晶ながめは俺の適当な嘘で騙されるほどの間抜けだったため、ファンのターバンもイエスマンとなって流されていた。
九重ヤイバの盲目的なファンなのは知っているが、あまりにも都合が良すぎる。
「そういうことだろ。ターバンは俺やサケビ以外のVtuberと殆ど関わったことないだろうが。どうやってながめと交流を持つんだ」
『……確かに!!』
ぐるぐるターバンは俺をVtuberにするくらいにはVtuberが好きなのだが、殆どVtuberとの関わりを持たない。
リアルの知り合いである俺やサケビ以外だとアスカとほんの少し話すくらいで、少なくともゲームを一緒にするような関係の相手は居ない。
ぐるぐるターバンがVtuberのことが大好きなのは周知の事実であり、絵師としても配信者としても人気なので一見Vtuberからすると仲良くしたいし声を掛けやすい相手に見える。
では何故誰も仲が良い人が居ないのか。それはぐるぐるターバンが高校生な上に多忙だから。
成人済みの配信者からすると、高校生のVtuberに声を掛けるのはなかなかハードルが高いらしい。視聴者の目にどう映るのかとか歳の差のせいで話題がかみ合わないんじゃないかとか色々考えるらしい。
それでもターバンは人気だから高校生だけど声を掛けようと決心する人は結構いるだろう。だが、ツリッターのツリートを見ると内容ぐるぐるターバンは高校生活とイラストレーターで忙しいという結論に至ってしまい連絡を控えてしまうらしい。
普通の専業イラストレーター並みに仕事をしているのでそう見えてしまっても仕方無いのだが、実際のところターバンはかなり速筆なので結構暇している。
テスト期間以外は毎日2時間くらい表に出さない完全に趣味のイラストを描いているらしいしな。
『ここまで相性がいいなら今後もコラボしていきそうだし今のうちにコラボ名とか決めない?』
「珍しいな。ながめってコラボ名を決めるの好きだったか?」
ながめはコラボ名を付けるのはあまり好きではない。
一緒にチャンネルを作る予定がある場合は必要だけど、そんな予定が無いのに決めるとコラボ名が今後の行動を縛る可能性があるから良くないよね、と以前夕食の時に話していたのを覚えている。
じゃあ九水コラボと名前を付けたのは何故なんだと思い、夕食の時に「九水コラボ」と名前を付けたことに対してどう思う?と聞いたことがある。
その時は『ヤイバ君を縛っちゃうのはよくないけど、あのヤイバ君と一対一でコラボできて嬉しくなっちゃって記念に名前を付けたくなる気持ちは分かるから仕方ないよね』と答えていた。つまりは例外らしい。
そんなわけで今回コラボ名を付けようとながめから言い出すのはかなり意外な話だった。
『え?そんな話したことあったっけ?』
「いや、ながめがいる3人以上のコラボに名前があった記憶が無くてな」
『前までコラボ名を付けるのはあまり積極的じゃなかったんだ。でも最近は名前を付けた方が良いんじゃないかなって思うようになって、初めてコラボする組み合わせの時はつけることにしているんだ』
「考え方が変わった?」
『うん。コラボ名って作ったばっかりの時はあまり必要ないけど、数年後にコラボ名を振り返ってこんなことがあったなあって懐かしむことが出来るって考えると欲しいなあって思うようになったんだ』
「なるほどな」
恐らくながめと仲の良い誰かが引退を決めたのだろうな。
言い方的に引退する人とのコラボ名は付けないだろうが、今後引退する人の為にって感じか。
「ただその割には九水コラボを名付けたのはながめだった気がするんだが?」
『そういえばそうだな』
引退に関わる話だろうから良い話で終わらせておきたかったのだが、これに関しては説明しておかないとネット民に色々と言われる可能性が高いので説明させておかないとな。
ながめ。今回は何があってもからかわないから良い感じの言い訳を用意しろ。絶対に本当の理由だけは言うんじゃないぞ。分かっているな?
