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75話
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「どうする?この調子だと配信が終わるまで狙ってくるぞ」
どちらか一方であればぎりぎり対処できなくもないのだが、両方となると流石に手の打ちようが無い。
Vtuber界の強者二人によるVALPEXということで大きな注目を浴びてコラボは大成功、というのが本来の道筋だったのだが、このままでは微妙な結果に終わってしまう。
このままランクマッチを続けるのではなくカジュアルに潜り、魅せプレイを狙う方針に変えた方が良いかもしれない。
『そうだな……』
「カジュアルに変更するか?ポイントは大事だろ」
この三戦で負けたことにより、サロメのランクは50位から80位まで落ち込んでいた。この調子で行けば配信が終わるころには順位が3桁になっている可能性が非常に高い。
『いや、それは駄目だ。私は決して悪に屈してはいけない。悪には立ち向かい、自らの手で粉砕し勝利する。これが演劇部のあるべき姿だ』
「良いことを言ってはいるが、それは演劇部ではない。演劇部が演じるヒーローのあるべき姿だ」
『とにかく、私は最後まで徹底的に戦い続ける』
「分かった」
今回の主役はサロメだ。サロメに戦う意思があるなら戦い続けるだけだ。
俺たちはそのまま実行ボタンを押し、再びランクマッチに潜ることになった。
そしてスタート地点を決める飛行機に乗ったタイミングで、
『ヤイバ、ジャンプマスターを頼む』
「ん?構わないがどうした?」
『いや、ちょっとあってな。気にしないでくれ』
と言われても、今までジャンプマスターを拒否するどころか、率先して自分がなろうとするレベルで積極的だったのだから気にしない方が無理だろう。
「分かった」
文句は言いたかったが、実際にジャンプマスターの権利を渡されたのでそちらの方に集中する。
「そうだな……」
ただ、ジャンプマスターを渡されたと言ってもどこにおりようがチーターがやってくることは確実なんだよな。
となれば、どこが最適なのだろうか……
「降りるぞ」
結局結論は付かず、何か特徴があるわけでもない凡庸な位置に飛び降りた。
それから数秒が経ったタイミングで、
『武器は確保したか?』
とジャンプマスターの権利を渡してきてから一度も口を開かなかったサロメがそんなことを聞いてきた。
「ああ」
降りたタイミングから漁りを始められる位置に着地していたので、当然武器は確保できている。ただし全く強くはないが。
『なら行くぞ。付いてこい』
「急にどうした!?」
そう言ってサロメは走り出したのでそのまま追いかける。
それからすぐにサロメは道のど真ん中で唐突に止まった。
何かあったのだろうかと不審に思っていると、
サロメ『今から敵を倒しにかかる。これに対して返事はしないでくれ』
とゲーム内のチャットが表示された。
対チーターに何か考えがあるのだろうと察した俺は何も言わずについていった。
数秒後、サロメは少し遠い位置にあるアイテムにマーカーを付けた。
アイテム自体は大したことは無かったが、その先に敵が居た。
サロメは確認して身を隠すことも引くこともせず、ワルキューレのスキルで空に飛びあがり上空から接近していた。
どうやら距離を詰めて戦えとの事らしい。
俺はショットガンを片手に敵のいる方へ距離を詰めた。
俺たちは結構派手な動きをしていたはずなのだが、接近する直前まで存在に気づいていなかったらしく、かなり有利に敵を倒していくことに成功した。
一人、二人と順調に倒し、残るは一人だけ。しかも俺たちはそいつを挟み込む形になっている。
『しまった!!』
有利な展開だったが、あっさりとサロメがやられてしまった。
元々一人を倒した時点で既にダメージを負っていたのはあるが、体力が溶けるの早すぎるだろ。
あまりにもトントン拍子で倒せたので違うかと思ったが、こいつはチーターだったらしい。
『上から一気に仕留めろ!九重!』
しかしここまで接近したら戦う以外の選択肢は無いので正面衝突する予定だったのだが、サロメが唐突にそんなことを言ってきた。
ワルキューレでも無いのにどうやるんだと思っていたが、チーターは唐突に空を見上げていた。
「なるほど」
先ほどのセリフはチーターをだます目的だったらしい。
俺は背後から銃を連射し、チーターの頭を撃ち抜いて倒した。
最後に倒されたサロメを復活させて完全勝利となった。
『ご苦労!良い働きだったぞ』
「俺は背後から銃を撃っただけだ。特に難しいことはしていない。それよりもサロメは何をしたんだ?」
俺が見える限りでサロメがやっていたことはチャットによる突然の方針転換だけだ。しかし、それだけでゴースティングチーターを不意打ち出来るとは思えない。
『とりあえず、このゲームが終わってからだ』
「分かった」
見事にゴースティングチーターを討伐して良い調子でゲームが運んでいく、と思いきやゲームの中盤であっさりと負けてしまった。
『まあ、こういうときもあるさ』
「だな」
別に俺たちが強いからと言って、こういうタイプのゲームで毎回上位を獲得できるわけではない。たまたまゴースティングチーターを倒した回に微妙な回が当てはまっただけである。
『というわけで早速何をしていたのかの説明をしようか。まずは最初にジャンプマスターを交代した件について。これはヤイバと喋らない理由作りと近くに落下してくるプレイヤーを確認が目的だ』
