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77話
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「どこからどう見ても……」
「大丈夫。機嫌悪かったとしても一真は一切悪くないから」
「機嫌悪いんだね」
「悪くないよ。気持ちがプラスの方に触れていないだけだよ」
「それを悪いって言うんだけど」
学校生活でも配信でも特に葵の機嫌が悪くなりそうな出来事は無かったと思う。なんなら最近はガチャで大当たりをすぐに引いたり好きな漫画のアニメ化が発表されたりと幸運な出来事が重なっている。
しかし葵は日を追うごとに機嫌が悪くなっている。一体何が原因なんだ。
「とにかく私は大丈夫だから。早くご飯食べよ?」
「う、うん」
どうやら矛先は俺じゃないみたいなので一旦忘れてご飯を食べることにした。
「じゃあまた明日ね」
「うん」
その後俺は葵と別れ、一度家に帰ってから配信部屋へと向かった。
「では、配信を始める。今日はスプラターンだ。今回使うのはメイン武器デストロイブラスターじゃなくてデシリット3Mだ。これ以上強くなることを視野に入れた場合デスブラだと無理があるからな」
今日の配信はスプラターンだ。今後行われるだろう早見ミルとのコラボに向けての特訓だ。
一応コラボウィークに久々にプレイして熱が戻ってしまったからというのが名目となってはいるが、実際の所は完全なソロ配信をするための口実である。
コラボウィークは当然ながら毎日コラボだったからな。
定期的にソロ配信もちゃんとしないと一人で喋れなくなってしまう。
何があっても喋り続けられる生粋の配信者と違って俺は配信者になるために喋れるようになった側だからな。
「デシリットを使うということで事前にエイム練習を済ませてある。早速ガチマッチに潜るぞ」
それから俺は大体1時間半ほどガチマッチに潜り続けた。
「もう少しやれると思っていたが、流石にまだデストロイブラスターには届かないか」
その結果、ランクが降格することは辛うじて無かったもののポイントはしっかりと下がってしまった。
「だが可能性は見えた。これからも定期的にこいつを使っていこうと思う。それが配信に乗るかは未定だが、配信に乗る場合はよろしくな。というわけで今日の配信を終了する」
プレイの上手さを売りにして配信を行っている九重ヤイバの配信としては少々微妙だったかもしれないので、次回をあまり期待させないような言い方をして配信を切った。
「ふう。流石に不慣れな武器を使うのは不味かったかな……」
「今日の配信のエゴサはちょっと怖いし片付けてそのまま帰ろう」
明日も学校があるのでさっさと片付けて家に帰ろうと準備を進めた。
「ん?」
その最中、アスカから連絡が来た。
「なんだろう」
さっさと返信してしまおうと思いスマホでrescordを開く。
雛菊アスカ:『コラボしたいコラボしたいコラボしたいコラボしたいコラボしたいコラボしたいコラボしたい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
「ただのコラボ依頼か。だけどなんだこの文面」
俺は『良いけど何があったの』と返信した。
雛菊アスカ:『二週間ヤイバきゅんとコラボできなかったからしたいんだよ!』
コラボウィークの真ん中位でコラボしたでしょうが。思いっきり告白してきたよねアスカさん。
『一週間前に思いっきりコラボしたよね。そもそもこのくらいの期間コラボしないなんて普通でしょうが』
雛菊アスカ:『それはそうだけど、今回ヤイバきゅんは可愛い女の子をとっかえひっかえコラボしてたじゃん!だから次は私だよ!!本妻の元に戻ってきなさい!!』
『仕事だから仕方ないでしょ。後本妻って何……?』
雛菊アスカ:『本妻は本妻だよ!!!』
『説明になってないけど』
雛菊アスカ:『というわけで決定ね!!明後日の配信は決まってないでしょ?』
『分かったよ』
しばらくはコラボ配信じゃなくてソロ配信をしておきたかったのだが、いつになくアスカの押しが強かったので断り切れなかった。
そして明後日。
『ヤ、イ、バ、きゅーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
アスカは通話を繋いだ瞬間とてつもない声量で叫んできた。
「なに、どうしたのさ」
『久々にゆっくりヤイバきゅんとサシで話せるからさ。ついつい』
「本当に何があったの?」
一昨日のチャットは文面だけの悪乗りだと思っていたが、通話のアスカの方が重症だった。
『一昨日言った通りだよ。本妻の元によく戻ってきてくれました。愛しのヤイバきゅん』
「夫婦どころかカップルですらないでしょうが」
『え?皆に見せているあの仲睦まじい姿は営業だったってことなの……!?ヤイバきゅんはビジネスだから私と仲良くしてくれていたってこと……?』
「仲が良いのは事実だけどそういう意味じゃないでしょ。ただの友達関係でしょうが」
『親友ですらない……?』
「言葉の綾じゃん。親友だよ親友。ここまでずっと一緒にやってきたんだからそうに決まっているでしょ」
『良かった。危うくヤイバきゅんの配信部屋に突撃して今日の配信をオフコラボにするところだったよ』
「本当にどうしたの今日……?」
配信のことを考えるとテンションが高い方が盛り上がるのでありがたいのだが、今日のは度を越えすぎている。
酒飲んで泥酔しているのではないかというレベルだ。だがこのテンションは昨日から続いているので泥酔なわけがない。アスカはそんなことをする人じゃないから。
『とりあえず時間だから配信始めるよ!!!!』
「分かった、始めよ『始めた!!!』
「早すぎるだろ」