配信が始まってから40分くらい経ったタイミングで、ターバンはふとそんな事を言った。
『うん。初めて話すとは思えないくらいだよ。忘れているだけで実は昔どこかで一緒にゲームしてたとか?』
「ターバンがながめの配信をずっと見ているせいじゃないか?」
お前らクラスメイトだから当然だろ!と言いたいところだが、そんなことをしたら今までの俺の悪事がバレてしまうので気持ちをぐっとこらえて適当な嘘をついた。
『配信を見ているだけで本人と話しやすくなるもんか?』
どうやらターバンは俺の適当な嘘で騙されるほど間抜けではなかったらしい。
そりゃあそうだ。推しているだけで話しやすくなるのなら世の人気者は全員ファンと結婚している。
「少なくともただの初対面よりは楽だろ」
『確かにそうかも?ターバンくんが私の事をよく知ってくれているから無意識に合わせて話してくれているのかも』
『そうなのか……?』
しかし、水晶ながめは俺の適当な嘘で騙されるほどの間抜けだったため、ファンのターバンもイエスマンとなって流されていた。
九重ヤイバの盲目的なファンなのは知っているが、あまりにも都合が良すぎる。
「そういうことだろ。ターバンは俺やサケビ以外のVtuberと殆ど関わったことないだろうが。どうやってながめと交流を持つんだ」
『……確かに!!』
ぐるぐるターバンは俺をVtuberにするくらいにはVtuberが好きなのだが、殆どVtuberとの関わりを持たない。
リアルの知り合いである俺やサケビ以外だとアスカとほんの少し話すくらいで、少なくともゲームを一緒にするような関係の相手は居ない。
ぐるぐるターバンがVtuberのことが大好きなのは周知の事実であり、絵師としても配信者としても人気なので一見Vtuberからすると仲良くしたいし声を掛けやすい相手に見える。
では何故誰も仲が良い人が居ないのか。それはぐるぐるターバンが高校生な上に多忙だから。
成人済みの配信者からすると、高校生のVtuberに声を掛けるのはなかなかハードルが高いらしい。視聴者の目にどう映るのかとか歳の差のせいで話題がかみ合わないんじゃないかとか色々考えるらしい。
それでもターバンは人気だから高校生だけど声を掛けようと決心する人は結構いるだろう。だが、ツリッターのツリートを見ると内容ぐるぐるターバンは高校生活とイラストレーターで忙しいという結論に至ってしまい連絡を控えてしまうらしい。
普通の専業イラストレーター並みに仕事をしているのでそう見えてしまっても仕方無いのだが、実際のところターバンはかなり速筆なので結構暇している。
テスト期間以外は毎日2時間くらい表に出さない完全に趣味のイラストを描いているらしいしな。
『ここまで相性がいいなら今後もコラボしていきそうだし今のうちにコラボ名とか決めない?』
「珍しいな。ながめってコラボ名を決めるの好きだったか?」
ながめはコラボ名を付けるのはあまり好きではない。
一緒にチャンネルを作る予定がある場合は必要だけど、そんな予定が無いのに決めるとコラボ名が今後の行動を縛る可能性があるから良くないよね、と以前夕食の時に話していたのを覚えている。
じゃあ九水コラボと名前を付けたのは何故なんだと思い、夕食の時に「九水コラボ」と名前を付けたことに対してどう思う?と聞いたことがある。
その時は『ヤイバ君を縛っちゃうのはよくないけど、あのヤイバ君と一対一でコラボできて嬉しくなっちゃって記念に名前を付けたくなる気持ちは分かるから仕方ないよね』と答えていた。つまりは例外らしい。
そんなわけで今回コラボ名を付けようとながめから言い出すのはかなり意外な話だった。
『え?そんな話したことあったっけ?』
「いや、ながめがいる3人以上のコラボに名前があった記憶が無くてな」
『前までコラボ名を付けるのはあまり積極的じゃなかったんだ。でも最近は名前を付けた方が良いんじゃないかなって思うようになって、初めてコラボする組み合わせの時はつけることにしているんだ』
「考え方が変わった?」
『うん。コラボ名って作ったばっかりの時はあまり必要ないけど、数年後にコラボ名を振り返ってこんなことがあったなあって懐かしむことが出来るって考えると欲しいなあって思うようになったんだ』
「なるほどな」
恐らくながめと仲の良い誰かが引退を決めたのだろうな。
言い方的に引退する人とのコラボ名は付けないだろうが、今後引退する人の為にって感じか。
「ただその割には九水コラボを名付けたのはながめだった気がするんだが?」
『そういえばそうだな』
引退に関わる話だろうから良い話で終わらせておきたかったのだが、これに関しては説明しておかないとネット民に色々と言われる可能性が高いので説明させておかないとな。
ながめ。今回は何があってもからかわないから良い感じの言い訳を用意しろ。絶対に本当の理由だけは言うんじゃないぞ。分かっているな?
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