「喋らない理由づくり……?」
どちらか一方であればぎりぎり対処できなくもないのだが、両方となると流石に手の打ちようが無い。
Vtuber界の強者二人によるVALPEXということで大きな注目を浴びてコラボは大成功、というのが本来の道筋だったのだが、このままでは微妙な結果に終わってしまう。
このままランクマッチを続けるのではなくカジュアルに潜り、魅せプレイを狙う方針に変えた方が良いかもしれない。
『そうだな……』
「カジュアルに変更するか?ポイントは大事だろ」
この三戦で負けたことにより、サロメのランクは50位から80位まで落ち込んでいた。この調子で行けば配信が終わるころには順位が3桁になっている可能性が非常に高い。
『いや、それは駄目だ。私は決して悪に屈してはいけない。悪には立ち向かい、自らの手で粉砕し勝利する。これが演劇部のあるべき姿だ』
「良いことを言ってはいるが、それは演劇部ではない。演劇部が演じるヒーローのあるべき姿だ」
『とにかく、私は最後まで徹底的に戦い続ける』
「分かった」
今回の主役はサロメだ。サロメに戦う意思があるなら戦い続けるだけだ。
俺たちはそのまま実行ボタンを押し、再びランクマッチに潜ることになった。
そしてスタート地点を決める飛行機に乗ったタイミングで、
『ヤイバ、ジャンプマスターを頼む』
「ん?構わないがどうした?」
『いや、ちょっとあってな。気にしないでくれ』
と言われても、今までジャンプマスターを拒否するどころか、率先して自分がなろうとするレベルで積極的だったのだから気にしない方が無理だろう。
「分かった」
文句は言いたかったが、実際にジャンプマスターの権利を渡されたのでそちらの方に集中する。
「そうだな……」
ただ、ジャンプマスターを渡されたと言ってもどこにおりようがチーターがやってくることは確実なんだよな。
となれば、どこが最適なのだろうか……
「降りるぞ」
結局結論は付かず、何か特徴があるわけでもない凡庸な位置に飛び降りた。
それから数秒が経ったタイミングで、
『武器は確保したか?』
とジャンプマスターの権利を渡してきてから一度も口を開かなかったサロメがそんなことを聞いてきた。
「ああ」
降りたタイミングから漁りを始められる位置に着地していたので、当然武器は確保できている。ただし全く強くはないが。
『なら行くぞ。付いてこい』
「急にどうした!?」
そう言ってサロメは走り出したのでそのまま追いかける。
それからすぐにサロメは道のど真ん中で唐突に止まった。
何かあったのだろうかと不審に思っていると、
サロメ『今から敵を倒しにかかる。これに対して返事はしないでくれ』
とゲーム内のチャットが表示された。
対チーターに何か考えがあるのだろうと察した俺は何も言わずについていった。
数秒後、サロメは少し遠い位置にあるアイテムにマーカーを付けた。
アイテム自体は大したことは無かったが、その先に敵が居た。
サロメは確認して身を隠すことも引くこともせず、ワルキューレのスキルで空に飛びあがり上空から接近していた。
どうやら距離を詰めて戦えとの事らしい。
俺はショットガンを片手に敵のいる方へ距離を詰めた。
俺たちは結構派手な動きをしていたはずなのだが、接近する直前まで存在に気づいていなかったらしく、かなり有利に敵を倒していくことに成功した。
一人、二人と順調に倒し、残るは一人だけ。しかも俺たちはそいつを挟み込む形になっている。
『しまった!!』
有利な展開だったが、あっさりとサロメがやられてしまった。
元々一人を倒した時点で既にダメージを負っていたのはあるが、体力が溶けるの早すぎるだろ。
あまりにもトントン拍子で倒せたので違うかと思ったが、こいつはチーターだったらしい。
『上から一気に仕留めろ!九重!』
しかしここまで接近したら戦う以外の選択肢は無いので正面衝突する予定だったのだが、サロメが唐突にそんなことを言ってきた。
ワルキューレでも無いのにどうやるんだと思っていたが、チーターは唐突に空を見上げていた。
「なるほど」
先ほどのセリフはチーターをだます目的だったらしい。
俺は背後から銃を連射し、チーターの頭を撃ち抜いて倒した。
最後に倒されたサロメを復活させて完全勝利となった。
『ご苦労!良い働きだったぞ』
「俺は背後から銃を撃っただけだ。特に難しいことはしていない。それよりもサロメは何をしたんだ?」
俺が見える限りでサロメがやっていたことはチャットによる突然の方針転換だけだ。しかし、それだけでゴースティングチーターを不意打ち出来るとは思えない。
『とりあえず、このゲームが終わってからだ』
「分かった」
見事にゴースティングチーターを討伐して良い調子でゲームが運んでいく、と思いきやゲームの中盤であっさりと負けてしまった。
『まあ、こういうときもあるさ』
「だな」
別に俺たちが強いからと言って、こういうタイプのゲームで毎回上位を獲得できるわけではない。たまたまゴースティングチーターを倒した回に微妙な回が当てはまっただけである。
『というわけで早速何をしていたのかの説明をしようか。まずは最初にジャンプマスターを交代した件について。これはヤイバと喋らない理由作りと近くに落下してくるプレイヤーを確認が目的だ』
「喋らない理由づくり……?」
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