俺が配信を始めることに同意しようと返事をした瞬間に配信が始まっていた。
「大丈夫。機嫌悪かったとしても一真は一切悪くないから」
「機嫌悪いんだね」
「悪くないよ。気持ちがプラスの方に触れていないだけだよ」
「それを悪いって言うんだけど」
学校生活でも配信でも特に葵の機嫌が悪くなりそうな出来事は無かったと思う。なんなら最近はガチャで大当たりをすぐに引いたり好きな漫画のアニメ化が発表されたりと幸運な出来事が重なっている。
しかし葵は日を追うごとに機嫌が悪くなっている。一体何が原因なんだ。
「とにかく私は大丈夫だから。早くご飯食べよ?」
「う、うん」
どうやら矛先は俺じゃないみたいなので一旦忘れてご飯を食べることにした。
「じゃあまた明日ね」
「うん」
その後俺は葵と別れ、一度家に帰ってから配信部屋へと向かった。
「では、配信を始める。今日はスプラターンだ。今回使うのはメイン武器デストロイブラスターじゃなくてデシリット3Mだ。これ以上強くなることを視野に入れた場合デスブラだと無理があるからな」
今日の配信はスプラターンだ。今後行われるだろう早見ミルとのコラボに向けての特訓だ。
一応コラボウィークに久々にプレイして熱が戻ってしまったからというのが名目となってはいるが、実際の所は完全なソロ配信をするための口実である。
コラボウィークは当然ながら毎日コラボだったからな。
定期的にソロ配信もちゃんとしないと一人で喋れなくなってしまう。
何があっても喋り続けられる生粋の配信者と違って俺は配信者になるために喋れるようになった側だからな。
「デシリットを使うということで事前にエイム練習を済ませてある。早速ガチマッチに潜るぞ」
それから俺は大体1時間半ほどガチマッチに潜り続けた。
「もう少しやれると思っていたが、流石にまだデストロイブラスターには届かないか」
その結果、ランクが降格することは辛うじて無かったもののポイントはしっかりと下がってしまった。
「だが可能性は見えた。これからも定期的にこいつを使っていこうと思う。それが配信に乗るかは未定だが、配信に乗る場合はよろしくな。というわけで今日の配信を終了する」
プレイの上手さを売りにして配信を行っている九重ヤイバの配信としては少々微妙だったかもしれないので、次回をあまり期待させないような言い方をして配信を切った。
「ふう。流石に不慣れな武器を使うのは不味かったかな……」
「今日の配信のエゴサはちょっと怖いし片付けてそのまま帰ろう」
明日も学校があるのでさっさと片付けて家に帰ろうと準備を進めた。
「ん?」
その最中、アスカから連絡が来た。
「なんだろう」
さっさと返信してしまおうと思いスマホでrescordを開く。
雛菊アスカ:『コラボしたいコラボしたいコラボしたいコラボしたいコラボしたいコラボしたいコラボしたい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
「ただのコラボ依頼か。だけどなんだこの文面」
俺は『良いけど何があったの』と返信した。
雛菊アスカ:『二週間ヤイバきゅんとコラボできなかったからしたいんだよ!』
コラボウィークの真ん中位でコラボしたでしょうが。思いっきり告白してきたよねアスカさん。
『一週間前に思いっきりコラボしたよね。そもそもこのくらいの期間コラボしないなんて普通でしょうが』
雛菊アスカ:『それはそうだけど、今回ヤイバきゅんは可愛い女の子をとっかえひっかえコラボしてたじゃん!だから次は私だよ!!本妻の元に戻ってきなさい!!』
『仕事だから仕方ないでしょ。後本妻って何……?』
雛菊アスカ:『本妻は本妻だよ!!!』
『説明になってないけど』
雛菊アスカ:『というわけで決定ね!!明後日の配信は決まってないでしょ?』
『分かったよ』
しばらくはコラボ配信じゃなくてソロ配信をしておきたかったのだが、いつになくアスカの押しが強かったので断り切れなかった。
そして明後日。
『ヤ、イ、バ、きゅーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
アスカは通話を繋いだ瞬間とてつもない声量で叫んできた。
「なに、どうしたのさ」
『久々にゆっくりヤイバきゅんとサシで話せるからさ。ついつい』
「本当に何があったの?」
一昨日のチャットは文面だけの悪乗りだと思っていたが、通話のアスカの方が重症だった。
『一昨日言った通りだよ。本妻の元によく戻ってきてくれました。愛しのヤイバきゅん』
「夫婦どころかカップルですらないでしょうが」
『え?皆に見せているあの仲睦まじい姿は営業だったってことなの……!?ヤイバきゅんはビジネスだから私と仲良くしてくれていたってこと……?』
「仲が良いのは事実だけどそういう意味じゃないでしょ。ただの友達関係でしょうが」
『親友ですらない……?』
「言葉の綾じゃん。親友だよ親友。ここまでずっと一緒にやってきたんだからそうに決まっているでしょ」
『良かった。危うくヤイバきゅんの配信部屋に突撃して今日の配信をオフコラボにするところだったよ』
「本当にどうしたの今日……?」
配信のことを考えるとテンションが高い方が盛り上がるのでありがたいのだが、今日のは度を越えすぎている。
酒飲んで泥酔しているのではないかというレベルだ。だがこのテンションは昨日から続いているので泥酔なわけがない。アスカはそんなことをする人じゃないから。
『とりあえず時間だから配信始めるよ!!!!』
「分かった、始めよ『始めた!!!』
「早すぎるだろ」
俺が配信を始めることに同意しようと返事をした瞬間に配信が始まっていた。
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